お金の疑問・不安を解消!
資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪
2021年08月18日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
「将来ひよこ鑑定士になろうかな~」と、おかしな冗談を言う息子に、そんな資格あるわけないでしょうと笑っていたら、なんと実在するそうです。ひよこ鑑定士って、何をする人なのかしら?
「ひよこ鑑定士」は俗称で、正式名称は「初生雛鑑別師(しょせいひなかんべつし)」です。初生雛鑑別師は、卵をふ化させる「ふ化場」で、かえったばかりのひよこが、オスなのかメスなのかを鑑別する専門職です。
ひよこのオスとメスを鑑別する技術は、1924(大正13)年、農林省畜産試験場で生まれました。当時、鶏の繁殖を研究していた増井清博士と橋本重郎博士、大野勇氏の3名が、ふ化したばかりのひよこ(初生雛)でも、生殖突起に雌雄の差異があることを発見し、日本畜産学会に発表したのが始まりです。
そもそも、なぜオスとメスを見極める必要があるのでしょうか?
それは、食肉用や採卵用など、役割によって飼育方法やエサが異なるためです。そもそもふか化したヒナは、時間が経過するほど、性別の見極めが難しくなることもあり、なるべく早く鑑別する必要があります。そこで、初生雛鑑別師の出番となるわけです!
オスとメスの鑑別法は、鶏の種類によっても異なりますが、指でひよこの肛門を開いて、生殖突起を確かめる「肛門鑑別法(指頭鑑別法)」の他、羽毛の色による「カラー鑑別法」、羽毛の伸びの早さによる「羽毛鑑別法」などがあります。
初生雛鑑別師(ひよこ鑑定士)になるには、公益社団法人畜産協会の「初生雛鑑別師養成所」に試験を経て入所する必要があります。合格者は、養成所でひなの鑑別についての理論的や技術など、5か月間にわたって専門知識を習得します。その後、予備試験を受けて合格すると「ふ化場」で鑑別研修生として1~2年学びます。最終的に高等鑑別師考査にパスすれば、晴れてプロの鑑別師になることができます。
活躍の場は、日本のみならず、海外にまで広がります。ちなみに初生雛鑑別師の養成機関は、日本にたった一つだけです。
受験資格:満25歳以下で、高等学校卒業者または同等以上の資格がある人。身体強健で、視力1.0以上(矯正可)
おいしい鶏肉が食べられるのは、初生雛鑑別師(ひよこ鑑定士)のおかげなんですね。
■人気記事はこちら!
イラスト:飛田冬子