レスキューナース直伝100円グッズでできる地震対策
家の中で一番危険なのはキッチン?100円グッズでできる地震対策
家の中で一番危険なのはキッチン?100円グッズでできる地震対策
公開日:2026年03月28日
教えてくれるのは、辻直美(つじ・なおみ)さん

国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾 代表理事。国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。その後、赴任先の聖路加国際病院で地下鉄サリン事件の対応に従事し、災害医療の道へ。看護師歴35年以上、災害レスキューナースとしては30年以上活動し、被災地派遣は国内外合わせて30か所以上。現在はフリーランスの看護師として、要請があれば被災地で活動を行うほか、防災教育にも注力している。
※本記事は、書籍『最強版プチプラ防災』辻直美著(扶桑社刊)より一部抜粋、再編集して構成しています。
実は家で一番危険?地震で“凶器だらけ”になる場所
出しっぱなしの食器はすべて割れ、刃物は飛んでくると心得てもっとも凶器が多いキッチン。念入りに対策を!
キッチンの防災対策は、被災時に命を守るうえでも、被災後に食事を作るうえでも大切。できるだけ被害を抑えるようにしたいところです。
包丁・食器・家電…日用品が凶器になる瞬間
キッチンには包丁やハサミ、お皿など、地震発生時には凶器となるものがたくさんあるので、家の中でもっとも危険な場所と認識してください。
基本はものが落ちてこない・飛んでこないよう対策することですが、出しっぱなしにしない習慣を身につけるのも大事です。包丁が飛んできて体に刺さったというケースもあります。
「見せる収納」として包丁やフライパンを壁面に飾っている人がいますが、防災面ではおすすめできません。どうしてもこの収納法にこだわるなら、キッチンで被災したら一刻も早く落下物の少ないスペースに逃げられるようにシミュレーションしておきましょう。
ものが少ないキッチンは安全で、すっきりきれい
キッチンには、重量のある調理家電に割れる食器類、お酒や調味料などの液体類など、危険なうえに、落下して散乱したら片付けが大変なものが多くあります。
しかも在宅避難になった場合、水や食べ物を用意するために、真っ先に復旧しなければならない場所でもあります。
命を守るため、安全な避難生活のため、そして速やかな復旧のためにも、優先的に対策しておきたい場所です。
キッチンの防災対策のポイントは、極力「ものを出さないこと」
とはいえ、毎日使う場所なので、よく使うものはすぐ手に取れる場所に置いておきたいですよね。使い勝手とのバランスを考えながら配置・収納していきましょう。
凶器になるものは「使ったらしまう」を習慣に
使用頻度が高く、かつ軽いもの、割れないものは飛び出しや落下対策をして使いやすい場所に置いてもOK。
一方、包丁などの鋭利なものや重い調理器具については、面倒くさがらずに「使ったらしまう」を習慣にしましょう。揺れであらゆるものが飛ぶのが大地震です。菜箸が刺さり亡くなった例もあります。日々の小さなひと手間が生死を分けると心得て。
実践!100円グッズの防災対策アイデア
私の自宅では、100円グッズを多く活用しています。金属を使う商品は専用品がおすすめですが、それ以外は100円グッズでも十分です。
食器は100円グッズで割れない収納に
大阪府北部地震で被災した際は、キッチンの引き出しに食器を収納していました。引き出しには子どもの指はさみ防止用のストッパーをつけておいたので、揺れの衝撃で引き出しが飛び出すのを防いでくれました。おかげで、お皿は1枚も割れずにすみました。
お皿を収納する引き出しがない場合、取っ手のついたプラスチックケースに滑り止めシートを貼った「食器収納ケース」に入れることをおすすめします。取っ手がついているのでお皿をさっと取り出せるから、家事の時短にもなります。
なお、お皿は下から中皿→大皿→小皿の順に重ねるのが、もっとも滑りにくく揺れに強い方法です。
シンプルで丈夫な食器は防災面でも最適
特別なこだわりがないなら、割れにくい食器を使うのも有効です。阪神・淡路大震災で被災する前、リチャードジノリのカップなど、いろいろ集めていましたが、全部割れてしまいました。今はシンプルで丈夫なコレールと、いい器の半々にしています。いいものを普段から使う暮らしも楽しみたいですから。
食器を適量キープ&収納ケースで取り出しやすく
収納ケースに入れた食器類。ケースに入るだけの量にすると決めたら、お気に入りだけが残り、暮らしもシンプルになりました。
引き出し収納なら普段使いの食器も使い勝手がいい
キッチンの引き出しに収納した食器。料理が完成したらさっと取り出して盛りつけられるので使い勝手もいい。
最強!飛び出さない食器収納ケースのつくり方
■材料
100円ショップの滑り止めシートと取っ手つきのプラスチックケース、両面テープで揺れに強い食器収納ケースをつくれます。
■作り方
1:滑り止めシートをプラスチックケースの底に合わせて2枚カット。
2:底面に滑り止めシートを両面テープで貼りつける。揺れでケースが滑るのを防げます。
3:内側にも滑り止めシートを貼る。ケースの中のお皿が動かなくなります。
もっと詳しく知りたい人は
TV、ラジオ、雑誌などメディアに多数出演の国際災害レスキューナース・辻 直美さんが国内外30か所以上のレスキュー経験で得た最新の知見をまとめた一冊。




