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NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」にも作品が登場
教えて杉野先生!押し花アートは「色褪せない記憶」
一般社団法人 世界押花芸術協会 会長
杉野宣雄
公開日:2023.08.04
生花のような鮮やかな色合いとみずみずしさをそのまま残せる押し花アート。花好きの人の趣味としても人気を集めています。今回はその第一人者で、NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の押し花制作にも協力している杉野宣雄さんにその魅力を伺いました。
杉野宣雄さんプロフィール
すぎの・のぶお 日本を代表する押し花作家。一般社団法人世界押花芸術協会会長。英国押花クラフトギルド名誉会員。1998年の長野冬季五輪、2021年の東京五輪のメダリストのビクトリーブーケを押し花にして贈る。作品がNHK「趣味の園芸」のオープニング動画に登場した他、「あさイチ」「おしゃれ工房」「趣味悠々」などにも出演。
2023年4月から放送中のNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」では、作品のキーアイテムである押し花の制作協力をされています。花そのものの自然の色とみずみずしさを保ちながら、その美しさを長く楽しめるのが、杉野さんの押し花アートの魅力です。
創作活動や展示会の他、普及活動や後進の指導にも精力的で、各地で講座やワークショップ、イベントなども多く開催されています。
三代に渡って引き継がれる「押し花」への想い
「私の祖父の辰雄は植物学者、父の俊幸は科学者でした。祖父が採集した植物の押し花標本を、『どうにか自然の色のまま残したい』と父が試行錯誤。そうして開発された技術から誕生したのが、郵便局のあの『押し花電報』です」と杉野さんは振り返ります。
父が開発したこの技術を、さらに進化させ「押し花アート」として発展させた宣雄さん。このように親子三代にわたって、押し花への想いは引き継がれてきました。
祖父と父の思い出の草花・植物を「生きていた姿のまま思い出とともに残したい……」。そんな想いから生まれた杉野さんの「押し花アート」だからこそ、たくさんの人々を魅了するのかもしれませんね。
ちなみに祖父の辰雄さんが、ドラマ「らんまん」の主人公のモデルである牧野富太郎さんとも懇意にしていたご縁もあり、「らんまん」の押し花制作協力にもつながったようです。
「押し花アート」は思い出や記憶を残すこと
美しく咲く花を見つけ、その姿のまま手元に残したいと本に挟んだものの、結局は色が褪せて、枯れてしまって終わり……。それが押し花の一般的なイメージかもしれませんね。それが、まるで摘み立てのような鮮やかさとみずみずしさを実現しているのが、杉野さんの押し花アート。
その押し花アートを始めたときの想いについて杉野さんは次のように話されています。
「草花には、その瞬間に出会った思い出や記憶が伴っています。そのときの色のまま手元におき、草花だけでなく、『そのときの』草花にまつわる思い出、驚き、感動などを半永久的に残しておけたら、どんなに素敵だろう。それが押し花アートを始めたときの最初の想いでした」
杉野さんはこの想いを叶えるために、押し花を退色させない技術を開発しました。
「初心者の方でも、どなたでも手軽に『色褪せない押し花づくり』が楽しめるように、花の色が褪せない技術を考えました。世の中にはいろいろな手芸がありますが、押し花アートは、本物の花を使ってデザインするのが醍醐味。みなさんにもぜひ、この“新しい押し花”に触れて、あらためて花の美しさを知ってほしいですね」
また、押し花アートでは、手先を使ったり、デザインを考えたりするので、ちょっとした脳トレにもなるかもしれませんね。初心者でも簡単に取り組めるので、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。
取材協力:杉野宣雄の押し花アート
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4月と7月に実施した「押し花アート」体験会が大好評だったことを受け、「押し花アート」を本格的に学べる「ハルメク 押し花アート講座」を9月から開講することになりました。ご興味のある方、この機会に是非ご参加ください。
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