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素朴な疑問なぜ畳の縁(へり)を踏んではいけないの?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
小さな頃、よく母に畳の縁(へり)を踏んではいけないと叱られませんでしたか? 今は洋室がほとんどで、和室でのマナーを学ぶ機会も少なくなりましたね。でも、よく考えてみると、どうして畳のへりって踏んではいけないのかしら? 早速調べてみました。
畳の歴史
そもそも畳っていつ頃からあるのでしょうか? その歴史は古く、奈良時代や平安時代にまでさかのぼるそうです。当時はとても高価なもので、部屋の一部にだけ敷いていたとか。
現在の和室のように部屋全体に敷き詰められるようになったのは、鎌倉時代から室町時代にかけて。この辺りから日本固有の「正座」が生まれたそうです。確かに畳の上でないと痛くてできない座り方ですよね。
一般家庭にも畳が普及し出したのは、江戸時代に入ってからのことだそうです。
それでは、畳のへりを踏んではいけないというマナーはなぜ生まれたのでしょうか? それにはいくつかの理由があるそう。
畳の縁(へり)を踏んではいけない理由とは?
紋縁(もんべり)を踏まないため
畳のへりには無地のものと柄入りのものがありますが、柄が入っているへりを「紋縁」というそうです。
この紋縁には、その家の家紋があしらわれていることも多かったとか。つまり、へりを踏む=家紋を踏むということにつながり、大変失礼なことになるというわけですね。そのため、商家や武家の子どもは、紋縁を踏まないよう厳しくしつけられたのだそうです。
身を守るため
武士や忍者が活躍していた時代に、暗殺の手段の一つとして用いられたのが、床下から武器を突き出すというものでした。その際に狙われたのが畳のへりとへりの隙間です。わずかな隙間から漏れる光で位置を特定されるのを防ぎ、身の安全を守るために畳のへりは踏まないようになったそうです。
畳を傷めないため
昔の畳は今よりも耐久度が低いものだったといわれています。特にへりの部分は擦り切れやすく、踏むと畳を傷めてしまう原因にもなったそうです。植物染めを使った質素なへりだけでなく、豪華なへりも金糸や銀糸を多く使っており、非常にデリケートで破れやすいものだったようです。
畳のへりを踏んではいけないというマナーは、たしなみ、時代背景、実用という要素が絡み合って生まれたものなのですね。
ちなみに、平安時代から江戸時代までは、畳のへりに使われる色も身分によって区別されていました。天皇や上皇といった高貴な人はカラフルな繧繝縁(うんげんべり)を、親王や大臣は白地に雲形や菊を織り出した高麗縁(こうらいべり)を使っていたそうです。
他にも僧侶は紫、武士は黄色など細かく定められていました。位の低い人は畳にへりを付けることを許されないという時代もあったそうですよ。畳のへりの柄が身分によって違っていたなんて、知りませんでした!
ただ、母に言われてきた「畳のへりを踏んではいけない」にこんな由来があったなんて。日本の文化って奥深いわあ~。
■人気記事はこちら!
参照:日本文化研究ブログ Japan Culture Lab
イラスト:飛田冬子
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