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- モロッコ好きです ~サハラの夜明け~
いろいろな国へ旅することが好きな翠さん。モロッコの魅力を2回に分けて紹介いただきます。今回は砂漠編です。
モロッコの砂漠での夜明け
3月、朝まだ暗い4時に起床。大急ぎでホテル前に集合して4WDの車に分乗する。
気温は低い。ダウンのジャケットの襟をかき合わせる。30分ほど走りサハラ砂漠の中のラクダ隊が集まる小屋前で車を降りる。
現地ガイドと共に砂漠を歩く。しばらく歩き続けるうちに砂を歩くコツがわかってくる。
砂山をいくつも登り超えているうちに、少しずつ空がグレーに変わってくる。50分ほど歩いただろうか? 砂山の上に座り寒さに震えながら夜が明けるのを待つ。
時間が止まったような見渡す限りの砂漠、砂の山が連なる。足元の風紋が刻々と模様を変えていくことで時間がたっているのがわかる。
はるか向こうの砂山の上がピンク色に変わり、空の色が変化する。
共におひとり様でツアーに参加した3人で肩を寄せ合い、寒さで震えているのか、感動で震えているのかわからなくなる。太陽が昇り始めると砂漠れているのか、自分が揺れているのか、いや太陽が揺れながら登るのだと認識する。
地球の夜明けの立会人になったような、この夜明けを独り占めしているかのような、理由不明の感動で震えている。
砂山に座ったまま3人で震えながら太陽が昇るのを見届ける。太陽が昇るとともに少しずつ気温も上がるのか、寒さを感じなくなってくる。
夜明け前には見えなかった砂漠に咲くマメ科植物や小動物の足跡も目にすることができる。勝手に思い込んでいた砂漠のイメージ、不毛の地と言うわけではないようだ。
砂漠の良いお土産は……
少しすると現地ガイドがしぐさで示し、3人が足を投げ出した形でムカデ状に連なる。ガイドが先頭の者の足首を引っ張ると、3人が連なったまま砂山をずるずると滑り降りる。童心に戻り感動冷めやらぬままに歓声を上げて砂山を滑る。
夜明け前に車を下りた場所近くに到着するとガイドはおもむろに砂山の影に座り込み、我々にも座るように合図する。肩から下げていた布バッグから新聞紙に包まれた物をいくつか取り出す。ガイドのお小遣い稼ぎの物売りが始まる。
本物かどうかわからない「砂漠のバラ」や「アンモナイトの化石」を選ばせる。どうも買わずにはすまない雰囲気だ。言い値で買うのはきっとこの国の礼儀にも反するのだろうと、値切ってみるが半額にはしないようだ。その上、ガイドチップを上乗せして支払うことになる。
ハハーン、きっと規約違反なのだろう、だから砂山の影に座らせたのだろうとお金を払う頃になって合点する。ま、しかし本物と信じることにして買った「アンモナイト」は砂漠の良いお土産になる。
おひとり様でモロッコツアーを楽しめる
おひとり様参加のモロッコツアー、砂漠を歩く私たち3人のほかはラクダに乗って砂山を歩いている。ラクダの代金は別料金。
このモロッコツアーでは全員が一人参加、世界中を旅している人たちが多数。毎晩、アルコールが飲めるものと、お茶のグループに分かれて夜遅くまでおしゃべり会が開催されて旅の中盤にはすっかり仲良しになっていた。
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