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2019年10月14日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
先日、友人とちょっとおしゃれをしてランチに出かけました。訪れた懐石料理店には松竹梅の3コースあり、どれもおいしそうで迷いに迷った挙句、竹コースをオーダー。すると飲食店で働いている友人が、フフフと不敵な笑みを浮かべてこう言いました。
「あなた、お店の思惑どおりになったわね! 知ってる? 3つのランクがあると、半分以上の人が真ん中を選ぶんですって。心理学でフレーミング効果というらしいんだけど、うちのお店でも一番売りたいコースが真ん中にくるように店長がメニューを考えているのよ」
フレーミングだかブレーメンだか知らないけど、思い起こせばワタシの人生、ABCならBを、松竹梅なら竹をずっと選んできた気がする。自分の力で選びとってきたつもりが、知らず知らずに誘導されていたかと思うと、なんだかショック!(まあ、料理はおいしいからいいんだけど!)
そんなふうにモヤモヤしていたら、ふと素朴なギモンがわきました。3つの選択肢がある時、日本ではよく「松竹梅」で区別しますよね。一般的に一番上級なコースが松、中くらいが竹、一番手頃なコースが梅、というふうにランクが設定されていますが、あれってどうしてなのかしら? 梅がいつでも下のランクって梅に失礼じゃない?
そこで、ちょっと調べてみました。
そもそも松は寒さ厳しい冬でも緑を保ち、竹は決して屈することなくスクスクと伸び、梅は長い冬に耐えていち早く花を咲かせることから、中国では古くから「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」と呼んで、文人たちがその生命力や清廉潔白ぶりを讃えたといいます。
この「歳寒三友」の考えは、平安時代に日本へ伝わったそうですが、次第に「縁起のよい吉祥のシンボル」と認識されるようになり、門松や引出物など、お祝い事に松竹梅が使われるようになったそうです。つまり、もともと松と竹と梅は3つとも等しく「おめでたい、喜びのしるし」として愛されていたんですね。
そんな松竹梅になぜランク付けが生まれたかというと、どうやら「一番安いコースを注文するのはちょっと恥ずかしい」という日本人の心理から生まれたようです。ある時、3つのコースを用意していたお寿司屋さんが「特上は松、上は竹、並は梅という名前にすれば、お客さんは気兼ねなく注文できるし、響きもキレイだからいいんじゃないか?」と考えてメニュー名にしたところ、これはいい! ということで広まっていったんだとか。
ちなみに、松>竹>梅というランク付けになった理由には諸説あるようで、単純に「松竹梅」の順番で呼びやすいから、というのがひとつ。もうひとつは、吉祥のシンボルとしての歴史の長さ。松が縁起のよい木と考えられるようになったのは平安時代からで、竹は室町時代から、梅は江戸時代からといわれ、時代順から松・竹・梅の順番になっているともいわれています。
聞くところによると、お店によっては梅が最上級コースに設定されていたり、ランクでなく内容の異なるバリエーションメニューとして提供している場合もあるんだとか。松竹梅にもともと優劣はなかったように、ワタシたちもランクやひと目なんて気にせずに、自分が食べたいメニューを選べばいいってことよね!
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参照:BRAVE ANSWER
イラスト:飛田冬子