自分の名前、好きですか?

Beautiful Name

公開日:2023.03.08

自分の名前が嫌いでコンプレックスがありました

カオルコというのは私の本名なのですが、私は生まれて何十年間ずっとこの名前が嫌いでした。

名付けたのは私の父親でしたが、父とは確執があり、希薄な関係のまま、もう鬼籍の人となっています。「なぜこの名前を付けたの?」と尋ねたことはありません。

カオルで良いのに、なぜその後に子をつけたのか。ひらがな4文字の女性の名前は珍しく、普通じゃないとずっと思ってきました。

旧姓が画数の多い名字だったので、その後に『薫子』と続けると、五十画以上になります。その名前を書いている間に、入試や定期試験など時間がかかって不利になるのではないか?! とまで思い腹を立てていましたっけ。

そんなふうに、この名前と付き合って何十年も生きてきたわけですが、ついこの間、唐突にある歌を聴いたとき、(その歌は古い歌で昔から知っていたのですが)自分の名前について考えが変わりました。

それは、1979年にリリースされたゴダイゴというバンドの『ビューティフル・ネーム』という歌です。多分、こちらの読者の方ならお聞きになったことがあると思います。

『ビューティフル・ネーム』

今日も子どもたちは 小さな手をひろげて

光りとそよ風と友達を呼んでる

だれかがどこかで答えてる

その子の名前を叫ぶ

名前 それは燃える命(いのち)

ひとつの地球にひとりずつひとつ

Every child has a beautiful name

A  beautiful name, a  beautiful name

呼びかけよう名前を

素晴らしい名前を

 

今日も子どもたちの歌声が世界を

大きくつつむだろう 大きくまわるだろう

ひとりの子どものかなしみも

仲間の名前に溶ける

名前 それは燃える命(いのち)

ひとつの地球にひとりずつひとつ

 

奈良橋陽子(英語詞)伊藤アキラ(日本語詞)

バンド名は、ゴダイゴ

GO DIE GO……。生きて 死んで また生きて、というような意味を、後醍醐天皇などにもかけて、バンド名にしたそうです。

当時では珍しい外国人が2人入っている国際色のあるバンドで、ボーカルのタケカワユキヒデさんは東京外語大学を出ていて英語歌唱が秀逸でした。

この歌は国際児童年のイメージソングにもなり、かなりヒットしました。

当時から良い歌だし完成度が高いなあーと感心はしていましたが、完璧にできすぎていて面白くないな~とも思っていました。当時私は25歳でしたが、まだまだ反抗的でとがっていました。

でも、何十年も経って、この歌が私の心に届きました。なんで今頃? と本当に不思議です。

すぐに古いCDを入手し、何度も何度も聞きました。

自分の嫌いだった名前が、そしてその名前を嫌いだった自分自身が、この曲を聞くことで浄化される気がしました。

私はこの名前と一緒にずっと生きてきました。この名前を優しく呼んでくれるたくさんの人たちと一緒に。そういうことに思いをはせることができ、自分の幸せを改めて感じることができました。

女の子の名前ランキングの変遷

ネットで調べると、1960年ごろの女の子の名前人気ランキングは、1位から、恵子、由美子、久美子、智子、浩子、裕子、洋子、明美、幸子、和子だそうです。由美子! 子どもの時に私が憧れていた名前です。

じゃあ、2022年はどうかな? と見てみると、1位から、陽葵(ひまり)、さくら、ひなた、結菜、凛、ひかり、あかり、ひまり、陽菜乃ですって。ものすごく自由ですね。隔世の感がすごい!

さらに、じゃあ、アメリカの女の子の最近のトレンドの名前はどうだい? と調べたら、1位から、Olivia、Emma、Charlotte、Amelia、Ava、Sophia、Isabella、Miaと続くそうです。

トレンドの名前は、日米でなにか雰囲気が似ているような気がします。

■もっと知りたい■

カオルコ

東京都杉並区出身。建築士としてコンサルタント会社勤務。2匹のシンガプーラとちび猫1匹と次女と暮らしています。ユニバーサルデザインとしての家・街などの空間について学びながら発信したいです。また現在3拠点生活をしているのでその暮らしについても書きたいです。
 

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