50代婚活奮闘記8・B美の場合

【8】「会えるお見合い写真」はモテ服&モテメイクと撮影スタジオも重要

【8】「会えるお見合い写真」はモテ服&モテメイクと撮影スタジオも重要

公開日:2025年02月26日

【8】「会えるお見合い写真」はモテ服&モテメイクと撮影スタジオも重要

恋愛・婚活ジャーナリストの清葉アキコが出会った婚活女子の第8話。56歳バリキャリ雑誌編集長B美は最強の「会える婚活写真撮影」に挑む。オトナ婚活で重要なモテ服・モテメイク・撮影スタジオについて解説します。

白髪にサヨナラ!8年ぶりのカラーリング

前回の話はコチラから。バツイチ子無し56歳B美はバリキャリな雑誌編集長。一流の雑誌スタッフが撮ったお見合い写真にNGを出され、「“会えるお見合い写真”を撮り直すことに決めた。撮影は2週間後……。

まずは行きつけのヘアサロンにカラーリングの予約を入れた。8年ぶりの脱グレイヘアだ。いつもの美容師も「なぜ急に染めるんですか?何かあったんですか!?」と理由を知りたがったが、気分転換だと言ってごまかした。「会えるお見合い写真のためです」なんて、若くてイケメンの美容師に口が裂けても言えない……。

「モテ衣装」なんて着たくない! 服選びに大苦戦

次は衣装だが、これが大問題! 正直、オトナ婚活に強い結婚相談所TのMさんから「男性受けを狙った女性らしい服で!」と言われた瞬間、鳥肌が立った。オンでもオフでもパンツスタイルが定番でファッション誌の編集者時代からトレンドの服を自分らしく着こなしてきた。パーティなどでもパンツで参列してきたから、ワンピースはおろかスカートなんてワードローブにない。

ふと、会社のなにかのイベント用に買ったネイビーのワンピースがあることを思い出した。いつ買ったのか、いつ着たのかも思い出せないほど。流行からは若干外れてはいるが、シンプルめなデザインだし、一般的な婚活男性は気にならないだろう。

そう思って大人婚活のプロMさんに「これでいいですかね?」と写真を送ると、速攻でチェックバックがあった。「形はともかく、ネイビーですか。ネイビーや黒はオフィスっぽい印象があって堅く見えるので、もっとやわらかな印象の明るい色のものはないですか?」と。

「レンタルしてもいいですが、結局、お見合いに着ていく服も必要になるので、お見合いにも着ていけるようなものを、1着、撮影までに購入してください!」とMさん。

「何が嫌って……自分の好きじゃない、むしろ着たくない服を着るっていうのがかなり苦痛。しかも、手元にあるものならまだしも、わざわざ新調しなくちゃっていうのも本当に嫌すぎた」とB美。この「会えるお見合い写真」の服選びが嫌すぎて、「結婚はもういいや」「退会しよう」と本気で考えたらしい。

仕事の合間や週末に、いつもは行かないような店で試着をしては、写真を撮り、Mさんに送るということを何度も繰り返し、ようやくB美の中でギリギリ折り合いがついたのがオフホワイトのワンピースだった。

Ⅿさんが推していた優しげなパステルピンクなどの色合いは嫌悪感が勝ってしまい、どうしても手が出なかった。抜け感や若々しさが出るとわかっていても、やっぱり年齢的にも腕や肩の露出は絶対にしたくない。透け感のある素材のハーフスリーブで、堅くは見えないはず。胸元のちょっとしたデザインのおかげで、華やかな印象も女性らしい雰囲気も出せる。これなら、お見合いのときはノーカラーのジャケットやコートを羽織っていけばいい。「これが私の精一杯です!」と半ばギブアップで送った写真で、ようやくMさんからのお墨付きが出たそうだ。

自分では絶対しない「モテメイク」で別人化

Mさんに紹介された撮影スタジオは、東京・恵比寿にある「iLuce 恵比寿店」。衣装を手に、すっぴん&寝起きヘアのまま行くと、すでにヘアメイクさんがスタンバイ。撮影後のレタッチ加工でシワやシミを消すとしても、より若々しく見せるためには、厚塗りに見えず、自然な艶感のある肌に仕上げておく必要があると言い、1時間弱かけて肌を作ってくれたそうだ。

「さすが、いつもの10分もかけないメイクとは違うわよね~」とB美。アイラインがしっかり入って、根本からぐっと上がったまつ毛にはマスカラもたっぷり塗られて、いつもより目が大きく、そして生き生きとして見える。「あんな明るいピンクのチークとリップを使ったの、人生初めてよ(笑)」と恥ずかしげに笑った。

「50代以上を優しげで女性らしく見せるのは、眉の形。自分でメイクするとここを失敗しがちですね」とヘアメイクさんが言ったそう。たしかに、眉のアーチがいつもよりなだらかだ。

黒髪でも華やかで優しげな印象に仕上げるために、髪は丁寧に根本を立ち上げるようにブローされ、毛先や表面をヘアアイロンで巻いて動きをつけた。「ヘアアイロンも人生初よ!」とB美。自分でも「婚活コスプレ」と言って笑っていたが、もはやそのくらいの変貌を遂げた。「コスプレ撮影会って思わないと、こんな姿でこんなポーズ、恥ずかしすぎてできないって(笑)」

カメラマンさんから、あれこれポージング指導を受けた結果、あの上目遣いのアイドルポーズの写真になったのか……と腑に落ちた。「次こうして、こうしてってポーズ指導されて、ずっとおかしくて爆笑しっぱなしだったけど、シワを全部消してもらえてよかったわ」とB美。

なんだかんだ言って笑いながらも、婚活のプロMさんお墨付きの“会えるお見合い写真”が仕上がった。この勝負写真で、どんな男性と出会えるのか、次の報告が待ち遠しすぎる。

婚活初心者専門コンサルタント・三島光世さん

三島さんからのひと言
写真撮影もお見合いも、“男性ウケ”にこだわった“婚活コスプレ”をする気分で楽しみましょう!

婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある

取材協力:i Luce(アイ ルーチェ)

東京・恵比寿のほか、名古屋・新栄にもスタジオあり。婚活洋服レンタルサービス「i luce clothes」も。婚活お見合い写真(女性)メイク5500円、手直しメイク3300円、ヘアーセット(ダウンスタイル)4400円ほか。撮影(スタジオ撮影20枚+全データ+プリントL判1枚)1万7380円~(ロケ撮影、撮影枚数追加も可能)、写真修正(1枚)2200円、ナイトアプリ撮影1万780円など。https://iluce.jp/

清葉アキコ
清葉アキコ

雑誌編集部に在職していた20年間、「恋愛」「婚活」など女性の生き方に関する企画を多く担当。編集者として25年以上、年間1000人以上の声を聞いてきた取材・分析力や多くの専門家への取材で得た人脈や知識を活かし、恋愛・婚活ジャーナリスト/コラムニストとして独立。女性たちのインサイトに訴えかける恋愛関連記事の制作・アドバイスや、自身の「婚活」経験をもとにした婚活コラムの執筆などを行っている。