50代からのムダ毛ケア

公開日:2018年08月07日

いくつになっても気になる毛!

年齢肌のためのムダ毛ケア~セルフ・サロン・医療~

松宮 詩依さん(東京皮膚科・形成外科)
監修者
松宮詩依
監修者 松宮詩依 東京皮膚科・形成外科品川院 院長

ドラッグストアには除毛•脱毛コーナーがあり、簡単にムダ毛処理ができますが、間違った自己処理によって肌が荒れたり毛穴にシミが残ったり、ひどいと毛穴が化膿したりする場合も。きれいな肌をキープするため、今一度正しい処理の仕方を身につけましょう。

剃る、抜く、アフターケアの基礎知識

一般的にムダ毛処理は、大きく分けて2種類あります。

毛抜き、カミソリ、除毛クリーム、ワックス、家庭用電気シェーバーなど、一般的な道具や薬剤を使って自分で処理する方法と、脱毛サロンや医療クリニックで処理してもらう方法です。

低価格で手軽なのはカミソリですが、肌表面の角質を毛と一緒に削り取ることになり、乾燥や肌荒れなどの原因になるので頻繁に剃りすぎないように気をつけましょう。

更年期後はエストロゲン減少により肌のハリを保つコラーゲンが減るので、一般的に肌は乾燥気味になります。また、風邪気味や疲れが溜まっている時も肌が敏感になっており、カミソリ負けや肌の赤みが出やすくなっています。除毛前には肌の状態をよく観察しましょう。
 

トラブルを避けるための除毛法と肌ケア

セルフボディシェービングとケア
カミソリは刃物。間違った使用法で肌に傷がつくと感染症などを引き起こすこともあります。そうならないためにもまず除毛したい部分を洗って清潔にすることが一番です。

肌の角質は温度が低いと硬く、カミソリの刃が当たった時に傷がつきやすい傾向にあります。蒸しタオルや湯船で温めると肌表面が柔軟になり傷がつきにくくなります。

剃り終わった後には、肌を沈静化するため、保冷剤をタオルなどでつつみ、除毛した部分を冷やします。

セルフフェイスシェービングとケア
顔周りは皮膚が薄く、特に注意しなければならない部分です。更年期後は女性ホルモンのバランスが崩れて顔のうぶ毛が目立ってくることもあります。市販のコールドクリームなどを塗布し、その上から顔そり用のカミソリや専用の電気シェーバーで優しく除毛します。

除毛直後の肌は角質が取られて乾燥しやすくとても敏感な状態です。除毛後は保湿クリームなどでケアし、うるおいのあるすこやかな肌を保ちましょう。

自分で鏡を見ながらの顔のうぶ毛処理がしにくい場合は、女性用のシェービングサロンを利用するのもオススメです。
 

毛抜き脱毛はリスクとの戦い!?

最も身近な脱毛器具というと毛抜きを思い浮かべるかもしれません。眉や口回り、指などの細かい部分、ワキやVゾーンなど、気になった時にさっと取り出して処理ができるのは大変便利です。

しかし毛を引っ張って抜くのは毛根を引きちぎっているのと変わりないので、剃る以上に肌への負担は大きくなります。

皮膚と毛をつなげている毛乳頭には神経と血管も通っているので、毛を抜くと少量の出血が毛穴で起き、皮膚トラブルの原因になることもあります。

毛抜きだけではなく、家庭用電気脱毛機や脱毛テープ、ワックスなども引っ張って抜く脱毛法になるのでトラブルが起きやすくなります。

<自己処理脱毛による代表的なトラブル>
●皮膚に繰り返し傷がつき表面が固くなり、肌が鳥肌状になる

●毛穴がふさがってしまい皮膚下に生えてきた毛が埋もれてしまう埋没毛

●脱毛後、毛穴の奥が化膿してニキビのようになる毛のう炎

●毛のう炎の跡がシミになってしまう炎症性色素沈着

これらの症状が現れた場合は放置せず、早めに皮膚科受診をしましょう!

ムダ毛処理の強い味方!~脱毛サロン~

サロンでの光脱毛のイメージ

更年期後、女性ホルモンの変化により、体毛が以前より濃くなったり薄くなったりする方がいるようです。

特に濃くなった方は、自己処理に疲れた、終わりが見えない、将来介護を受ける時を想定しデリケートゾーンの脱毛を完了させておきたいなどの理由で、脱毛サロンや専門のクリニックへムダ毛ケアをシフトする方も増えています。

また、加齢により、細かいものが見えにくくなり、自分で処理するのが難しいということもあるかもしれません。そんな時には、サロンやクリニックによる脱毛処理がやはり便利です。白髪になると脱毛レーザーが反応しなくなるため、永久脱毛をご希望の場合は思い立ったら早めに受診するのが良いでしょう。

プロの脱毛は代表的なものとして、脱毛サロンのエステティシャンが機械を使って施術するフラッシュ脱毛と医師や看護師が専用のレーザー機器を使用し施術する、医療レーザー脱毛があります。

どちらも光を照射させるという方法は同じですが、照射する光の波長とエネルギーに違いがあります。

フラッシュ脱毛の光は、成長途中の毛に照射すると毛の再生力を弱める効果があります。出力が弱い分、通う期間は長くなりがちですが、肌への負担は少なく済み、医師免許のないエステティシャンも施術することができます。

エステメニューが豊富なサロンもあるので、エステと脱毛を同時進行させることも可能です。さらに照射時の光には毛穴を引き締める効果もあるので、美肌効果も期待できます。

フラッシュ脱毛はムダ毛の再生力を弱くさせる「不再生脱毛」になるため、続けていると毛の生えてくる勢いが抑えられ、ほとんど自己処理の必要ない肌に近づけるとされていますが、永久脱毛の効果は期待できません。

ムダ毛処理の強い味方!~医療クリニック~

一方、医療レーザー脱毛は、強い波長のレーザーを狭い範囲で照射し、毛穴奥の毛乳根にダメージを与えます。医療レーザーの光は毛のメラニン色素にだけ反応するよう調整されていているので、より黒い毛に反応します。

毛を作り出す毛乳根自体を破壊するので、太い毛が生えてこなくなりますが、色素の薄いうぶ毛への効果はほとんどありません。また、効果が強い分、短期間で脱毛を完了させることが可能ですが、施術中の痛みや肌ダメージを伴うリスクや料金が高いというデメリットもあります。とはいえ、生え変わる周期が毛によって違うので、最低でも10回はかかると思っておいたほうが良いでしょう。

また、医療用のダイオードレーザーの蓄熱式脱毛器もあり、こちらは従来のレーザーのようにメラニン色素に反応するのではなく、毛根部の発毛因子にダメージを与えて毛の再生を防ぐもので従来のレーザーよりも痛みが少なく、同等の効果が期待できると言われています。ただし施術者の手技によるところが大きい機器ではあります。

医療レーザー脱毛の痛みは、輪ゴムをパチンと弾かれたものに似ていると言われていますが、毛の太さや箇所、体調などによって痛みも感じ方も変わります。

痛みが我慢できない場合など、麻酔などを使用して施術中の痛みを和らげたりできるのは医療機関ならではです。また脱毛部分に炎症や腫れなどのトラブルが起きた場合も、医師の手によるアフターケアを受けることができるのが最大のメリットと言えるかもしれません。

日焼けしている部位や、お肌の色が浅黒い人はレーザー脱毛によって炎症性色素沈着を起こすことがあります。腕や足など日焼けする部位の脱毛をするのに、真夏は避けた方が無難でしょう。

このようにムダ毛ケアも千差万別。あなたに合った方法でムダ毛のない美しいお肌を手に入れたいですね。

beauty editor
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美容編集者、石山照実が主宰する美容編集者とライターの美容専門の編集プロダクション。美容に特化し、雑誌を中心に活躍する編集者とライターというプロ集団。企画から撮影、記事の構成、さらには動画までを担当。雑誌だけでなく、化粧品メーカーのパンフレットからwebサイトのコラムまで、幅広く活動中。

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