特集|岸惠子さんに学ぶ。「自分らしく生きる」心得

岸惠子さん「人生のラストシーンを自分らしく生きる」

公開日:2021.06.14

更新日:2024.02.13

女優・作家として表現し続ける岸惠子さん(91歳)。2018年85歳当時のインタビューから、「自分らしく生きる心得」をまとめました。人生のラストシーンをどう生きるか、私にしか書けないものを書きたいと語る岸さんから、生きるヒントを学びます。

岸惠子さんのプロフィール

きし・けいこ 1932年神奈川県横浜市生まれ。51年にデビュー、映画界を代表する女優となる。57年に渡仏するも、これまで90本あまりの映画に出演。代表作に『君の名は』『雪国』『おとうと』『かあちゃん』など。作家としても活躍し、『巴里の空はあかね雲』で文芸大賞エッセイ賞を、『ベラルーシの林檎』で日本エッセイストクラブ賞を受賞した。2004年旭日小綬章、 2011年にはフランス共和国政府より芸術文化勲章コマンドールを受章。2013年発表の小説『わりなき恋』はベストセラーに。

 

男女の恋愛、親から子への愛、女の友情…いろいろな愛の形

――岸さんのご自宅は、もともと両親が暮らしていた築100年を超える日本家屋。風格ある大きな引き戸を開けると、赤いニットに負けないくらい華やかな笑顔で迎えてくれました。「新年だからと思って、赤い服を選んだの」と、おちゃめに話す岸さん。上がりには、「いつも庭から摘んできて、自分で生けている」という花が堂々と飾られています。(「ハルメク」2018年2月号インタビューより)

岸さんといえば、2013年に小説『わりなき恋』を発表。年を重ねた男女の性愛を大胆かつ真摯に描き、ベストセラーになりました。それから4年たった2017年、新たに上梓したのが『愛のかたち』。フランスを主な舞台とした二つの中編小説が収められています。

今回は二編とも愛のことを書いたんですが、恋愛小説って言われると、ちょっと違う。男女の恋愛だけでなく、親から子への愛、女の友情など、いろいろな愛の形を書きました。

今、世界中でなんだか人間がイライラしているでしょう。...

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