2023-2024年シニア独自の新トレンド5は?
2023.12.182022年12月16日
シニア世代のシンクタンク所長が考察
【2022~23年】6つのシニアトレンドは?
雑誌「ハルメク」のシンクタンク「生きかた上手研究所」所長の梅津順江が、ミドル~シニア世代の女性のトレンドを読み解きます。今回は、2022年の総決算、流行したものを振り返ります。2022~23年を代表する6つのキーワードをチェック!
シニア女性のシンクタンク生きかた上手研究所の所長です
普段から私は、50歳以上の素敵な女性にお会いして、誌面や商品開発の種になる話を伺ったり、アンケートを介して半歩先の未来を予見したりしています。
読者との会話やデータで出てきた驚きや気付き・学び、ハルメク世代の実態や意識、日常の困り事や工夫からトレンドを汲み取ってお伝えしていきます。
2022-2023年シニア世代のトレンドを発表!
2022年も「流行語大賞」「ヒット商品番付」「2022ヒット商品ベスト30」など、一年を振り返るテーマでメディアが盛り上がっています。複雑化した情報社会の昨今、「Z世代女子が選ぶ、トレンド大賞」「ティーンが選ぶトレンドランキング」「SNSトレンド番付」など、世代やコミュニティ別にも発表されようになりました。
全世代を網羅したトレンドが生まれる難しさ、コミュニケーションチャネルを横断した流行が発生しにくくなっているからでしょう。
総人口の35%が60歳以上となった日本。ボリュームゾーンとなった世代にもトレンドがあってもいいのでは?ということで、ハルメク生きかた上手研究所でも、2021年から年末に「トレンド」を公表しています。2022年も12月7日にハルメク世代にフォーカスした「シニアトレンド2022-2023」を発表しました。
ウクライナ侵攻や物価高など陰鬱としたニュースがある一方で、コロナ禍で続いた行動制限の緩和、インバウンド消費による経済復活など、高年齢世代の生活にも明るい兆しも見えています。
2022年の傾向および2023年のトレンドの芽を、6つのキーワードに集約しました。「これは自分にも当てはまる」「これは違う」という感じで、気軽に読んでもらえればと思います。
その1:スマ活シニア
50~70代のハルメク世代もスマホ保有が当たり前になりました。2022年、スマートフォンを中心に、コロナ禍を経て、動画、SNS、スマホ決済、ポイ活などデジタルを賢く活用する人が急速に増えました。
今後は、スマートウォッチや音声サービスの利用などに注目しています。センサリング技術で自分のカラダの状態を見える化できるムーブメントはこの世代にも来るでしょう。音声入力やオーディオブック(朗読音声で本の内容を聞ける配信サービス)の利用にも期待しています。活用がどんどん進み、大きな変化が起こっていくことでしょう。
その2:推し活で若返り
当研究所が2022年6月に調査した結果では、推しがいる50~84歳女性は35.2%でした。推しにお金を使っている比率は7割で、平均年間9万円を費やしていました。
推し活が、学びやデジタル向上のきっかけになっています。推しがいることでトキメキが生じ、「若返った」「病が快方に向かった」と心身にポジティブな効用をもたらしています。
当該世代の幸せにつながるきっかけとして、2023年も推し活は広がりを見せていくことでしょう。
その3:とっくにSDGs
SDGs目標が掲げられる前から「食材を使い切る」「必要な分のみ買う」「電気や水の無駄使いをしない」など、モノを大切に使う丁寧な暮らしを続けてきた世代。
「SDGsが目指す持続可能な社会の実現」と「地球を次世代につなぎたいというハルメク世代の思い」がリンクしてきた1年でした。これからもSDGs生活を牽引するオピニオンリーダーとして、他の世代に影響を与えていくことでしょう。
その4:コンパクト終活
終活は「まだ先のこと」「やらないといけないとはわかっているけど、気持ちが進まない」と後回しにする傾向があります。
「エンディングノートではなく1枚シートに書くだけ」「自分の葬式も身内だけ」と今やるべきことを前向きに厳選しました。終活をミニマム化すれば、しがらみから解放され、ラクに取り組めて身のまわりも気持ちもスッキリします。
その5:AGE(アゲ)メイク
まだ完全にマスクは取れません。しかし、ハルメク世代の女性も「華やかにメイクして、おしゃれしたい」とお出掛けマインドが高まっていることを肌で感じた1年でした。
眉毛や目元をメイクすることで気分もシャキッとします。2023年も外出意向が高まることが予想されます。自分の気持ちをあ・げ・るきっかけとして世代に合ったメイクを求めていくことでしょう。
その6:素材まるごとおやつ
以前からハルメク世代に、「加齢で不足しがちなカルシウムや食物繊維がおいしく手軽に取れる」と、素材を生かしたおやつは静かなブームでした。
ヘルシーなスナック菓子を現役世代が活性化させたという追い風もあり、「しらす煎餅」「ナッツ&フルーツ」「しいたけチップス」など素材をまるごと使った健康おやつが例年以上に人気でした。
これからは若者から発信するおやつだけでなく、ハルメク世代から発信するおやつも出てくるのではないでしょうか。
シニアトレンドの3つの特徴
ハルメク世代のトレンドには3つの特徴がありそうです。まず、社会で起きている現象やトレンドを、ゆるやかに自分の生活に取り入れていくパターンです。「スマ活シニア」「推しで若返り」「AGE(アゲ)メイク」などが該当します。
次に、「コンパクト終活」のように、世代特有の課題や変化を研ぎ澄ましていくパターン。
そして、「とっくにSDGs」「素材まるごとおやつ」のように、ハルメク世代が昔から行っていた習慣や消費行動を社会が再定義したパターンです。自分たちは流行を生んだという自覚はありませんが、新しいトレンドをつくる礎になっている点が面白いです。
ハルメク世代が自分の余生や次世代の明るい未来を想像してワクワクすることで、今後さらに新しい消費や市場が生まれるといったら妄想が過ぎますでしょうか。人生経験や豊富な知識や人脈に裏付けされたハルメク世代発のトレンドを、若者が追いかける、そんな社会が来る日も遠くないかもしれません。
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