中年の思春期ミッドライフ危機と脳内ホルモンの関係
精神科医・樺沢紫苑さんに聞く!50代セカンドパートナー流行の背景
精神科医・樺沢紫苑さんに聞く!50代セカンドパートナー流行の背景
更新日:2025年11月30日
公開日:2025年03月29日
子育てや仕事がひと区切りつく50代は、「人生後半戦」と向き合う転換期。そんな今、「セカンドパートナー」という関係性が注目されています。本来は“配偶者以外の、肉体関係を伴わないプラトニックな相手”を指しますが、受け止め方はさまざま。今回は精神科医・樺沢紫苑さんの見解を交え、流行の背景と心のメカニズムをやさしく解説します。
セカンドパートナー流行の裏事情:なぜ今、関心が高まるの?
SNSや配信メディアの発達で“個人の本音”が可視化され、共感が広がりやすくなりました。加えて、言い換え表現による心理的ハードルの低下も一因と精神科医の樺沢さんは指摘します。キーワードが軽やかに流通することで、関心が一気に高まった面もあるようです。
50代の「ミッドライフクライシス」とは
いわば“中年の思春期”。役割や目標が変化し、これからの生き方を再設計する過程で、虚無感・不安・疲労感が高まりやすくなります。更年期の体調変化も重なり、心身の揺らぎが増える時期。樺沢さんは「自己の価値や役割の再定義が必要になる」と話します。
なぜセカンドパートナーを求めるのか
夫婦関係の課題、孤独感、自己効力感の低下などが重なると、“心の拠り所”を求めやすくなります。本来の定義はプラトニックですが、言葉の軽やかさが罪悪感を薄め、関心を後押ししている可能性も。大切なのは、自分が何を満たしたいのかを言語化することです。
心を左右する「脳内ホルモン」の働き
感情や行動には脳内ホルモンが関わります。特にポイントになるのが、安心感をもたらすオキシトシンと、達成感や高揚を生むドーパミン。
絆のホルモン「オキシトシン」
家族・友人・ペットとの触れ合いや、手をつなぐ・ハグなどのスキンシップで分泌。安心や信頼感を高めます。50代では分泌が低下しやすく、“つながり”の補給が課題に。プラトニックな関係に惹かれる背景として理解できます。
快楽のホルモン「ドーパミン」
達成・新奇性・称賛などで分泌。やる気や高揚感を生みます。新しい恋のドキドキにも関係しますが、依存的にならないよう刺激の種類と量を自分で調整する視点が大切です。
ミッドライフを軽やかに越えるヒント
- 夫婦のリスタート:共通の趣味や小さなプロジェクトを共有
- コミュニティ参加:新しい出会いは脳の活性化に有効
- 運動習慣:朝散歩・ジム・ダンスなど“陽の光+会話”をセットに
- 自然時間:ハイキングやキャンプで心身をリセット
セカンドパートナーと上手に付き合うコツ
- 原点を共有:プラトニックを前提に、目的・境界線を事前に合意
- 小さなスキンシップ:手をつなぐ・肩に触れるなどでオキシトシンを補給
- 依存を避ける:刺激(ドーパミン)に偏らず、日常の充足も育てる
“心が整う関係”であることが、長く健全に続ける鍵。自分の幸福度を主語に、丁寧に選んでいきましょう。
監修医師:樺沢紫苑さんプロフィール
精神科医・作家。著書52冊・累計260万部。YouTube登録60万人など、SNS累計100万人。『アウトプット大全』(シリーズ累計100万部)、『ストレスフリー超大全』『感謝脳』ほか。最新刊『こどもアウトプット図鑑』。
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企画・文=鳥居 史(HALMEK up編集部)




