50代からの女性のための人生相談・29

人生相談:介護費用を安くしたい!将来への備え方は?

公開日:2021/07/23

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50代からの女性のための人生相談は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は56歳女性の「親の介護費用を安くしたい」というお悩みについて、介護・暮らしジャーナリスト、太田差惠子さんがアドバイスします。

人生相談:介護費用を安くしたい!将来への備え方は?
50代からの女性のための人生相談・29

56歳女性の「親の介護費用を安くしたい」というお悩み

親の24時間介護施設の費用が高いのが悩みです。親の限度額適用認定証を使ってますが、介護費用を安くすることはできないでしょうか?

また、自分の将来のために、民間の介護保険の選び方も知りたいです。

(56歳女性)

太田差惠子さんの回答「今後さらに増えるケースも…」

介護費用が今後さらに増えるケースも

親御さんが24時間体制の介護施設に入居中とのこと。民間の介護付き有料老人ホームのことかと推察します。

また、「限度額適用認定証」を利用されているということは、親御さんに現役並み所得があり医療費の負担割合は3割なのでしょう。

現役並みであっても同じ世帯の後期高齢者医療被保険者全員の住民税課税所得がいずれも690万円未満の場合は、申請により「限度額適用認定証」の交付を受けることができます。医療機関等の窓口に提示すると保険適用の医療費の自己負担限度額が減額されます。

さて、ご質問の介護費に関しても、所得によって月々の上限が定められています。「高額介護サービス費」です。一般的な所得の場合、世帯単位で月4万4400円が上限です。

ただ、ご相談者の親御さんは現役並み所得のようなので、2021年8月からは限度額がアップする可能性があります。

課税所得が380万円未満なら月4万4400円が上限ですが、それ以上なら月9万3000円に(課税所得690万円以上なら14万100円に)なります。

「高額医療・高額介護合算療養費制度」の条件をチェック

介護費用:医療費控除の条件もチェック

また、高齢の場合、医療費も介護費もかかるケースが多いので医療保険の負担額と介護保険の負担額の1年間の合計額が世帯全体で一定以上となった場合に払い戻される制度もあります。「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。

一般的な所得なら年間上限(医療保険+介護保険)は56万円ですが、課税所得が145万円以上だと67万円、380万円以上だと141万円(課税所得690万円以上なら212万)です。

住民税非課税世帯であれば、さまざまな軽減制度があるのですが、所得が一定以上あると負担額が大きくなります。

施設に入居中でも、介護保険のサービスとして支払っている部分にはこれらの制度を使えます。ただし、保険外の部分には使えないため、有料老人ホームに入居されているとすればそれほどには負担をおさえることは難しいかもしれません。

民間の施設に入居していて費用負担が厳しくなってきた場合には、公的な特別養護老人ホームに移るという選択肢が考えられます。

よく「混んでいて、数年の待機」などと言われますが、どこもかしこも混んでいるわけではありません。地域を拡げて探せば空きのあるところもあります。見学に行き、費用についても説明を受けましょう。住民税非課税だと、かなり費用をおさえられる可能性があります。

「民間介護保険」は保障内容をよく確認して検討を

「民間介護保険」の加入は掛け捨てか積み立てか検討を

親の介護にかかる費用負担を目の当たりにすると、自分自身の将来について心配になる気持ちもわかります。

民間の介護保険は、所定の介護状態になったときに介護一時金が受け取れるものと、介護状態になって以降、毎年介護年金が受け取れるものなどがあります。

公的保険は治療やサービスなどの「現物給付」なのに対し、民間介護保険は「現金給付」です。現金は何にでも使えるので助かります。

「民間介護保険」の加入を検討する場合は、どのような状態になったときに、いくらの保障が欲しいかと、自分自身の希望を整理することが大切です。なぜなら、民間介護保険は商品ごとに、「介護状態」と認定される基準が異なります。公的介護保険に連動した商品もありますが、要介護度が軽度だと給付の対象とならないものもあります。

ご相談者は56歳とのこと。いつまで保険料を支払うか、掛け捨てか積み立てかなども検討する必要があります。

ご自身の所得から「高額介護サービス費」や「高額医療・高額介護合算療養費制度」がどのあたりになるか考えてみましょう。その額によっては、保険に限らず「貯蓄」で備えるのも悪くない選択だと思います。
 

回答者プロフィール:太田差惠子さん

回答者プロフィール:太田差惠子さん(介護・暮らしジャーナリスト)

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)など多数。最新刊は『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)。

構成:竹下沙弥香(ハルメクWEB)

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