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- 1日30分でOK!ごんおばちゃまの生前整理メソッド
遺族の負担を軽減するために、元気なうちに身の回りの物を処分する「生前整理」。でも、写真や手紙など思い入れのある品はどうしたらいいの……。シンプルな片付け法が人気のごんおばちゃまに、ラクに片付く3つのコツを教えてもらいました!
「生前整理」心と体が元気なうちに始めよう
身のまわりの片付けは、「まだ先でもいいよね……」と、つい先送りしがちです。しかし、もしあなたが突然亡くなったら、家族や友人など、のこされた人が整理をすることになります。これは、実はとても大変な作業です。
「のこされた者にとって、故人の思い入れがあるであろう荷物の処分は本当に負担になります。なので、私は『生前整理』あるいは『老後整理』を自分でしたいと思っています」
2021年4月に惜しまれながら終了した人気ブログ「ごんおばちゃまの暮らし方」で、自身の体験に基づいた、“楽しく簡単な家事”について記したごんおばちゃまは、こう話します。
「散らかった部屋、人に見られたくないもの、整理してないもの、大事な書類の保管場所。できれば最後は、これらをきちっと身辺整理してから、有終の美でもって人生の幕を閉じたいものです」
自分はまだ元気だからと思っていても、突然、病気で倒れる可能性もあります。生前整理に「早すぎる」ことはありません。元気なうちに、明日といわず今日から片付けを始めましょう。
ごんおばちゃま流!生前整理がはかどる3つのコツ
「片付けとは、使っていないものを捨てるだけでなく、譲る、売る、支援物資にするなどの手段で家の中から外に出すこと。私はそれを“抜く”と呼んでいます。終活なら、そこに“絶対今回で片をつける!”という覚悟が必要です」とごんおばちゃま。
片付けるときに特に判断に迷うのが、思い入れの強いものや思い出の品々。ですが、「明日が人生最期の日と思って」物と向き合うと、これまでのような“捨てられないから取っておく”という選択肢がなくなり、手放しにくいものも究極の判断ができる、とごんおばちゃまは言います。
「“覚悟”を決めたら、あとは3つのコツを守るだけ。がんばらなくてもラクに片付きますよ」
<ラクに片付く3つのコツ>
1.あえて整理整頓はせず、“抜く”だけにすること
「よく聞く“全部出して捨てるものと残すものに分け、残すものを整理しながら戻す”という方法は、長く生きてきた私たち世代にとっては物が多くて大変すぎます」
2.作業は1日30分以内で終えること
「物が多いと一日中やっても終わりません。体と頭に負担がかかり過ぎないよう、必ず守ってください」
3.その30分を毎日続けること
「明日が最期、と思って片付けて、次の日も生きていたらもうけもの(笑)。家中の不要な物がなくなるまで続けましょう」
実践! 手放しにくい物の見極め方
ごんおばちゃまは、片付けを通して、自分にとって何が大事か・大事ではないかを掘り下げることが重要だと助言します。
「物を吟味して持つことは難しいかもしれません。それでも、物と一つ一つ対峙することで、だんだん判断できるようになります。これがごんおばちゃま流のメソッドです」
手放しにくい物を見極めるためのメソッドは下記の通りです。
【写真】自分の思い出の物は、自分自身の手で処分する
子どもにとって、親が写っている写真は捨てにくいもの。ごんおばちゃまは、「私たち夫婦は、結婚式の写真さえ例外なく処分対象にしました」と話します。子どもが写っている写真は、本人に欲しいものを選んでもらい、残りから親が選んであとは処分しましょう。
【ぬいぐるみ・人形】究極の宝物のみ残して処分。神社で供養してもらう方法も
「一緒にお棺に入れてほしい」という宝物と、「手放したら人間関係が壊れる」といういただき物以外は処分してもいいでしょう。なんとなくゴミに出しにくいなら、神社やお寺で供養してもらうのも手です。
【着物】今すぐ作る予定がある、リメイク材料以外は不要品
高かったから、捨てられないからと子どもに全部残すのではなく、欲しいものがあるか確認して選んでもらいましょう。あなたがリメイク用に取っておくなら、具体的にイメージできるものだけを残して、あとは処分を。
【手紙・年賀状】最新の物以外は捨てる。ただし個人情報の流出に注意を
死後、誰かに読まれたくない手紙は、最初に処分しましょう。年賀状を住所録代わりに保存する場合は、最新版以外はシュレッダーにかけ、個人情報の流出を防ぎます。最新版をわかりやすくまとめ、家族に説明しておけば、亡くなったときの連絡リストにもなります。
【嫁入り道具】使いづらく、長年使っていないものは手放す
大きなタンスや重い布団など、使っていないものは処分しましょう。「せっかくこしらえた嫁入りダンスなどが娘の足かせになるのは親御さんも本意ではないはず。何年も使っていないなら、もう手放してもいいのでは」とごんおばちゃま。
【子どもの作品】かさばるものは、思い出を堪能して処分しましょう
残す基準は、上手下手ではなく、かさばらず、見るだけで当時の様子がありありと蘇るものだけにします。後悔しないよう、心ゆくまで思い出を堪能しながら選びましょう。専用の箱1つにまとめ、ときどき見直しを。
生前整理をした後の暮らしは最高です!
ここまでのアドバイス通りに、覚悟を決めて「生前整理」に取り組むと、日々の暮らしが大きく変わります。例えば、探し物をする時間や、たくさんの物をしまったり出したり、メンテナンスする必要がなくなるため、「物に振り回されない自由な時間」が増えることになります。
「家中に物が散らかっていたら、掃除の前にまずはそれを片付けなくてはなりませんよね。実はそれが面倒で掃除嫌いになっているのではないでしょうか。床に何も置かなくなると掃除が楽にできるようになります」
生前整理をすることで、片付けから解放され、普段の掃除もグンと楽になるのです。
「生前整理の後から死ぬまでの間、あなたはもう『片付けねば!』といった気持ちを持つ必要がありません。あとがない!と覚悟してやり切ったのなら、絶対にリバウンドはないはずです」
中には、物を捨てることに抵抗がある人もいるかもしれません。もしそうなら、古着を活用した社会貢献を検討してみましょう。「古着deワクチン」なら専用の回収キットを購入して、古着を詰めて送ると、開発途上国の子どもたちにポリオワクチンを寄付できるという社会貢献制度もあります。
もちろん、いくら生前整理をしても「死後、自分では処理できない遺品」は残るものです。有終の美でもって人生の幕を閉じる”ならば、残される人に負担を掛けないよう、死後の事務手続きをプロに一任するサービスの利用も検討しましょう。
生前整理をきっかけに、自分では処理できない遺品の整理についても準備を始めたいものです。
ごんおばちゃまのプロフィール
1953年(昭和28年)生まれ。自身の体験に基づいたブログ「ごんおばちゃまの暮らし方」が話題に(2021年4月に終了)。近著に『【普及版】あした死んでもいい片付け 実践!』(興陽館刊)がある。
※この記事は2021年10月の記事を再編集して掲載しています。
■もっと知りたい■
- 生前整理のために、物を片付ける5つのポイント
- 生前整理実践編1|樋口恵子さんの合理的な終活片付け
- 生前整理実践編2|手紙、写真、車、着物の手放し方
- 生前整理実践編3|ごんおばちゃまの1日30分片付け
- 生前整理実践編4|片付けは人にお願いしてもいい
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■記事協力=三井住友信託銀行
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