50代からの女性のための人生相談・112

人生相談:老後の住まい、持ち家か賃貸どちらが正解?

人生相談:老後の住まい、持ち家か賃貸どちらが正解?

更新日:2023年08月24日

公開日:2023年01月20日

人生相談:老後の住まい、持ち家か賃貸どちらが正解?

読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。今回は53歳女性の「転勤族の夫がそろそろ定年……子どもがいないのでずっと賃貸だったけど、今後どうするべき?」という相談に、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが回答します。

畠中雅子
監修者
畠中雅子
監修者 畠中雅子 ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)

53歳女性の「住宅購入」についてのお悩み

50代前半の夫婦です。子どもはいません。

夫が転勤族のため、会社から家賃補助を受けて賃貸に住んでいるのですが、あと6年で家賃補助がなくなり、さらにその2年後には定年を迎えます。

そのため、老後の住まいを購入するか、賃貸にするか、迷っています。

住宅の購入費用の貯蓄はあるのですが、持ち家だと何があっても逃げれないことに不安を感じるし、賃貸は70代になっても貸してもらえるのか不安です。

どうするべきでしょうか?

(53歳女性・あほうどりさん)

畠中さんの回答:「後悔の少ない方」を選んで

 老後の住まいを購入するか、賃貸を選択するかは、悩ましい問題ですね。その際は「どちらが有利か」で考えず、「どちらの選択のほうが後悔が少ないか」で考えることをおすすめします。

老後の住まいを購入する場合

老後の住まいを購入する場合

まずは「購入する場合」から考えてみましょう。

定年後にマイホームを購入する際は、現金で一括購入するのが基本です。年金収入でも住宅ローンを組めないわけではありませんが、年金収入から住宅ローンの返済を行うと、家計収支が赤字になるケースが多いのでおすすめできません。

高齢期に購入を検討されるのであれば、一戸建てよりマンションの方がいいように感じます。将来、介護が必要になって、高齢者施設に住み替えるとしたら、駅から遠い一戸建てよりも、駅に近いマンションのほうが、賃貸収入を得やすいからです。

物件を探す際、戸数が少ないマンションは避け、100〜200戸くらいの規模の物件を探してみるのいいでしょう。戸数が少ないマンションの場合、修繕にかかる費用が割高になりやすいからです。

また女性の場合、90歳を超えるほど長生きされる方が多くなっています。90代以降にマンションの建て替え計画が具体化したら、対応に悩むケースも多いはずです。

そのため、建て替えをせずに済むくらいの築年数(築20年以下くらい)で、物件探しをすることをおすすめします。

老後の住まいを賃貸にする場合

老後の住まいを賃貸にする場合

「退職したあとは自然の多いところで暮らしたい」のであれば、購入ではなく、賃貸を選択すればいいでしょう。

自然の多いところであれば、家賃も都市部のように高くはないでしょうし、手元資金を温存できるので、介護が必要になって都市部に住み替えたいと思われたときに、再度の住み替えに使える資金を残せます。

購入でも賃貸でも利用できるサービスを活用

購入でも賃貸でも利用できるサービスを活用

賃貸の場合は「セーフティネット住宅」

賃貸暮らしを選択される場合、国交省がバックアップしている「セーフティネット住宅」のホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。

この制度には、保証人のいない高齢者の入居を拒まない住宅が登録されています。築年数の古い物件が多く掲載されていますが「自分の希望居住エリアには、どのような物件が掲載されているのか」を確認しておくと、高齢になったら部屋が借りられないという心配を軽減できると思います。

購入の場合は「リ・バース60」

あほうどりさんのご家庭の場合、お子さんがいらっしゃらないようなので、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供している「リ・バース60」を活用する方法も有効です。

リ・バース60では、物件の担保価値の50~60%程度までの借り入れが行えます。

例えば2000万円の物件を、頭金1000万円で購入し、1000万円の住宅ローンを組んだとします。その後、1000万円の住宅ローンはリ・バース60からの借り入れで全額を返済してしまいます。

その後は「リ・バース60で利息だけ」を支払っていき、元金は死亡後に住宅を売却して支払えばいいプランです。

具体的な数字で、返済例をご紹介しましょう。例えばフラット35(20年以下タイプ)で、65歳から79歳までの15年返済を選択したとします。

2023年1月の適用金利の中で、ポピュラーな金利である1.52%で返済した場合、ひと月の返済額は6万2164円になります。

一方、リ・バース60を利用して金利1.975%で返済をする場合、ひと月の返済額は1万6500円程度。元金は据え置かれてそのまま残りますが、ひと月5万円ほど、負担は減らせます。

お子さんがいらっしゃらないなど、家を相続させる必要がないご家庭では、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

購入でも賃貸でも利用できるサービスを活用

回答者プロフィール:畠中雅子さん

畠中先生

はたなか・まさこ 1963(昭和38)年生まれ。ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)。『お金のプロに相談してみた!息子、娘が中高年ひきこもりでもどうにかなるって本当ですか?』(時事通信社)他、著書は70冊以上。また「ミニチュアワールドと観光列車」に造詣が深くブログを開設している。

構成=石丸繭子(ハルメク365)


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