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つれづれ女は今日もゆく(12)
「アトリエシムラ」で春を織る
二十四節気では春の始まりであり、1年の始まりとされる立春。念願だった「アトリエシムラ京都本店」のワークショップに参加しました。
INDEX
あこがれの地「アトリエシムラ京都本店」
アトリエシムラは、染色家で人間国宝の志村ふくみさんの、芸術精神を受け継ぐブランドとして設立されました。
今回、わたしが参加したのは、植物で染めあげた色糸を使った機織り体験です。

「アトリエシムラ京都本店」は、四条河原町の登録有形文化財である、壽ビルディングの2階にあります。この建物の、入り口や階段、照明などに施されたアール・デコ風の美しい意匠もとっても素敵!

春を織る
今回のワークショップのテーマは「春を織る」です。梅や、からすのえんどうなどから染めた糸は、柔らかな春の空気を纏ったような、やさしい色でした。糸巻に巻かれたそれを見ただけで、自然の色たちの美しさに圧倒されます。
その糸を自由に織り入れて、自分だけの裂を織っていきます。
初めてでも、講師の先生が、ていねいに教えてくださるので安心です。横糸を織り入れては、トントンと手元に寄せるくりかえし。少し慣れてくると、外界の音が消え、自分だけの静かな世界です。織機と対話しているような、不思議な感覚になります。夢中で糸と遊んでいるうちに、あっという間に2時間が終わっていました。
出来上がった裂は、約30cm。オプションを申し込んでブックカバーに仕立てたいと思っていましたが、少し長さが足りませんでした。先生の提案で、その代わり裂を表紙にしたノートに仕立てていただくことになりました。 世界で一冊のオリジナルです。
志村ふくみのことば
人文書院
実は、わたしが初めて志村ふくみさんを知ったのは、一冊の本との出会いからでした。志村ふくみさんは、すばらしい随筆家でもあります。そのことばに触れ、いつかその糸、裂を見てみたいと思ったのです。
春を代表する花、桜や桃の糸を染めるとき、その染料は花が咲く前の枝からしかとれないのだそうです。極寒の今も、固い枝のなかにあの美しい花の色を蓄えているのだと思うと、なんとも愛おしいではありませんか。
残念ながら、京都本店はこの3月で閉店するそうです。そして4月には、新たに東京・世田谷にギャラリーや、ワークショップスペースを兼ね備えたお店がオープンします。またいつか……とは言わずに、「今年中に行く」という新たな目標ができました。

■もっと知りたい■
由岐谷 万
24年間、専業主婦、3人の子ども(すでに成人)の母。50歳という節目の年だった2022年、母親業を卒業。これからは誰のためでもない、自分のための時間を気負わず、無理せず、しなやかに生きたい。そんな私のささやかなチャレンジの日々を、みなさまとシェアできれば…。
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