髙尾香織さんのおしゃれアップデート術

50代こそジャケット!羽織るだけで“普通の服”が素敵に見えるコツ

50代こそジャケット!羽織るだけで“普通の服”が素敵に見えるコツ

公開日:2026年05月23日

髙尾香織さん流!体型変化を味方につける50代からのコーデ術

「去年の服が似合わない」「何を着ても決まらない」――そんな50代の“おしゃれ迷子”に。体型変化を否定せず、今の自分を素敵に見せる“微調整”のコツを、人気スタイリスト髙尾香織さんがジャケット、パンツ、デニムの実例で解説します。

プロでも悩む「50代の壁」。大切なのは今の自分への微調整 

体型の変化やライフスタイルの変化で、「去年の服がなんだか似合わない」「何を着ればいいかわからない」――そんな“おしゃれ迷子”に陥りがちな50代。プロである髙尾香織さん自身も、「いつも軽くおしゃれ迷子です」と笑います。

「40代後半くらいから、“去年着ていた服に違和感がある”ということが毎年起こるようになって。仕事柄、その小さな違和感を敏感に察知してしまうので、毎年少しずつ微調整をしています」

プロでも悩む「50代の壁」。大切なのは今の自分への微調整 

教えてくれたのは髙尾香織(たかお・かおり)さん

STYLE PARADIGM代表。パーソナルスタイリスト、パーソナルファッション®協会認定スーツスタイリスト。大学で英語・言語学の講師を務めた後、心理学を学ぶ中でファッションの持つ力に魅了され、スタイリストに転身。ロジカルでわかりやすいファッション理論に定評があり、40代以上の働く男女を中心に支持を集めている。公式HPはこちら

 “若い頃に戻す”より、“今を素敵に見せる”

服の前に体型をなんとかしなくちゃ、おしゃれはもう少し痩せてから……そう思っても、年齢は待ってくれません。

「若い頃の体型に戻してからおしゃれを楽しもうとするのが、いちばん険しい道です。50代になると、体が薄く華奢になる人もいれば、厚みが増す人もいる。私は前者のタイプですが、どちらにも悩みや変化があります。

だから大切なのは、“若い頃に戻す”ではなく、“今の自分をどう素敵に見せるか”。自分の体型の特徴を知って、それを活かす方法を知っておくと、服選びはぐっとラクになります。

いきなり変わる必要はありません。少しずつ、今の自分に合う着こなしへアップデートしていけばいいんです」

では実際に、髙尾さん自身が楽しんでいる“50代の微調整コーデ”を見ていきましょう。

スタイル1:50代こそジャケット。“きちんと感”がラクに決まる

スタイル1:品格を纏う。大人のためのジャケットスタイル
ジャケットはミラ・オーウェン

50代だからこそ似合うのが、「ジャケットスタイル」。それも、硬すぎるスーツではなく、少し抜け感のある着こなしがポイントです。

デニムを“だらしなく見せない”のがジャケットの力

ジャケットを取り入れるいちばんのメリットは、デニムなどのカジュアルで、ラフさがだらしなさに陥りやすい大人の体型を、きれいに見せながら格上げすること。ジャケットをはおったり、袖をまくったりしても様になるのは、この年代ならではです。

「実はこのジャケットもベストも手頃なブランドのもの。それでもなんだか素敵に見えませんか? “高い服”より、“今の自分に合う服”のほうが素敵に見えるんです。そういう意味でもコスパがいいんですよ」

スタイル1:品格を纏う。大人のためのジャケットスタイル

ジャケットはフリーサイズで、小柄な高尾さんにはオーバーサイズ。本来、サイズ感が体に合ってなくても、腕まくり、カジュアルダウンなどのこなれた着こなしでカバーしています。

「袖をまくって手首を見せると、ぐっとこなれ感が出ます。袖は折り返して見えない部分を大きめの輪ゴムで留めておくと、袖口も落ちてきません」

スタイル1:品格を纏う。大人のためのジャケットスタイル
スカーフはなんとH&M

“きちんと”だけでは物足りない。遊びで自分らしさを

さらに、スカーフを腰まわりに巻いて立体感を出すことで、デニムスタイルも華やかに。

「50代のおしゃれって、“きちんと”だけでは少し物足りないんです。どこかにその人らしさや遊びがあると、“この人らしいな”って伝わりやすい。

服って、自分の魅力や人柄を言葉にしなくても伝えてくれる、コミュニケーションツールでもあるんですよ」

スタイル1:品格を纏う。大人のためのジャケットスタイル
ベストはUNIQLO:C

ジャケットを脱げば、麻のベストを主役にした軽やかなカジュアルスタイルに。 

スタイル2:「なんだか間延び」を防ぐ重心アップ術

スタイル2:骨格を活かす。ウェーブ体型のパンツスタイル

「私は骨格診断でいうと、上半身が華奢で下半身にボリュームが出やすいウェーブ体型。胸元が寂しく見えやすいVネックは、なんだか貧相に見えてしまいます」と髙尾さん。

スタイル2:骨格を活かす。ウェーブ体型のパンツスタイル

「逆に、襟元が詰まったデザインや、透け感のある柔らかな素材は似合いやすいんです。ほら、トップスを変えるだけでも印象が変わるでしょう?」 

スタイル2:骨格を活かす。ウェーブ体型のパンツスタイル

シアー素材で「隠しすぎ」を回避 

今季は透け感のあるシアー素材が人気。

「50代になると、ただ隠すだけでは重たく見えてしまうことも。少し透け感を入れると、抜け感や軽やかさが出て、大人の肌もキレイに見えやすいんです」

スタイル2:骨格を活かす。ウェーブ体型のパンツスタイル

ウェーブ体型は“重心アップ”が鍵 

下半身に重心が出やすいウェーブ体型は、ボトムス選びにもコツがあります。

「重心が下に見えやすいので、ボトムスはハイウエストがおすすめ。ウエスト位置を少し高く見せるだけで、全身のバランスが整って見えます。
大切なのは“自分の体型に合わせた微調整”なんです」

一方、骨格ストレートタイプは、ハイウエストになりすぎないようにすることと、生地にハリがあるパンツの方がスタイルアップしてキレイに見えるといいます。

スタイル2:骨格を活かす。ウェーブ体型のパンツスタイル

さらに黒のロングジレを重ねることで、きちんと感もアップ。ふんわりブラウスが引き締まり、オフィスでも映えるスタイルになります。

スタイル3:50代デニム、“普通すぎる”を回避するコツ

スタイル3:陰影を操る。レースで魅せる大人のデニムスタイル

ジャケットとデニムで大人カジュアルなスタイルにしたいのに、なんだかあか抜けない現象に悩む人も多いのでは?

「ジャケットで重視するのは、色よりも形と素材感。体型に合ったジャケットは、それだけで全身をキレイに見せてくれます。

私は本来、ジャケットが得意な骨格ではないのですが、このXSサイズのジャケットは体にぴったり。体型に合う服を着ると、服って実際の値段以上に上質に見えるんです」と髙尾さん。

でもこのままだとなんだか物足りない……。そこに体型カバーや好きなアイテムをプラスして、「自分らしいスタイル」にアップデートしていくと――

スタイル3:陰影を操る。レースで魅せる大人のデニムスタイル

「50代のデニムは、清潔感と立体感がポイントです。ジャケットを合わせるだけでも整うのですが、それだけだと少し寂しい。帽子やアクセサリーを加えて、上半身に視線が集まるようにしています」

上半身にポイントをまとめて目線アップ

上半身にポイントをまとめて目線アップ

アクセサリーは、むしろ少し華やかなくらいがちょうどいい、と髙尾さん。

「特に手の甲は年齢が出やすいので、リングやバングルで視線を散らすと素敵に見えます。色や質感を統一すると、まとまりも出ますよ」

上半身にポイントをまとめて目線アップ

レースの“凹凸感”で立体感を作る 

デニムに合わせたレースも印象的です。

「ただのレースではなく、凹凸感のある柄がポイント。レース柄で陰影を作ることで、私のように平面的になりやすい大人の体に立体感が生まれます。50代のおしゃれは、“欠点を消す”というより、“今の自分をどう魅力的に見せるか”なんです」

50代の体型変化は、「薄くなる人」と「厚みが増す人」に分かれていきます。厚めの人は立体感のあるアイテムが着太りにつながりやすくなりますが、ジャケットによる引き締め効果があると、膨張感が解消されてスッキリ見えます。 

服を整えることは、これからの自分を慈しむこと

50代からの着こなしに向き合うことは、単に見た目を整えることではない。髙尾さんはそう語ります。

「正直、外側だけ変えたってしょうがない、と思う方もいるかもしれません。でも、服を整えることって、自分を後回しにしないことでもあると思うんです。

人間は中身が大切と言いますが、外側が整うことで、その人の魅力や人柄って、もっと伝わりやすくなる。服を見ると、その人が“どう生きたいか”まで、なんとなく伝わるものなんですよね。

だから、おしゃれは誰かのためではなく、自分の機嫌をとり、人生の後半戦を楽しむためのもの。

ほんの少しの心がけで、「今日の私、なんだかいいかも」と思える朝が増えていくはずです」

取材・文=樋口由夏 撮影=日高奈々子 構成=長倉志乃(HALMEK up編集部)


HALMEK up編集部
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