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- 県宝・宮下家の土雛
新聞で、江戸時代の建物に土雛が展示されたと知り、長野県下伊那郡・阿南町和合(わごう)に行きました。700年以上の歴史ある【宮下家住宅】です。さあ、春です! お雛様を飾りましょう。
土雛に逢いたい
今年(2023年)は、気温が低く寒い日が多いのに福寿草は早く咲きはじめました。そこに翌日2月10日は雪がたくさん降りました。
2月25日、雪道の心配もなくなり、早速出かけました。地元旧家に伝わるお雛様は、何組か知っていますが、土雛も和合も初めてです。
自宅から車で1時間、阿南町に入りました。その後、「この道で良いのだろうか」と不安になり、電話で2回もお聞きしました。
到着すると、宮下さんご夫妻が温かく迎えてくれました。
以前からの知り合いのように接していただき、詳しく説明してもらえました。
例年は、反対側の部屋に飾るそうです。今年は土間に続く囲炉裏の間でした。夫人が毎年一つずつ作るという「吊るし雛」が彩を添えていました。
がんばる人は美しい!
江戸時代、庄屋を務め『大家』と呼ばれる宮下家には、古文書がたくさん残されているそうです。建物は1700年頃に建てられ、県宝に指定されています。
お二人は、資料を整理され、古老から昔の暮らしや出来事の聞き取りなどをされているのです。
『将来に伝えていきたい』とがんばる! 美しい姿をここに見ました。
【いま 書き残す和合の人々】和合の歴史と文化を伝える会……の本を読み始めました。
宮下家のお二人は執筆者に名を連ねています。そして、表紙の画は北島新平さんです。
経済性、利便性ばかりを求めて、身近な歴史に目を向けることが無ければ、いずれは何も無かった事になるのでしょう。
この本で、『丁寧な暮らし』があったのだと感じました。
そして何より、『人』を大切にしている暮らしが見えてきました。
【念仏踊り】の舞台・熊野神社と林松寺
念仏踊りは県の無形文化財・国の選択無形民俗文化財に指定されています。
さらに昨年(2022年)、【ユネスコ 無形文化遺産】に登録された、長野県内3つの【風流踊り】のうち2つは阿南町です。【新野の盆踊り】と【和合の念仏踊り】です。
その念仏踊りの舞台が、『熊野社』・土雛を見学した『大家 宮下家』・『林松寺』です。土雛見学後、熊野社と林松寺へ行きました。
特に『林松寺』の自然石の階段が美しく、144段、膝不調の私でも登れました。
途中、木立の中8体の石仏が半円状に並んでいました。
その時、一つの仏像にスポットライトが当たっていました。ほほ笑んでいるようです。
境内には、桜の古木がありました。宮下家の記録によると、明治37年(1904)に小学校の先生が植えたそうです。記録は大事ですね。今度は、桜花を見に訪れたいと思います。
自分のお雛様も出しました。
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