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- 2022年シニア世代のトレンド予測!何が流行する?
雑誌「ハルメク」のシンクタンク「生きかた上手研究所」所長の梅津順江が、ミドル~シニア世代の女性のトレンドを読み解きます。今回は、2022年で流行するものを予測! 覚えておきたい5つキーワードとは?
シニア女性のシンクタンク生きかた上手研究所の所長です
普段から私は、50歳以上の素敵な女性にお会いして(最近はオンラインで画面ごしも増えました)、誌面や商品開発の種になる話を伺ったり、アンケートを介して半歩先の未来を予見したりしています。読者との会話やデータで出てきた驚きや気付き・学び、ハルメク世代の実態や意識、日常の困り事や工夫からトレンドを汲み取ってお伝えしていきます。
2021年で流行することは?
明けましておめでとうございます。今年は、どんな一年になるのでしょうか。
生きかた上手研究所では、2021年末「2021年シニアトレンドの現象」について、8つのトレンドを取り上げました。50代以上のミドル~シニア世代(ハルメク世代)に何が流行るのか、2022年のシニアトレンドについても予測したいと思います。全部で5つあります。
これが来る!その1:プチぜいたく×プチおやつ
2021年、「マリトッツオ」がかわいい見映えと食べ応えで人気となりました。ハルメク世代から「実はマリトッツオのどっしり感は重たくて無理」「もたれてしまう」という話を聞いたことがあります。でも、おやつは楽しみなのでやめられないと言います。現にコロナ禍2年目も1年目に引き続き、おやつの喫食回数は増えています。家でちょっとしたごほうびの時間は大事で、お茶やコーヒーなどと一緒におやつは登場します。
とはいえ、「自粛太りが気になる」という話題は頻出しており、食べ過ぎることへの罪悪感を抱いています。2021年ハルメク通販で販売した、ひとくちで満足できるヘルシーおやつ「ななの和」という商品がありますが、静かな人気を博しています。ひと口で満足できるぜいたくなヘルシーおやつはこの世代の女性に流行ると予測します。
これが来る!その2:リベンジ小旅行×シューズ
50歳以上の女性は、どの世代よりも旅行欲を我慢してきました。長引くコロナ禍でコミュニケーション不足や旅行に行けていないうっぷんが蓄積しているという調査結果もあります。感染状況が落ち着いたら、気持ちが外に向かい、お出掛け欲・旅行欲が再燃すると見ています。
そして、この世代にとって靴はとても大事。「外反母趾(がいはんぼし)」「関節リウマチ」「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」「踵骨棘(しょうこつきょく)」など、足・脚にまつわるトラブルや悩みが多いためです。一生自分の足で歩くために靴にはお金を惜しまない傾向が、これまでもあります。2年前まで履いていた靴が合わなくなった、旅行をきっかけに靴を新調するなど、お出掛け用の靴が売れると予測しています。
これが来る!その3:ポジティブカラー×シーズンフリー
クローゼットには年中同じものがかかっていて、いつでも着ることができる状態になっています。「モノを使い切る」というSDGsの流れもあり、世代に限らず、衣替えしないシーズンレスの流れは来ています。なお、SDGsとは、2015年に国連総会で採択された「人類が地球で暮らし続けていくために2030年までに達成すべき目標」のことで、17の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)があります。
ハルメク通販の2021年12月号で紹介した「イージーケアシンプルセーター」の初速がよいです。生地は厚手の冬物ですが、色味はキレイなパステルカラー。一瞬、「冬に春色を着る?」と見えるかもしれません。
ハルメク顧客は元々ポジティブになれる明るい色が好きなこともありますが、「春まで着られる」をくすぐったことが好調の要因ではないかと分析しています。季節を超える服だったわけです。「長持ちする」「着回せる」「応用できる」など汎用性が高いことは、今後ますますハルメク世代のファッショントレンドとして重視されていくでしょう。
これが来る!その4:シニア×フェムテック
生理痛を改善する器具や月経周期を予測するアプリなどが、若い世代で話題となっています。医療の分野では、女性ホルモンに関する不調などの更年期外来の需要も高まっています。女性の体に合ったいすやテーブルといった性差家具も注目され始めています。
何気なく使う家具や日常生活で身に着ける服も女性のカラダを研究して作られていけば、姿勢も整っていつまでも美しさを保てます。女性特有の健康課題に挑むテクノロジーや性差医療の領域はますます活性化するでしょう。当研究所では、更年期後の世代特有の女性の体の変化に注目していきます。
これが来る!その5:健康寿命+貢献寿命
塩分や糖質を控えタンパク質を摂る、不足しがちな栄養素はサプリメントで補う、毎日身体を動かすことを心がけるなど、健康寿命を延ばすことを自分でデザインする時代になりました。大病を患わないように自己管理して、人生時間や老化速度は自分で決めるというわけです。予防意識を高め自らで健康寿命を延ばそうという取り組みはこれまでも言われてきました。これからのハルメク世代にとってwell-being(幸せ)なライフスタイルとはどのようなものでしょうか。
それは身体的にも精神的にも、さらには社会的にも「誰かの役に立つ」ということが満たされた状態。50代以上のハルメク世代にはこれまで培ってきた「経験・知識」「人脈」という強みがあります。それに上達しつつある「デジタル進化」が加われば、社会で活躍する50歳以上が増えます。寿命だけでなく、社会参加もセルフデザインして貢献寿命を延ばしてこそ、幸せな人生設計が描けるのではないでしょうか。なお、社会で役に立つ時間を少しでも長く持ち続けること、それを「『貢献寿命』を伸ばす」と表現できるのではないかと考えています。
「リベンジ小旅行×シューズ」は社会変化への反動、「シニア×フェムテック」「健康寿命+貢献寿命」は世代の課題や変化を記号化、「ポジティブカラー×シーズンフリー」「プチぜいたく×プチおやつ」は若者で起こっている現象を派生させたものです。
新しいトレンドが突然やってくるというより、2021年の流れをくみながらゆっくりブームが訪れるというイメージ。スピード感はありませんが、昇華や派生をさせながら持続型の市場やトレンドを形成していくのが特徴と見ています。これからも微差を見逃さずに、ハルメク世代を見つめていきたいと思っています。
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