50代からの女性のための人生相談・93
人生相談:いずれ始まる親の介護…準備はどうしたら?
人生相談:いずれ始まる親の介護…準備はどうしたら?
更新日:2022年11月05日
公開日:2022年09月22日
62歳女性の「いずれやるべき親の介護」についてのお悩み
高齢の母は、田舎で一人暮らしをしています。 いずれ、きょうだいの誰かが面倒を見ることになると思うので、きょうだいで介護について相談しなければと思っています。
まだ母が元気な今のうちから、いろいろ決めておくべきでしょうか?
また、何から決めればいいのでしょうか?
(62歳女性・miomioさん)
太田さんの回答:まずは、具合が悪いことを気付けるように
いつか訪れる田舎のお母様の介護。miomioさんが62歳ということは、お母様は80代以上だと推察します。確かに、そんなに遠くない将来、そのときはやってくるかもしれませんね。そのために備えておけば、慌てず冷静に対応できるでしょう。

多くの子どもは、「親が倒れたら、世話をする」と言います。
突然、大きなケガや病気で倒れ「入院」となると、どこかから連絡が来るでしょう。けれども、ある程度高齢になると、心身機能がゆるやかに低下していくこともあります。特に、コロナ禍では会う機会が減ったこともあり、「気付いたときには、親がかなり弱っていた」との声も少なくありません。
子どもに心配をかけたくないとの気持ちから、「具合が悪い」と言ってこない親も多いです。
まず、親の異変をキャッチできるように、電話などでのコミュニケーションを増やしたいですね。本人に「困ったことや、変わったことがあったら教えてね」と言っておくことも大切です。
お母様が元気なうちに、進めておきたい3つのこと
親の状況確認を継続するのと同時に、進めておきたい3つの備えがあります。
1.親の住所地を管轄する地域包括支援センターにコンタクト。
2.親・きょうだいとは、「何かあったら、サービスを使おう」と話し合っておく。
3.サービスを使うには、お金が必要なので、本人からどのお金を使えばいいか聞いておく。
以上の3つです。ここからは、それぞれの項目を詳しく解説していきます。
■地域包括支援センターにコンタクト

高齢者の生活全般の最初の公的相談窓口となるのが「地域包括支援センター」です。住所地ごとに管轄のセンターが決まっているので、お母様の住んでいる地域の役所に確認してみてください。
コンタクトを取ったことがなければ、「高齢の親が一人で暮らしています」と電話してみましょう。今は元気だとしても、例えば緊急時に通報できる「緊急通報システム」や、「安否確認のサービス」など、何らかのサービスを利用できる可能性があります。
まだ元気な今からお母様にサービスを利用することに慣れてもらうと、いざ介護が始まったときに、本人の拒否感が少なく、スムーズに次の段階に進むことができると思います。
また、地域包括支援センターと関わりを持っておくことで、スタッフからも心にとめてもらえます。災害時に避難支援を受けられる「災害時要援護者名簿」にも登録してもらうとさらに安心です。
■「何かあったら、サービスを使おう」と話し合っておく

お母様やきょうだいと「もし、介護が必要になったらサービスを使おう」と、考え方を統一しておくことも重要です。
親の多くはサービスの利用に後ろ向きです。しかし、それでは家族が疲弊することになるので、きょうだいでタッグを組み、サービス利用を推し進めたいものです。
どのサービスをどのように利用するかは、介護のプロである地域包括支援センターのスタッフやケアマネジャーがプランニングしてくれます。
プランニングしてくれる方との窓口になり、本人や家族側の意見をケアマネジャーなどに伝えたり、サービスの契約などを行ったりする人を「キーパーソン」と呼びます。通常、子どもが「キーパーソン」の役を担うので、誰が担うか、きょうだいで相談しておくといいでしょう。
こうして、サービスを利用しながらお母様を支えるには、お金が必要となります。
■どのお金を使えばいいか聞いておく

原則、親の介護費用には本人のお金をあてましょう。しかし、親が持っているお金の全体額を知らないと、どれくらいの費用を介護に使えるか、考えることもできません。
そこで、お母様の資産状況を把握しておきたいものです。
もし本人の判断力が低下すれば、本人がお金の管理を行うことは難しくなるでしょう。かといって、通帳の名義人以外がお金を引き出すのは容易ではありません。どのお金を使えばいいか、さらにそのお金の引き出し方についても聞いておきましょう。
最後に、延命治療の希望有無も聞いておくと安心

コミュニケーションを密にし、とことんサービスを利用しながらの介護をする。プロの意見をしっかり聞き、お金のこともクリアになっていれば、それほど困ることはないと思います。
最後に付け加えるなら、延命治療の希望有無などは、心身機能が低下すると本人に聞きにくくなるので、元気なうちに聞いておく方がいいでしょう。
回答者プロフィール:太田差惠子さん

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)など多数。最新刊は『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)。
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