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素朴な疑問彼岸の意味は? なぜ年に2回あるの?
3月にはお彼岸がありますね。お彼岸が近くなってくると、私の家の近所のスーパーではぼたもちが売り出されます。「ご先祖様にお供えするから……」と言いつつ、もちろん最後に自分が食べるのが楽しみで買ってしまうワタシ……。他にもついつい「祖父母が好きだったもの」という名目で、好きなものを買えて、お彼岸はワタシにとってちょっぴり嬉しいイベントでもあります。
ぼたもちをちゃっかり買い物カゴに入れながら、ふと、秋にも同じような理由でおはぎを買ったことを思い出しました。そういえば、9月にもお彼岸がありますよね? お彼岸って、どうしてお正月やお盆のように年に1度の行事ではないのかしら? 気になって、さっそく調べてみました。
そもそもお彼岸とは、春分の日と秋分の日を中日とし、それぞれの前後の3日間を合わせた計7日間を呼ぶ名称です。春分の日を中日としたお彼岸を「彼岸」「春彼岸」、秋分の日を中日としたお彼岸を「のちの彼岸」「秋彼岸」と呼びます。
彼岸の中日である春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇って真西に沈む日。結果的に、昼と夜の長さが同じになる日であることをご存知の方は多いですよね。春分の日をすぎると、夏に向けて少しずつ昼が長くなり、秋分の日を過ぎると、冬に向けて少しずつ夜が長くなります。
この「太陽が真東から昇って真西に沈む」という点が、仏教的にはとても重要な意味を持っています。
仏教の世界では、「彼岸」=死後の世界は西に、「此岸」=生前の世界は東にあるとされています。そこから、太陽が真東から昇って真西に沈む春分の日と秋分の日は彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考えられ、先祖供養をするようになりました。
だから、お彼岸は1年に2回あるんですね。
「国民の祝日に関する法律」では、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日」とされています。
春彼岸でお墓参りに行った際には、ご先祖様をお参りするだけでなく、春めいてきた自然を感じ、心をほっこりさせることも大切なのかもしれません。こうしておいしいぼたもちが食べられるのも、小豆やお米がきちんと実ってくれたおかげですからね。
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参照:私の根っこプロジェクト
イラスト:飛田冬子
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