50代なら老人性色素斑の可能性が大です

見分けづらいシミ、そばかす、肝斑の原因と基本ケア

松宮 詩依さん(東京皮膚科・形成外科)
監修者
東京皮膚科・形成外科品川院 院長
松宮詩依

公開日:2018.08.09

シミは紫外線から、細胞を守るために発生するそもそも人間に備わった機能です。とはいえ、現代社会では、そのメカニズムを多用せずとも、肌を守るライフスタイルや、コスメや医療が備わっています。まずはできる限り紫外線を浴びない生活を心がけて。

あなたのシミはどれ? それぞれの正体を知ろう

 

通称そばかすと呼ばれる雀卵斑も老人性色素斑も見た目は薄茶色い点状のシミなので、同じように紫外線由来と思われがちですが、じつは原因が異なります。

そばかすは、『赤毛のアン』や『長靴下のピッピ』などの主人公に代表されるように、10歳ころから出てくる遺伝性由来のシミ。成長するにつれて薄くはなりますが、すっきりとなくなる性質のものではありません。

対して老人性色素斑はいわゆる日焼けが居座って出来たシミ。50代になって出てきたと思うのは、日焼けの色素沈着に代謝スピードが追い付かず、シミとなってしまった結果です。どちらも似たような、薄茶色の丸い天状のシミですが、由来が全く異なります。

 

※イメージ図

とはいえ、シミのでき方に差はあるものの、本来、降り注ぐ紫外線から、肌内部の細胞を守るために、肌色をあえて日焼けさせて、それ以上、紫外線が肌内部に侵入しないようにするメカニズムです。紫外線が表皮のメラノサイトに届いたことが合図となり、茶色いメラニン色素が作られ始め、肌を小麦色に変えていくのです。ですから、紫外線を浴びなくなれば代謝とともに、メラニン色素は徐々に排出されて、肌の色も徐々に冷めていくはずです。

ただ、50代の肌は本来4週間程度の代謝、いわゆるターンオーバーとも呼ばれますが、このスピードが落ちてくるので、徐々に老人性色素斑と呼ばれるシミとなって残っていくことが多いのです。

しみが、かゆみのあるイボになっていく!?

また気を付けたいのは、このシミが、かゆみを持ったイボ状に変わってくることがあります。

脂漏性角化症と呼ばれますが、こうなったらホームケアではなく、すぐに皮膚科で処方を受けてください 。イボもシミが単純に変わったものか、ほかにも要因が絡んでいるかは専門医でないと判断がつきません。保険適応の処置で済むことが多いはずですが、レーザーなどで処置したほうが、傷跡がキレイニなることも。大きくなってからだと切除後に植皮が必要になったりと大がかりになることも。放っておくと段々大きくなってくるので小さいうちの治療をおすすめします。メリットとデメリットをよく検討しましょう。

いずれにしても、紫外線はシミをつくるだけではなく、土台の肌にも相応のダメージを与えていることを忘れず、50代からの肌老けを速めないようケアに取り組むことが大事です。

そばかすは残念ながら、あまりにも時間が経ってしまってからでは、美白化粧品や美容医療でもピンポイント的にそこだけを目がけて、消し去るのは難しいのが現状です。ただ、美白専用の化粧品をライン使いでケアする、あるいは、肌に負担にならない程度にレーザーや光治療を繰り返し受けていくことで、肌機能が全体に上がって、徐々にくすみが改善され、肌全体のトーンアップにつながった例は多く見られます。

また、そばかすができやすい人は、そもそも色白で紫外線に弱い傾向があります。できる限り全身にわたるUVケアが大事です。最近は目から入る紫外線の影響も侮れません。通年にわたる紫外線ガードが大切ですし、美白の内外ケアも重要です。これまでは、紫外線を浴びた後は、緊急にビタミンCを摂取することを勧められていましたが、現在はそれに加えて、普段から飲む日焼け止めを習慣的に摂取することで、うっかり日焼けを防ぐケアとして注目されています。フォトフェイシャルやケミカルピーリング+イオン導入などはそばかすの方にはよく選択されています。

 

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美容編集者、石山照実が主宰する美容編集者とライターの美容専門の編集プロダクション。美容に特化し、雑誌を中心に活躍する編集者とライターというプロ集団。企画から撮影、記事の構成、さらには動画までを担当。雑誌だけでなく、化粧品メーカーのパンフレットからwebサイトのコラムまで、幅広く活動中。

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