コム デ ギャルソンとオペラと50歳からの服選びのコツ

公開日:2020年02月29日

ファッションの話って、やっぱり心が弾みます

コム デ ギャルソンとオペラと50歳からの服選び

コム デ ギャルソンとオペラと50歳からの服選び

50代コラムニストの矢部万紀子さんが、30年来愛用し続けているファッションブランド「コム デ ギャルソン」。働く女子なら共感できるブランドとの出会いや50代になって感じる服選びの変化、「コム デ ギャルソン」についてたっぷり語っちゃいます。

川久保玲さんが、オペラの衣装を手掛けることに

イメージ

「SWITCH」2020年3月号がコム デ ギャルソンを特集していると聞き、早速入手しました。
デザイナー・川久保玲さんが率いる大好きなファッションブランドで、かれこれ30年近く愛用していると思います。川久保さんのインタビューも載っていました。

2019年12月、川久保さんはウィーン国立歌劇場で上演されたオペラ「オーランドー」の衣装を手掛けました。「オーランドー」の原作者はヴァージニア・ウルフです。彼女が後の英米文学に大変な影響を与えたということは知っていましたが、「オーランドー」については「SWITCH」に掲載された柴田元幸さんの部分訳を読むまで知りませんでした。

30歳までは男性だった英国貴族がある日突然女性になり、そこから数百年を生きるという話でした。オペラになったのは初めてで、作曲したのはオルガ・ノイヴィルトという女性。2019年に150周年を迎えたウィーン国立歌劇場で女性作曲家が起用されたのは、初めて。これも「SWITCH」を読んで知ったことです。

川久保玲さんの思想を感じる?

イメージ

オルガは衣装デザインを川久保さんに依頼した理由について、こう言っています。『主人公の男性から女性への変化、ジェンダーノーム(性別規範)について考えていて、川久保玲につながる世界だと感じたのです。彼女は常にファッションの中の規範や人間の身体、肉体について疑問を持っていると感じていました』

オルガは川久保さんがデザインするコム デ ギャルソンの「思想」を語っているのだと思います。ですが、ギャルソン愛用者としては、日々「思想」を感じて着ているわけではありません。そもそも私とコム デ ギャルソンの出会いは、会社をさぼって行った某百貨店でした。すっごくかわいいいワンピースに目が止まり、吸い込まれたのがコム デ ギャルソン、即買いしたのです。

30歳を過ぎた頃で、仕事に悩んでいました。だから、さぼって百貨店をウロウロしていたのです。暗い心に明かりが灯った。ワンピースとの出会いは、少し大袈裟に言うならそんな感じでした。コム デ ギャルソンがフランス語で「少年のように」であること、1982年のパリコレで発表した黒の穴あきニットがファッション業界に大変な衝撃を与えたこと、どちらもだいぶ経ってから知りました。

愛用者として私なりにコム デ ギャルソンを語るなら、「自由」があるのです。誰かの好みに合わせるのでなく、自分のための服だと感じます。具体的にいうなら、ウエストやヒップを締め付けるデザインは、コム デ ギャルソンにはないと思います。そういうボディーラインが出る服って、やせた女性のことを好きな男性の目線だよなー、と思うわけです。

若い頃、「彼のお母さまに初めて会う日はこんな服」などという特集をファッション誌で見ると、「ちぇっ」と思いました。戦略としてはわからなくはないが、相手に合わせる発想がどうもなー、などとブツブツ思っていたのです。そんな私の前に現れたのが、コム デ ギャルソン。かわいい。好き。そう思ったので、以来、コム デ ギャルソンと共に自分の感覚でいくぞ、おー、と思ってきたわけです。

50歳を過ぎてから、服が重い。だから、こんな選び方。

服選び

話をオペラに戻します。主役のオーランドーを演じたケイト・リンディは、衣装の重さについて話していました。「スーツの衣装は重心が下にあって、でも花のドレスは重心が上にある。だから身体を運ぶ感覚がすべて変わってくる」。他の言葉も合わせて読み解くなら、かなりの重さだったようです。

舞台衣装とショップで売っている服は全く違い、一概に論じることはできません。が、私も50歳を過ぎてから、服の重さに敏感になりました。一番感じるのがコートです。最近は慎重に選んでいます。というのも、少しでも「重い」と感じるとデザインは大好きでも出番が減ってしまうということがわかったからで、試着の際の「重さハードル」を上げております。

そんなことも含め、服を買うとは心が弾むことです。服のことを書くのも、心が弾むと今回わかりました。最後にもう一度、作曲家オルガの言葉を紹介します。

「コム デ ギャルソンはいつも私の心の中にいるのです」

矢部 万紀子
矢部 万紀子

1961年生まれ。83年朝日新聞社に入社。「アエラ」、経済部、「週刊朝日」などで記者をし書籍編集部長。2011年から「いきいき(現ハルメク)」編集長をつとめ、17年からフリーランスに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』(幻冬舎新書)

みんなの コメント
ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

暑い夏でも涼しくおしゃれに

大人のための軽やかデニムの決定版 大人のための軽やかデニムの決定版

夏に暑い・冬に寒い部屋は 断熱窓リフォーム!

ハルメク読者がショールームで体験!

環境省「先進的窓リノベ2025事業」で、窓やドアのリフォームに最大200万円の補助金が!お得にリフォームできる断熱窓の重要性が分かるショールームを、読者が体験しました。さらに、実際にリフォームしたご自宅にも潜入します!

2025.07.10
あれっおまたが擦れる……?40代からのおしもの悩みチェックリスト

あれっおまたが擦れる……?

40代、最近デリケートゾーンが気になったり、尿モレが気になったりということはありませんか。実はそれ、単に年齢のせいではなく、更年期に向かい始めている1つのサインかもしれません。今回は早めに知っておきたい閉経前後の症状「GSM」を解説します。

2025.07.10
今、レンズを薄いカラーにするのがおしゃれ♪

今、レンズを薄いカラーにするのがおしゃれ

50代女性の紫外線対策は、メガネのレンズを「カラーレンズ」にするのがおすすめ!おしゃれ&機能的に、カラーレンズを選ぶコツを紹介します。

2025.06.24
【PR】自分の尿モレタイプはどれ? 簡易診断でチェック!

自分の尿モレタイプはどれ?

たまに尿モレがあっても、だましだまし過ごされている方も多いのでは? けれど一口に尿モレと言っても症状によってタイプはさまざま。そこで自身の尿モレのタイプがわかる簡易診断チャートをご紹介!

2025.06.10
【PR】巻き爪や外反母趾などの足悩み解消を目指せる「正しい歩き方」

巻き爪解消を目指せる「正しい歩き方」

間違った歩き方は足トラブルを招き、健康寿命に影響があることを知ってましたか?正しい歩き方と足トラブル対策を専門家が解説!

2025.05.12
皮脂・メイク汚れに要注意!夏こそ眼鏡をメンテナンスしよう

眼鏡の皮脂汚れ気になる…

夏は汗や皮脂、メイク崩れなどで、いつもより眼鏡が汚れやすい季節。レンズやフレームの汚れを放っておくと、眼鏡の寿命が縮むことにもつながります!

2025.07.01
眼鏡愛好家の紫外線対策に!度付きサングラス・調光レンズを活用しよう

紫外線の量でレンズの色が変わる眼鏡!?

紫外線に反応して色の濃さが変わる調光レンズはこの季節にぴったり。屋外などではレンズカラーが濃くなり、紫外線が弱い屋内などではクリアに近くなります。

2025.07.01
更年期は気象病になりやすい?つらい症状を遠ざけるおすすめ対策3つ

更年期は気象病になりやすい?

雨が降ると頭痛やめまい、だるさなどの不調が起こる「気象病」。天気の変化によって起こる気象病は、実は更年期とも関わりがあると言われます。気象病のメカニズムや更年期との関係、つらい症状を和らげる対策について、医師の石原新菜さんに伺います。

2025.06.22
「ほったらかしの投資」~手軽に投資を始める・続ける方法

「投資は難しそう…」と思っている人は必見

興味があるけど自信がない人におすすめな、長期的に資金を積み立てていく「ほったらかしの投資」。家計をラクにする資産運用の方法が知りたい人はぜひチェック!

2025.06.02
【PR】タイプで分かる!ライフスタイル別レンズ診断

タイプ別!ぴったりの眼鏡

「近くのものが見えづらくなった」と感じる人は眼鏡の変え時かも!ライフスタイル別におすすめの眼鏡レンズを無料で診断♪

2025.03.10
【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金のこと、なんでも無料相談

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17
物価高の今こそ考えたい!インフレ時代に「資産運用」ってどうして必要なの?

本当に必要な「お金の準備」

物価が急激に上昇している今こそ、将来に向けて「お金の準備」が必要です!年金や退職金に頼らない、資産形成を進めるには?

2025.04.18