先輩&プロに学ぶ お金の新常識#3
老後の入院や介護も怖くない! 知っておくと得する公的制度やサービス
老後の入院や介護も怖くない! 知っておくと得する公的制度やサービス
公開日:2026年04月10日
教えてくれた人:山田静江(やまだ・しずえ)さん
ファイナンシャル・プランナー、終活アドバイザー、NPO法人ら・し・さ正会員。医療・介護など人生後半期の課題を得意とする。
知っておきたい医療・介護の制度・サービス

公的サービスを知るために地域の窓口に足を運んでみて
日本の公的サービスはすべて申請制。医療・介護での心配事があったら、まず近くの地域包括支援センターを訪ねてみましょう。相談に乗ってもらえ、資料も用意されています。
「高額療養費」は申請が不要のケースも
医療費が高額になった場合、年齢や所得で決まっている限度額を超えた分を負担しても払い戻されます。また、オンライン資格確認を導入している医療機関では、マイナ保険証や資格確認書で限度額が確認できるので、限度額を超える分を支払う必要がなくなります。
介護保険サービスが高額になったときも払い戻しがあります
要介護認定を受けると、介護保険サービスを利用できます。所得に応じて自己負担額は1〜3割ですが、毎月の限度額を超えた金額は一度申請すれば、毎月自動的に払い戻されます。
高額医療・高額介護合算療養費制度で負担額を抑えられます
医療費と介護費を合算して軽減できる制度もあります。70歳以上で、住民税課税かつ課税所得145万円未満なら年間(8月から翌年の7月まで)の上限額は56万円。医療保険と介護保険両方の窓口で申請手続きを行います。
申請すればもらえるお金・借りられるお金の一例
65歳以上で住民税非課税世帯なら「老齢年金生活者支援給付金」
公的年金やその他の所得が一定基準額以下の場合に支給。月額5620円(2026年度)を基準に保険料納付済期間等で金額が決まります。
要介護で住宅を改修するなら「高齢者住宅改修費用助成制度」
要介護認定者が手すりの取り付けなど、自宅をバリアフリー改修するときに、介護保険を活用して国から補助金を受け取れる制度です。
低所得の高齢者世帯なら「不動産担保型生活資金」
住み慣れた自宅に住み続けたい高齢者が不動産を担保に生活資金を借りられる制度。公的なリバースモーゲージともいえる制度です。
知っておきたい保険のこと
保険は入院、通院、特約を書き出し、ダブりは整理しましょう
保険には、主に死亡保険、医療保険、貯蓄型の保険があります。保険の種類、保障内容、保障期間、特約、満期保険金や年金額などを下のように書き出してみましょう。保障がダブっていて保険料が負担になっている場合は解約や、不足している部分の加入を検討しましょう。
【保険の見直し方の例】

子どもが独立しているなら、死後の手続きの費用として、死亡保障が一人当たり100万、二人で200万円あるといいでしょう。入院だけでなく、通院の保障があるかも確認しておきましょう。
古いがん保険は通院治療の保障があるか確認。費用対効果を考えて
古いがん保険は入院・手術のときしか保険料が出ない場合があります。最近は通院だけの治療も増えているので、保障内容を確認しておきましょう。ただ、古い保険は保険料が安いというメリットもあります。不足分は貯金でまかなう方法も。費用と保障のバランスで見直しを。
保険を変えるときは空白期間ができないようにしましょう
保障を見直すときには、必ず新しい保険に入ってから、保障が始まる時期まで待って、古い保険を解約しましょう。例えばがん保険は、原則として加入後90日間は保険金支払いの対象外です。解約した途端、病気が見つかり、保障されなかった、というようなことにならないように注意しましょう。
[最後に]確定申告をして、課税所得を減らしましょう
医療費・介護費の自己負担限度額は、額面上の収入ではなく課税所得で決まるので、ハルメク世代は、確定申告で課税所得を減らすことが大切です。課税所得とは、収入から公的年金等控除額と所得控除を引いたものです。確定申告で医療費控除や生命保険料控除を申告して、負担を減らし、今後の生活を楽しみましょう。
取材・文=原田浩二(ハルメク編集部)、イラストレーション=タカヤユリエ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年9月号を再編集しています。




