パリで自由なひとり暮らし!60代・70代フランス女性に学ぶ「幸せの秘訣」
2025.02.17
更新日:2025年02月28日 公開日:2025年02月13日
死別・離婚を乗り越え…パリの60代・70代女性が語る「人生の楽しみ方」
素敵に年齢を重ねながら、パリで前向きに暮らす女性たちを紹介する企画。最後は夫と死別・離婚などさまざまな悲しみや苦労を経て、今こそ青春を謳歌しているという2人の女性に話を聞きました。
モニク・Lさん(クロスステッチ作家)
スタイリストを経て、趣味から刺繍の世界へ。パリ11区で約20年にわたり手芸店を営んだのち、現在はネットショップでクロスステッチ活動を継続中。73歳(2024年取材当時)
夫を亡くした後ここへ。“生涯青春”を満喫しています
庶民的な街の雰囲気が気に入り、モニクさんがパリの新しい生活拠点として選んだのはリヨン駅のほど近く。近くの小学校から聞こえる子どもたちの声に元気をもらえると言います。

「48年連れ添った夫が他界し、この小さなアパルトマンに引っ越してきたの。夫を失った悲しみは大きかったけど、クロスステッチに没頭したり、大西洋岸の田舎の家で夫と共通の40年来の友人たちとビーチに出掛けたり、忙しく動いて、意識をなるべく他のところに向けて気持ちを整理していったわ」

右/廊下にはイラストレーターの亡き夫・ジャンピエールの作品をギャラリーのように並べている
友人と長くうまくやっていく秘訣は、近い関係でもプライベートの時間や個々の意見を尊重し合うこと、と朗らかに笑うモニクさん。「人生を楽しむのに年齢は関係ないわ。生涯青春よ」
ルシアナ・Eさん(アーティストコンサルタント)
23年前に元夫の仕事で家族4人でパリに移住。その後、離婚するも、仕事と子育てを両立してパリの地に根を張る。現在は、アーティストコンサルタントとして活躍中。写真の白い陶器はお気に入りのアスティエ・ド・ヴィラットのもの。62歳(2024年取材当時)
異国の地でひとりで子育てしながら“パリと結婚”する覚悟で
すぐ対岸にノートルダム寺院が見える絶好の立地、13世紀の美しい大邸宅の建物内にお住まいの香港出身のルシアナさん。

「39歳のときに元夫の仕事でパリに住み始め、自分らしく生きられる場所だと思ったわ。のちに彼が別の国に移ろうと言ったとき、それが嫌で話し合いを重ね、最善の道は別れることだという結論に至ったの。
ひとりで子育てをしながらの異国での暮らしは楽ではないことはわかっていたけど、パリと結婚するくらいの覚悟だったのよ。子どもの独立後は、2年連続でインドにアーユルヴェーダの研修に行ったりヨガを極めたりして、自分と向き合っているわ」

右/長年の行きつけのフローリストに、定期的に花のアレンジをお願いしている
リスクを恐れずに選んだ道の苦労の先には、笑顔あふれる日々が待っていました。
取材・文=内田ちはる、撮影=滝浦哲、構成=原田浩二(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年6月号を再編集しています