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- 都会的雰囲気の本「雪沼とその周辺」堀江敏幸
幼少の頃から読書が大好きな久田さんが、定期的に行っている読書会についてや、文学にちなんだ場所巡り、おすすめの本について紹介。今回は読書会にて、堀江敏幸「雪沼とその周辺」を読んだお話です。
7つの物語からなる本
本の表題は「雪沼とその周辺」なのですが、全編が7つの物語から成り立っていて表題の物語はありません。ただどの物語にも「雪沼」がかかわっている。
「スタンス・ドット」
私は7編の中で1番この作品が好きである。 「ボーリングの立ち位置」という意味なのだが、ここでは人生の立ち位置という意味も含まれている。この店主の立ち位置はどこになるのだろうか?今日で閉店しょうとしていたお店にトイレを借りにはいった二人連れに、店主は最後のボーリングを勧める。二人は先を急いでいるのだが、少しだけ付き合うことになる。店主の彼はスコアをつけながら、少し足が不自由な妻が始めた喫茶部も繁盛してにぎやかだったころや、ボーリング場を開業したころなどを思い出していた。
「イラクサの庭」
雪沼が気に入って東京の料理教室を閉じて移り住んだ、独身の小留知(おるち)先生の亡くなるまでの物語である。ここに前編のボーリング場の奥さんが料理を習いに来る。先生は若いころフランスで生活されていたようだ。イラクサのスープはその名残りで教室の看板には「オ・ジヤルダン・ドルテ」イラクサの庭と刻まれている。残された生徒さんたちが先生のそれぞれの思い出を語り合う。
先生の最後の言葉「コリザ」は「コオリザトウ」だったのだろうか?
「河岸段丘」
雪沼とその周辺で土産物として売られている2個入りマグカップセットの箱を数百個分週明けの朝いちばんに届ける仕事が入った田辺さん。その機械の調子が少しおかしい、機械を世話してくれた青島さんが直しに来る。そして右足のボルトの締めが甘かったことがわかる。
「送り火」
これも好きな作品であった。陽平さんと絹代さん。結婚後3年して陽平さんが50歳、絹代さんが28歳の時初めて子供を授かった、由(ゆい)ちゃんである、二人は溺愛するがふとしたことでその子が亡くなる。絹代さんは雪沼の風変わりな料理教室に通っていた。
こんな風に日常生活を淡々と描いた作品があと3篇続きます。
どの作品にも都会的な雰囲気が文章の間に流れてとても素敵です。好きだなぁと読んでいました。
ある日の読書会の話し合いの中から
「堀江さんの世界って、優しくって、都会的な雰囲気でずっとこの世界に浸っていたい感じやね」私と同じ意見で嬉しくなりました。
「もう少しこの人の作品読んでいたいね」みんな賛成でした。
「どの人も生きている中で挫折しているよね。」
「だから優しいのかなぁ」
「何気ない日常を繊細な筆使いでうまくえがいているね。」
第三金曜日の午後の読書会では、お菓子をつまみながらそれぞれの感想を話し合っています。
時に脱線して話がとんでもないところに飛んでしまうこともありますが、今月はこんな話し合いがありました。
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