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- 2023年の暑い夏、フランク永井さんに想いを寄せる
偶然にも、検索した地図には「大崎市松山ふるさと歴史館・フランク永井展示室」の表記がありました。文字を見た瞬間「低音の魅力」のフランク永井さんの笑顔とともに脳内の深いところにあった数々の曲が一気に流れ始めました。想いがあふれ二度訪れました。
偶然と出会いが響き合った日
ずっと心の中にいてくれた美由紀ちゃんの墓前にお線香を手向けに行こうと、お寺までの道を検索したことがこの夏の全てを方向付けてくれました。
偶然にも検索した地図上で「フランク永井展示室」を見つけたのです。目的地のお寺とはご近所でした。
時を同じくして、これまた偶然にも移動中の車で聞いていた音楽配信アプリから、突如として♪『WOMAN』(山下達郎/作詞作曲)が流れてきました。軽やかで明るくてワクワクしてくる曲調にフランクさんの渋い声が印象的な素敵な曲です。
ただただ懐かしく、偶然と追憶が折り重なったこの日から、寝ても覚めてもフランクさんでいっぱいの毎日が始まりました。
フランク永井展示室にて
懐かしい映像とともにヒット曲が絶え間なく流れている展示室で、学芸員の伊藤優さんは、フランクさんの貴重なお話をたくさんお聞かせくださいました。
展示室にはフランクさんの出された数々のレコードはもちろん、受賞された盾やトロフィー、時代を感じさせる愛用品など、フランク永井ワールドで満ち溢れています。
清人少年を想う…フランク永井さんの少年時代
フランクさんは、宮城県大崎市松山のご出身です。旧志田郡松山町です。お誕生日は私と一日違いの3月18日。同じうお座です。
もともと伊達家重臣、茂庭氏の城下町であった松山町。清人少年(本名永井清人さん)が育ったころの松山町は亜炭鉱山が隆盛な時期。家業の「松山座(芝居小屋のちに映画館)」には弁士や楽士が常に出入りしておりました。
実はフランクさん、当時から芸能を身近に感じていたのではないか……と伊藤さんは推察します。
また、清人少年は親分肌でいわゆるガキ大将だったらしく、のちに昭和のスターになるにはこの親分肌気質が功を奏したと想像できます。
トランペットを手にする機会を得た清人少年。トランペットの練習場に近所の高台にある羽黒神社を選んだようです。
町の人々は「今日も神社には清人がいるな」と感じるほど日常的に練習をしていた清人少年。この風景の向こうに何を見ていたのでしょう。
羽黒神社とトランペット…清人少年が見た風景を私も体感してみたい
学芸員の伊藤さんから聞いた、このひとつのエピソードが、私を動かしました。
ちょうどこの時期、ギタリストで教室も主宰されている富岡洋先生と出会っていました。
私は、少し悩みましたが♪『WOMAN』を奏でることを目標にレッスンを受けることを決意しました。ありがたいことに先生も快くお受けくださいました。ウクレレにしたのは、持ち運びしやすいサイズと重さだからです。
目的はただ一つ、清人少年のように羽黒神社の境内で練習してみたい!! ただそれだけです。
錦秋に染まる旅…松山町再訪
早速♪『WOMAN』弾いてきました! 猛レッスンのおかげで何とか弾けるようになっていたのです。
境内に着くと、私は目を閉じ深呼吸をして清人少年がトランペットを練習している様子を想像しました。何を夢見て、胸にはどんな大きな希望を抱いていたのだろう?
霧子やチャコと有楽町で会っていても、夜霧の第二国道を愛車のジャガーで飛ばす鮮やかな時間の中でも、生まれ故郷のこの風景はいつも心の中にあったことと思います。
学芸員の伊藤優さん
この展示室には、老人施設のご一行がいらっしゃる機会も多くあるそうです。みな一様に生き生きとメロディーを口ずさみ、時には涙しながら懐かしい曲に耳を傾けている……。その様子に伊藤さんは万感の思いがこみ上げてくるそうです。
お話を聞き、伊藤さんからは地域とフランクさんをつなぐ使命感と昭和を代表する歌手、フランク永井さんとその故郷を先々まで守り抜くぞ、という気概と情熱を感じました。ありがとうございました‼
松山ふるさと歴史館/フランク永井展示室
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