近藤典子さんの片付け術・3

プロが実践!実家の片付けビフォーアフター【居間編】

公開日:2020.07.21

更新日:2023.02.15

住まい方アドバイザー・近藤典子さんと共に、ハルメク読者・中山さん親子が実家の片付けに挑戦。今回は、居間(リビング)の片付け方とビフォーアフター画像を紹介します。使わない物を撤去して、家族がゆったり過ごせるスペースをつくりましょう。

不要な物を処分すれば、こんなにスペースが広がる!

▼実践した人
母:中山綾子さん・84歳


長女:芳江さん・59歳
次女:澄子さん・56歳
三女:正美さん・52歳

※名前はすべて仮名です

料理自慢の中山さんの家には人が集まることが多く、時には15人が集まることもあると言います。そんなときはテーブルをもう1台出すそうですが、テレビの横は、さまざまな物が置かれ、ぎゅうぎゅう詰めの状態です。

居間の座れるスペースを広げるために重なっている荷物を点検すると、マッサージチェアやコピー機など、今はほとんど使っていない物ばかり。「また必要になるかもしれない」と思って、とっておいたと言います。

▼居間の片付けビフォー画像(テレビの横)

居間の片付けビフォー画像
テレビの横には「いつか使うかもしれない」物が山積み。親子で相談して処分することに

計画表に使わない物を書き出して娘さんたちで相談すると、マッサージチェアもコピー機も引き取り手が現れたとのこと。

近藤さんは、「書き出すことで、どんなものがあるか明確になり、不要となった物が処分しやすくなります」と言います。

▼居間の片付けアフター画像(テレビの横)

居間の片付けアフター画像
山積みになっていた荷物が片付き、大勢集まってもゆったり座れるスペースが確保できた

 

開かずの窓が開閉できるように!安全な空間へ

また、窓の両側の棚には書類などが積み重なり、地震でいつ崩れてもおかしくない状態でした。

▼居間の片付けビフォー画像(窓側)

居間の片付けビフォー画像
窓の両側にも使っていない物がいっぱいありました

そこで、窓の両側に置かれていた棚の中の物を整理し、不要な物を処分した結果、倒れる危険も減り、より安全な空間になりました。

▼居間の片付けアフター画像(窓側)

居間の片付けビフォー画像
窓周辺を整理して安全を確保。棚の上に重なっていた物もなくなり、すっきりしました

2つの引き出しがつながっていて近寄れなかった窓際も、引き出しの間を離して、奥行きの浅い棚を入れるレイアウトに変更。窓をスムーズに開閉できるようになりました。

お気に入りの植物たちはそのまま、使いやすさがアップした窓際
お気に入りの植物たちはそのまま、使いやすさがアップした窓際

 

キッチンカウンターは種類ごとに物を整理してから収納を

台所と居間の間に作られたキッチンカウンター。台所の目隠しになり、調味料や調理器具を収納するのに便利ですが、仕切りがなく、棚が作りつけで高さの変更ができません。

そのため物が詰め込まれた状態になって、奥の物が取り出しにくく、賞味期限が切れた食品や洗剤が、そのままになっていました。

▼キッチンカウンターのビフォー画像

キッチンカウンターのビフォー画像

「そこで活用したいのがカゴ。まず、キッチンカウンターにある物を仕分けして、棚に置きます。使うときにはカゴを引き出すので、奥にある物が取り出しにくいということもなくなります」

▼キッチンカウンターの仕分け順

  1. 調理器具・洗剤類・食品・調味料・調理補助道具に大まかに分ける。
  2. それぞれのジャンルごとに、使用用途や種類でまとめる。
  • 調理器具:フライパン、ザル、ボウルなど用途別に分ける
  • 洗剤類:食器用、漂白剤など種類別にまとめる
  • 食品:レトルト食品、麺類、乾物などに分類
  • 調味料:液体と粉ものに分ける
  • 調理補助道具:ラップ、ホイル、キッチンペーパーなど種類別に

こうして種類ごとに分けることで、ストックしている物の量もわかって、ムダに物を買うことがなくなります。

居間やキッチンにはさまざまな種類のものがあふれがち。種類別に整理することから始めましょう
居間やキッチンにはさまざまな種類のものがあふれがち。種類別に整理することから始めましょう

カウンターの上で食事やお茶の支度ができるように、鉢植えは移動させました。

▼キッチンカウンターのアフター画像

キッチンカウンターのアフター画像
種類ごとにまとめてカゴに入れるだけで、こんなにキレイに!
お茶の用意などはカウンターの上で。いちいち道具をテーブルまで運ぶ必要がない
お茶の用意などはカウンターの上で。いちいち道具をテーブルまで運ぶ必要がない

 

100均グッズで簡単に棚を作るアイデアを紹介

さらに使いやすく、管理しやすいように、棚を増やします。用意するのは100円ショップで手に入るワイヤーネットと突っ張り棒。

棚板の両側にネットを置き、フックで固定します。あとは棚を作りたい位置に突っ張り棒をセットするだけ。

ネットを引っかけるフックは上を上向きに、下を下向きにつけると、ネットがずれない。
ネットを引っかけるフックは上を上向きに、下を下向きにつけると、ネットがずれない。

「誰にでも簡単に作れるので、女性だけでも大丈夫。棚が増えることで鍋なども重ねないで収納できるので、取り出しやすくなります」

よく使うものは、上の段に。そうすれば、腰をかがめなくても取り出せます。

「こんなに簡単に棚が作れるなんて驚きました。どこに何があるかひと目でわかるし、自宅にも作りたい」と、娘さんたちの参考にもなったようです。

不要な物を処分して、収納を工夫することで「みんながゆったり集まれる居間にしたい」という中山さん親子の希望をかなえることができました。次回は、キッチン・食器棚の片付けの様子をご紹介します。

■教えてくれた人

近藤典子さん

近藤典子さん

こんどう・のりこ 住まい方アドバイザー。ハルメク片づけ大賞・審査員も務める。著書に『暮らしを整える 住まい方ハンドブック』(東京書籍刊)他。

取材・文=中川いづみ 撮影=安部まゆみ 構成=野田有香(ハルメク編集部)

※この記事は雑誌「ハルメク」2019年7月号に掲載された内容を再編集しています。

■もっと知りたい■

※雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。書店ではお買い求めいただけません。詳しくは雑誌ハルメクのサイトをご確認ください。

雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

注目企画