【9】婚活で明らかになる「結婚相手に譲れない3つの条件」とは?
2025.03.05
公開日:2025年03月12日
50代婚活奮闘記10・B美の場合
【10】56歳バリキャリ女子・初お見合いにいざ出陣!
恋愛・婚活ジャーナリストの清葉アキコが出会った婚活女子の第10話。56歳バリキャリ雑誌編集長B美が経験した初めてのお見合はいかに?外資系商社マンと会話は弾んだのか?仮交際に進むことはできるのか?
2日後がお見合い……これはスピード婚もありえるかも!?
前回の話はコチラから。バツイチ子無し56歳B美はバリキャリな雑誌編集長。結婚相談所でお見合を開始した。
日曜の夕方、スマホから小さな着信音がした。B美からのメッセージだ。「アキコさん、今日、お見合い初体験してきたわよー」。ついこの間、結婚相談所Tに登録したばかりだというのに!さすが、シゴデキ女は行動が早い!
「初お見合いはどうだった?」「お相手はどんな男性?」ジャーナリスト魂がうずうず……。B美とは連載の打ち合わせで2週間後に会う予定があったが、正直それまで待てない!今すぐインタビューしてあれこれ聞き出したくて居ても立ってもいられず、短い質問をいくつも立て続けに送りつけた。
B美の初めてのお見合い相手は、外資系商社勤務の59歳。写真もプロフィール文も明るく社交的な印象があり、婚活アドバイザーMさんに依頼してお見合いを申し込んだという。申し込むとお相手からは即レスがあり、1時間もしないうちにお見合いが成立した。
お見合いが成立するとすぐに、それぞれのアドバイザー同士で日時や場所の調整をしてくれる。「いいなと思う人は他の人も『いいな』と思って申し込んでいるから、無理してでも早く会った方がいいですよ」とアドバイザーMさんに言われ、休日出勤の予定を取りやめて、その週末のスケジュールを提案してみると、こちらも即レス。お見合いは2日後に決まったそう。
仕事も結婚もタイミングってある。うまくいくときはトントン拍子でいくものだ。実際、B美が外資商社マンさんと同時にお見合いを申し込んだもうひと方は、「お会いしたい気持ちがあるが、期末・期初で忙しくて1か月後のスケジュールを……」と提案されたらしい。本来は休日出勤をしなくてはいけないほど忙しいB美もその状況は理解できる。「タイミングってあるよねー。こういうのも含めて、ご縁が繋がっている人と繋がっていない人がいるんだなって思う」とB美。
トントン拍子で決まった初お見合いは、まさにタイミングが合ったご縁。そう思ったら「初お見合いにして運命の相手かもしれない!これはスピード婚もありえるかも!?」。お見合いまでの2日間、気が付くとニヤついている自分にB美は何度もハッとしたらしい。
まさかドタキャン!?待ち合わせ場所に相手がいない!
お見合いに指定されたのは都内のラグジュアリーホテルHのラウンジ。予定より少し早めについてメイクを直しながら笑顔の練習をし、ラウンジ前に5分前に着くと待ち合わせらしい人が多くいるが、その中に彼の姿がない。この2日、妄想を繰り広げていたから顏を見間違えるはずがない。待ち合わせの時間になるまで来る人来る人の顔を確認するが、違う顔ばかりだ。これ、まさかのドタキャン!?
動揺してアドバイザーMさんに連絡しようと、スマホを取り出すためにバッグに手を伸ばした。こういう焦っているときに限ってスマホは迷子になる。バッグの中を覗き込みながらガサゴソしていると「B美さんですよね?」と後ろから声が。なんと外資商社マンさんはが30分も前に着いて、席をキープしてくれていたそう!お見合い写真より優しくて明るい笑顔がそこにあった。
ファッションにうるさいB美の目ではおしゃれとまでは言い難いものの、身に着けているものはそれなりに良質で清潔感があるのも好印象。初対面としての気遣いがありながらも堅苦しさは感じさせない丁寧な会話は、B美にとってとても心地よい距離感だった。初対面でも目を見て話すことができるのも、人とのコミュニケーションに慣れている証拠。お見合い慣れしているのもあるかもしれないが、社交的な性格というプロフィール文に偽りはなさそうだ。
お互いの興味があることや共通の趣味などの話題で盛り上がっていると、「コーヒーのお代わりはいかがでしょう?」とラウンジの人から声をかけられた。気付けば90分が経過。あっという間だった。
「すごく盛り上がったし楽しかったけれど、お見合いなのにあんな感じで良かったのかしら?」。B美は私に聞いてきた。「そうそう、お見合いって言っても意外とカジュアルなのよね。正直、どんな人かなんて1回じゃわからないし、まずはフィーリングが合うか合わないか確認できればいいと思う」とメッセージを送る。
最初から『なんで結婚したいんですか?』『親の介護についてはどうお考えですか?』『前の結婚がうまくいかなかった理由はなんですか?』『離婚後に養育費はいくら払っていますか?』『今の仕事を退職したらどうされるんですか?』『貯金はいくらありますか?』などなど、突っ込んだ話をする人もいる。それが結婚相手を選ぶ要素として重要な人はそれもNGではない。
またもや即レスで「仮交際」決定!お付き合いスタート
B美は「もっと話したいな、と言うところで切り上げるのもポイントですよ」とアドバイザーMさんからの助言を思い出し、お見合いは90分で切り上げた。もっと話すためには、仮交際に進む必要があるという状態に持っていくためだ。
自宅に帰るときに山手線の車窓に写った自分の顔が、ここ数年の中でいちばん穏やかだったとB美。帰りの電車の中でアドバイザーMさんにメッセージを送った。「もう一度お会いしたいので、仮交際を申し込んでください!」と。
自宅に着いてスマホを覗くと「おめでとうございます!仮交際ステータスになりました。今日、お相手からお電話が行きますので、次回デートのお約束をしてくださいね」とMさんからのメッセージが届いていた。なんとこれもまた即レス。お見合いをしたホテルの最寄り駅で別れてから3時間後には、彼からの電話で翌週末の初デートが決まっていた。場所は横浜。
「アキコさん、私がこんな感じでスピード婚が決まったら、周りの人はみんなめちゃくちゃびっくりするわよね!(笑)」。いつもは絵文字一つないB美のメッセージに、今回はハートやキラキラなどの絵文字が入っている。B美の婚活、奇跡が起こるかもしれない!
2週間後――。B美とのミーティングは、外資商社マンさんとの初デートの事情聴取から始まった。デートの鉄板・横浜でどんなロマンスが!?
- (次回予定)【第11話】ドキドキの仮交際&初デート!
- 【全話読む】50代からの婚活奮闘記
婚活初心者専門コンサルタント・三島光世さん
三島さんからのひと言
『婚活は「お見合い」からが本当のスタート!初回でプロフィール文ではわからない細かな条件を確認するのもよいですが、お見合いは基本1時間。まずはフィーリングを確かめて「仮交際」へ進み、それから細かいところを確認していっても遅くないですよ。「お見合い」だからと気負わず、お互いに気軽なおしゃべりを楽しめるといいですね』
婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある