素朴な疑問魚介類って、なぜ「魚貝類」と書かないの?

公開日:2018/11/19

魚介類って、なぜ「魚貝類」と書かないの?

 

渋谷にできた新しい複合施設に、スペインで一番美味しいと評判のパエリアの店がオープンしたそうです。パエリアというのは平べったいフライパンを使って、魚介類や肉などをオリーブオイルでいため、そのスープでお米を炊きこんだスペイン料理。特に、代表的なパエリアといえば、エビやイカ、ムール貝などの魚介類たっぷりのもの……。

 

と、ここで、関係ないギモン。「魚介類」って書いているけれど、なんで「介」は「貝」じゃないのでしょう? 魚と貝なら、「魚貝類」のほうがぴったりなのに。魚介類好きなので、気になって調べてみたところ、「魚貝類」と書くのもあながち間違いではないようです。

 

ところが「貝」は、訓読みが「カイ」で、音読みが「バイ」。つまり「魚貝類」と書いたときには、「ギョ」は音読みだから、同じく音読みにすると「ギョバイルイ」と読むのが正しいということになるようです。NHK放送文化研究所によると、これを「ギョかいルイ」と読むと「重箱(じゅうばこ)読み」にあたり、アナウンサーの読み方としてはよろしくないのだそうです。(なるほどね)

 

昔の史料には「ギョバイ」(魚貝)という言葉が出てくるそうですが、魚類と貝類だけだと、エビやカニが含まれないということになってしまうので、やはり総称として「魚介類」と言うようになったようです。

 

「介」という文字は、鎧(よろい)のなかに入った人の形からできているのだそうです。その「鎧」から甲殻類であるエビやカニを指すようになり、「魚介類」には魚類、貝類のほかに、甲殻類であるエビやカニ、甲羅のないイカ、タコ、ウニ、ナマコなどの軟体動物も含まれるようになったといわれています。でも、魚介類にはワカメや昆布などは含まれないんですって。

 

ではなんと呼ぶかといえば、海産物です。(なるほどね)海産物は文字通り、海で採れたものを指します。ですから、魚介類のほかに、ワカメや昆布などの海藻類も含まれます。では、淡水で採れたものはというと、水産物なんですね、これが。海産物に加えて、河川や池で採れたものや、養殖なども含まれるのだそうです。

 

ちなみに、水産物には原産国を表示しなくてはいけないという法律があるって知っていますか?  

 

日本船が漁獲したものは、原則水域名(水揚げした漁港名、都道府県名も可)、外国船が漁獲し輸入されるものは、原産国名(水域名の併記が可能)を表示しなくてはならないそうです。日本海沿岸で採れたサンマも、陸揚げする港によって違う漁港名や都道府県名が書かれていることがあります。

 

有名な例では、「関サバ」は大分県大分市の佐賀関で漁獲したものですが、同じサバが愛媛県の佐田岬に行くと「岬サバ」になります。さらに、外国の海域での例をあげると、オホーツク海で漁獲されたタラバガニでも、日本船が漁獲したものは「オホーツク産」(水域名)で、ロシア船が漁獲したものは「ロシア産」(原産国名)となるそうです。

 

話が大きく逸れましたが、魚と貝<魚介類<海産物<水産物、という分類があることがわかりました。さて、晩ご飯をつくるの面倒になっちゃったから、スーパーでお刺身を買ってこようっと。

 

 

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参照:NHK放送文化研究所 
   厚生労働省 

 

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イラスト:飛田冬子

 


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