50代女性の仕事事情特集(3)

ハルメク元編集長が直面!50代女性のアルバイト事情

公開日:2019.09.21

これまで2回にわたり、シニアライフアドバイザーの松本すみ子さんに50代女性の仕事事情を伺いました。今回からは、ハルメクの元編集長・矢部万紀子さんがリタイア後に経験したアルバイトの実体験をお伝えします。松本さんのアドバイスコメント付き!

会社員を辞めた後のことを考えていますか?

会社員を辞めた後のことを考えていますか?

2017年7月末までハルメク編集長をしていました矢部万紀子です。長くハルメクをご購読くださっているみなさま、お久しぶりです。ハルメクWEBをご愛読くださっているみなさま、初めまして。

現在、フリーランスで文章を書いています。月に2、3回、ボイストレーニングに通っています。この2つは、会社を辞めた時(つまり編集長を辞めた時)に「したいなぁ」と思っていたことです。他にも「好きだった数学の問題集にもう一度取り組む」などもしたいのですが、まだできていません。

会社を辞めた時、56歳でした。あれから2年、現在58歳です。この間、会社員時代とはまるっきり違った日々を送っています。組織に縛られない代わりに、何もかも自分で決めていかねばならず、今も試行錯誤をしています。

その一端をみなさんに読んでいただこうと思っています。

目を引いたのは、アルバイト募集の紙

パン屋さんでのアルバイトについて

まず最初に、私のたった4日間のパン屋さんでのアルバイトについて書いていきます。

家のすぐ近くに、小さなパン屋さんがあります。仮に「K」とします。店の奥でパンを焼く人が1人、パンを袋に入れて会計する人が1人。壁に沿ってカウンターがあり、椅子が4脚か5脚のイートスペース。そんな川沿いの店です。

私が一番好きなのはゆで卵とオリーブのサンドイッチですが、クロワッサンやシナモンくるみブレッドやハーブのフォカッチャ……おしゃれでおいしいその店の入り口に、「アルバイト募集」の張り紙を見つけたのは、会社を辞める2か月ほど前でした。

「パン作り補助」「毎週木曜から土曜の3日間、午前6時半から9時半まで」「時給1000円」など勤務条件が書いてありました。ですが私の目を最も引いたのは、張り紙の最後に書いてあったこんな言葉でした。

「この店のパンを好きな方。年齢、性別、国籍、経験不問」

人を区別することなく、いろんな人と働いていきたいですという感じが伝わってきました。自分が50代後半の、手に職のない人間だということもありましたが、それよりも店主の精神のようなものがよいなあ、と思ったのです。

ビジネス用語で言うところの「ダイバーシティ」。多様な人材の積極登用。なんて今どきの店なんだ。心の中で、盛り上がりました。でも今となって振り返れば、会社を辞めて、いきなり予定のない生活になってしまうことが不安だったのだと思います。同時に、会社とは全然関係ないことをしたいという張り切る思いもありました。

不安な気持ちと前向きな気持ちが同居する心に、「年齢、性別、国籍、経験不問」がしみたのです。張り紙の一番最後に、メールアドレスが書いてありました。

早速「アルバイトを希望します」とタイトルをつけて、メールしてみました。

果たして、採用してもらえるのでしょうか?

(次回に、続く!)

シニアライフアドバイザー・松本すみ子さんのお仕事アドバイス

松本すみこ

50~60代の女性も、仕事の内容にこだわらないのであれば仕事はあります。特にサービス業・飲食業・コンビニ。あとは介護業界といった、労働条件があまりよくない業界ほど、人手が足りていません。

若い人の場合は、結婚や子育てなどを考えると給料がそれなりにないと生きていけません。でも50歳以上の女性の場合は、貯金があってもうすぐ年金をもらえるなら、そこそこの給料で小遣いが稼げればいいという考え方で、経験のないお仕事にチャレンジしてみるのも一つの手ですね。

次回は、「元編集長が、パン屋のアルバイトを始めてみたら」
 

■人生100年時代、どう「働く」?大特集はコチラから!

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矢部 万紀子

1961年生まれ。83年朝日新聞社に入社。「アエラ」、経済部、「週刊朝日」などで記者をし書籍編集部長。2011年から「いきいき(現ハルメク)」編集長をつとめ、17年からフリーランスに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』(幻冬舎新書)

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