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- 「さて」と「ごきげんよう」を使いこなす
ONとOFFを切り替える
仕事は好きだと思うのです。私は中学校の家庭科非常勤講師です。
一週間のうち5日間、二つの中学を掛け持ちで授業をしています。一週間の授業では、ほぼ500人以上の生徒と顔を合わせます。
家に戻ってからもPCを使って、次回の授業用ワークシートを各学年ごとに何種類も作ります。なるべく一人一人生徒の意見を考えて書き込みながら学習できるように、問いかけるように、一時間内に収まるようにプリントを作っていきます。没頭すると、いつまでもそんな作業を続けています。
しかし、私生活の充実も大切な生活の一部で、リラックスできる時間も大切です。
少々ワーカーホリック気味で、時間を忘れてしまうときには思い切って気分を切り替えなくてはいけません。
今やっていることを過去にする言葉
人間が言葉を習得したことは、哺乳類の頂点に立てた大事な一因だと思います。その力を有意義に使って暮らしたいと思いますよね。
当然、言葉は人と人との関係性では重要な働きをします。摩擦をやわらげたり、関係性を構築したり、時には崩したり、人はさまざまな言葉を駆使して生活しています。
人と人との間で交わされる言葉ではなく、私はあえて自分自身にも言葉掛けをします。
やりかけている仕事から離れなければならない時には、声に出して「さて」と言ってみます。
「さて」と言う言葉は、瞬時にしてやりかけの事を過去に追いやる言葉です。
すっきりと切り替えて過去のことになってしまう魔法の呪文です。「さて」と言って椅子から立ち上がれば、もう心は違う次のことに向き直ってしまいます。
いつでも使える言葉
かつて学生時代の授業始まりと終わりのあいさつが「ごきげんよう」でした。
この「ごきげんよう」はたぶん「ご機嫌よろしゅうお過ごしください」とでもいう挨拶を省略した言葉ではないでしょうか。
また「さようなら」は「さようであるならばお別れですね」と言う言葉の省略です。
「こんにちは」で使用するときは「こんにちは(今日は)ご機嫌麗しくおられますか」です。
さようならでも、こんにちはでも、どちらにも対応できる「ごきげんよう」は、なんてスマートで少し雅で、いい言葉ではないでしょうか。かしこまらずに日常でも常用できたら素敵だと思います。
いろいろな場面で……、しっかり腰を折って目上の方とのあいさつ時に、同世代とは片手をさっとあげて別れの時に、手紙の終いにも私はよく記入するのが「ごきげんよう」です。
さて、みなさんも自分に声をかけてみませんか。それでは、ごきげんよう。
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