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公開日:2025年03月31日
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座第9期第6回
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクの通信制エッセー講座。第9期も6回目、さいごのテーマは「駅」です。クマジさんの作品「次の一手」と山本さんの講評です。
オレオレ詐欺にあったのは2年前のこと。
単身赴任をしている息子だと信じて会話し「携帯電話・カバンを紛失し、会社のカードの返済をしなければいけない……」と言われ、あわててお金を用意し、自宅のポストに150万円入れて私が留守のときにまんまとそれを取られた。その後、防犯カメラを設置した。
先日、刑事が2人やって来た。近所で空巣があって逃げた犯人の足どりを調べているので防犯カメラの履歴を確認したいと言う。
2つ折りの警察手帳を取り出し開くと、キラキラ光る紋章の下に写真と名前・所属が印刷されていた。堂々としているので反対にあやしいのではと思い、私は言う。
「本物の警察手帳を見たことがないので、これが本物かどうか私にはわかりかねます……」
「もっともですネ。私の名刺も出しますので電話で確認してもらっても結構です」と言う。
そして、2人の名刺を受取る。それほどまで言うのなら本物かも知れないと思い、家に入ってもらう。
防犯カメラを見て、私はあまり使いこなせていないので操作方法はよくわからないと言うと、いろいろとボタンを押して正常に作動できるように操作してくれた。結局、履歴は入力されておらず役に立たなかった。2人は帰って行った。
思い返せば2人の刑事は玄関から2階のリビングにあがり、家全体の間取りを見ていた。名刺ももらったけれど本当の刑事だったのか、あのとき電話で確認すべきだったのかと今も思うのである。
オレオレ詐欺に簡単に引っかかる高齢者の住まいを見て、刑事でなかったら次はどんな手を打ってくるのだろうと考えると不安になる。
受取った2枚の名刺を眺めて、今からでも警察署に電話して、こういうことがあったので本人たちかどうか聞いてみようかと思いはじめている。
「クマジ」という書き手の魅力は、正直なところです。
この作品からも、それが伝わると思います。
本作には、正直さに加えてユーモアがあります。もっともそれは創作の上での計算から生まれたものでなく、ご性格から滲みだすものかもしれません。
正直+ユーモアは、つよいなと、感心させられています。
受取った2枚の名刺を眺めて、今からでも警察に電話して、こういうことのがあったので本人たちかどうか聞いてみようかと思いはじめている。
さっぱりとした口調(書きぶり)で大切なことを伝えてくださいました。どうもありがとうございました。
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は講座の受講期間の半年間、毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。
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