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クイズ・旅行・美術が好きな伊東ちゃいこです。先日「駅にまつわる自作問題」を出題しあうクイズ会に参加しました。私は青森の<田んぼアート駅>を問題にしましたが、他の参加者からも、旅心や美術心を刺激されるような心弾む問題がたくさん出題されました。
問題1:幸せを届けるポストがある駅
問題【鹿児島県指宿市内にはSNS映えしそうなカラフルな丸型ポストが3基(本)ありますが、そのうちの1つ「西大山駅」設置の「幸せを届けるポスト」は、どんな色をしているでしょう?】
今年(2022年)初めに「地理&世界遺産同好会」が発足して以来、日本各地の地理好きたちと時々オンラインにて交流をしています。交流の柱の1つに「自作地理クイズを出題しあう」というのがあり、今回は「駅」をお題にした作問&クイズ会が行われました。上記問題はその中の1作です。
旅心を誘われます
「幸せ」と言ったらあの色かなと、答えは何となく想像つきましたが、問題文を読んでいるうちに解答そっちのけで、のどかな無人駅や駅前にちょこんと立つ丸型ポストの映像が浮かんできて、ほのぼのした気分になりました。
実はこの「西大山駅」、私も15年ほど前に訪れていますし、クイズ界でも「日本最南端のJR駅」として有名なのですが、寡聞にして私はポストのことは存じませんでした。設置時期を調べてみたら、私が旅した直後の2010年とのこと。あ、行くのがちょっと早かった!
このクイズのおかげでステキな情報を入手でき、「また行きたい」と旅情をかきたてられました。
答えは【黄色】。
残りの2基(緑色とピンク色)は「道の駅いぶすき彩花菜館」にあるそうです。
問題2:かつて駅舎だった美術館
問題【印象派絵画を多数収蔵することで有名な美術館で、使用されなくなったターミナル駅を改修して開館した、パリにある美術館といえば何でしょう?】
《かつて駅だった美術館》、パリを訪れた方や絵画好きの方ならピンとくるかと思います。そうでない方でも昨年(2021年)夏の東京五輪閉会式で流れた「パリ大会のプロモーション映像」で目にしているかもしれません。BMXのライダーたちがこの美術館の屋根の上を軽やかに走っていましたから。
答えは【オルセー美術館】。
日本でも企画展が何度も開催されるほど人気の美術館なので、名称をご存じの方は多いと思います。ルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』やマネの『草上の昼食』、ミレーの『落穂拾い』など1848年~1914年の名作が多数展示されています。
※それ以前の美術作品はルーヴル美術館に、以降のものはポンピドゥー・センターに所蔵。
アートに加え、駅舎の雰囲気も楽しめます
オルセーは1900年のパリ万国博覧会に合わせて建設された駅舎(兼ホテル)でしたが、その後取り壊しの危機を迎えながらも、1986年12月に美術館として生まれ変わりました。
「かまぼこ状の大屋根による吹き抜け構造」の駅舎をそのまま活用しているので、館内に足を踏み入れると、駅にいるような不思議な気持ちになります。
駅時代から使用されている金色の大時計は、展示作品に引けを取らない輝きを放ち、オルセー所蔵の芸術作品の1つと思えるほどです。
大時計は建物の外壁にもあり、館内5階に位置するその裏側部分は来館者に開放されているので、記念撮影をしたり、時計針の間からセーヌ川やモンマルトルの丘などの眺望を楽しんだりできます。また、私は入店しなかったのですが同階にあるカフェの店内でも、別の大時計の裏側を見ることができるそうです。
想いは廃線の駅にまで飛ぶ
当記事では2駅を取り上げましたが、クイズ会ではもっとたくさん魅力的な駅が登場しました。その中には、奇しくもオルセー開館2か月後の1987年2月に廃駅となった「幸福駅」も!
実は幸福駅駅舎もまた、広尾線の廃線に伴い解体される予定だったところ、その駅舎のままで「幸福のスタート地点」の観光地として生まれ変わったのです。今も「老朽化のため2013年にオリジナルの雰囲気を保ちつつ建て替えられた駅舎」やプラットホームに佇めば、昭和のローカル線の雰囲気が味わえます。
問題を自作することの醍醐味は、同じお題であっても、作問者の関心によって題材が美術や廃線駅など多岐にわたりバラエティに富んだクイズが生まれること、そしてそうした問題に触れることで解答者もほんの一瞬、作問者の世界に引き込まれることなのかもしれないと、今回のクイズ会で感じたのでした。
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