東京⇔山梨 おひとりさまの二拠点生活のリアル
上野千鶴子さん【二拠点生活】大切な人を看取って
上野千鶴子さん【二拠点生活】大切な人を看取って
更新日:2026年01月19日
公開日:2025年01月06日
上野千鶴子(うえの・ちづこ)さんのプロフィール
1948(昭和23)年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学およびジェンダー研究の第一人者。最新刊『こんな世の中に誰がした? ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために』(光文社刊)他、著書多数。
今はひとり、静かに過ごす時間が至福のとき

※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年5月号を再編集しています。
八ヶ岳南麓、標高1000mの山林地帯。未舗装のデコボコした砂利道を進んでいくと、木立の中に上野さんの山の家が現れます。「どうぞ」と迎えられ、仕事場にもなっている建物に入ると、目に飛び込んでくるのは、天井まである壁一面の書棚です。
「ここは書庫でもあるんです。私は“おひとりさま”でいるのが平気な人なので、たくさんの本に囲まれて一人で読んだり、書いたりしている時間は至福ですね。シーンと静かで、時々鳥が鳴いて、図書館で暮らしている感じ」
そう語った直後、頭上から「ドン!」という衝撃音が。
「鳥がはめ殺しのガラス窓に激突しましたね。私の本『八ヶ岳南麓から』にも書きましたが、大量の蛾が窓にガツンガツンと体当たりしてくることもあるし、ヤスデや毛虫が大発生することもある。やっぱり自然の中は大変ですよ」
50代半ば、もう一つの居場所を探して二拠点生活に
上野さんがこの土地を手に入れたのは50代前半。八ヶ岳南麓に定住していた友人から「ひと夏、海外で過ごすから、家を借りて住まない?」と言われたのがきっかけでした。
「ひと夏過ごしてみると、涼しいし空気はいいし食材が新鮮だし、すっかりはまってしまった」と上野さん。その夏の終わりには、不動産屋に飛び込んで土地を探し始めたそう。
「友人を通して八ヶ岳に定住している人たちとお近づきになり、ここでの暮らしをいろいろ聞きました。八ヶ岳に移住してくる人は、ほぼ定年前後。
中には、仕事の場が東京にあって、50代くらいから東京と八ヶ岳を行ったり来たりしているうちに、だんだんと軸足が山の方に移ってきたという人もいて、なるほど、悪くないなと思いました」
思い切って購入した土地に家を建てたのは別の人?
こうして八ヶ岳南麓に土地を買ったものの...




