50代からの女性のための人生相談・15

人生相談:認知症の両親の介護…施設に入れるべき?

公開日:2021/04/29

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「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は54歳女性の「認知症の両親の介護」についてのお悩みに、介護・暮らしジャーナリスト、太田差惠子さんが回答します。

認知症の両親の介護…施設に入れるべき?
50代からの女性のための人生相談・15

54歳女性の「認知症の両親の介護」についてのお悩み

両親2人を在宅介護中です。2人とも最近認知症が出始めて、ケンカばかりしています。やはり、どちらかを施設に入所させて、2人を離す方がいいのでしょうか?

ちなみに父親は脳梗塞で半身麻痺があり要介護4です。母親も足が悪くて要介護4です。共に車椅子を使用しています。

顔を合わすとケンカばかりです。アドバイスよろしくお願いします。

(54歳・女性)

太田差惠子さんの回答「在宅から施設介護へ移行の検討を」

介護疲れで家族が倒れないことが重要!

要介護4で車いすを利用されているご両親を、在宅介護されているとのこと。日々お疲れだろうと推察します。

一日のうち介護にかけている時間(同居)がどれくらいかという調査報告があります(厚生労働省)。要介護度が高いほど時間は長くなり、要介護4では半数近くが「ほとんど終日」と答えています。

両親2人の介護で、しかも2人のケンカが絶えないとなると、一日中ご両親にかかりきりなのではないでしょうか。

今回は「どちらかを施設に入居させて、2人を離す方がいいのでしょうか?」というご相談ですが、親の施設介護を選ぶ際に、そのタイミングを悩む声はとても多く聞かれます。

しかも、両親が揃っている場合は、「夫婦を引き離すのはかわいそう……」との気持ちから決心がつかないこともあるようです。「子である自分さえがんばれば、在宅のままでやっていける」と話す人もいます。

親の介護で施設入所を決断するタイミングは?

親の介護で施設入所を決断するタイミングは?

親の施設入居を決断するタイミングで多いのは、下記の通り(調査ではなく、筆者が接してきた多くの子世代の傾向)です。

  1. 親が一人でトイレに行けなくなったとき
  2. 火の始末が危うくなったとき
  3. 一人で食事を食べなくなったとき
  4. 介護者までもが倒れそうになったとき(体の健康面だけでなく、精神的負担や介護離職なども含みます)
  5. 要介護4以上になったとき

ご相談者のケースは、複数該当するのではないでしょうか。

何よりも介護疲れで自分が倒れないことが重要!

体が不自由になった親に寄り添うことは大切ですが、自分自身が倒れないことは、より重要なことだと思います。自分も倒れたら、他の人に両親のみならず、自分のことまで看てもらう必要が生じます。

施設介護を選んでも、親子の関係や夫婦の関わりが切れるわけではありません。最初は施設に拒否反応を示す親御さんも、多くは次第になじんでいかれます。

ご両親とご自身が、少しでも穏やかに過ごせるよう、施設介護を検討してみるのも方法だと思います。

回答者プロフィール:太田差惠子さん

回答者プロフィール:太田佐恵子さん(介護・暮らしジャーナリスト)

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)など多数。最新刊は『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)。

構成:竹下沙弥香(ハルメクWEB)

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