年末年始は胸熱ヒューマンドラマ!

感動する映画5選!心揺さぶる実話がベース

公開日:2022.12.29

更新日:2023.12.25

【実話ベースの映画1】オリンピックの知られざる胸熱な舞台裏!「ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜」

ウインタースポーツが盛り上がるこの季節にぜひ見ていただきたいのが、田中圭、土屋太鳳、山田裕貴ら豪華キャストが共演した「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」(2021年)です。

本作は、1998年長野オリンピックでの男子スキージャンプ・ラージヒル団体決勝時の知られざるドラマを描く感動作。でも、田中さんが演じる主人公は、まぶしいスポットライトを浴びる選手ではなく、今大会で代表から落選し、テストジャンパーとして参加した西方仁也です。そう、本作はタイトルが示す通り、大会の表舞台ではなく舞台裏を描いています。

きっとハルメク世代なら、長野五輪で、日本スキージャンプが団体で金メダルを獲得し、日本中が歓喜に包まれたことを覚えているのでは?でも、この日、ジャンプ台周辺は猛吹雪となり、競技が中断されれば、日本の金メダルの可能性がゼロという状態でした。

競技続行の条件は、25人のテストジャンパー全員が誰一人失敗することなくジャンプを行うこと。そこで、金メダルへの望みを託された西方たち25人は、重責を背負いつつ、荒天の中でジャンプに挑んでいきます。

スター選手たちを陰で支えたテストジャンパーたちの勇姿に思わず感涙。映画を見ると西方たちは、紛れもなく陰のヒーローだったことがわかります。こういう映画こそ、たくさんの方に見ていただきたいです。

ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜

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【実話ベースの映画2】テニス界の最強プレーヤーを育てた父親の計画書に驚嘆!「ドリームプラン」

世界に名を轟かせたテニス界の最強プレーヤー、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹。大坂なおみ選手との熱戦も記憶に新しいですが、彼女たちを育て上げた父親リチャードのアメイジングな子育てとコーチぶりを描いたのが、ウィル・スミス主演映画「ドリームプラン」(2021年)です。

ウィルが演じるリチャードパパは、なんとテニスは経験値ゼロのド素人でした。なぜなら1990年代当時、テニスは富裕層の白人が主体のスポーツだったから。リチャードは、テニスプレーヤーが多額の賞金を受け取った姿を目にしたことをきっかけに、独学でテニスの教育法を研究し、78ページもの計画書“ドリームプラン”を作ります。

厳しくも大きな包容力を持って娘たちに接していく父の愛情にうなる本作。破天荒な子育て方法にのけぞるシーンもありますが、どんなときにも娘たちを守ろうとする父親が本当に頼もしくてカッコいい!

私が心を打たれたのは、試合で勝者となり、舞い上がってしまったビーナスに「勝者も敗者もベストを尽くしたんだ」と、相手へのリスペクトを決して忘れてはいけないと念を押すシーンです。この父にしてこの娘ありだなと、改めて熱いものがこみ上げました。

コーチとしてだけではなく、親としても、人間としても素晴らしいリチャードと、父の夢を背負い、期待に応えた最強の姉妹たち。熱い家族の物語をぜひ堪能して。

ドリームプラン

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【実話ベースの映画3】NASAの歴史的な偉業を陰で支えた女性たちとは?「ドリーム」

米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの偉業を陰で支えた女性たち3人の実話を映画化した「ドリーム」(20 17年)。人種差別や男尊女卑などの問題が色濃く残っていた1960年代に、決してへこたれることなく、ポジティブに生きた3人の物語は、世界を感動の渦に巻き込みました。

米国・バージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所で、ロケットの打ち上げに欠かせない複雑な計算を担う計算手として、優秀な頭脳を発揮した黒人女性たち。リーダー格のドロシー、エンジニアを志すメアリー、宇宙特別研究本部に配属されたキャサリンが、さまざまなトラブルに直面しながら、国家の威信をかけたプロジェクトの一端を担っていきます。

コンピューターの黎明期だったこの時代に、彼女たち計算手の仕事がどれだけプロジェクトに貢献したのかをしっかりと世に知らしめた本作。男性社会の研究所では、トイレに行くのにもひと苦労だったという知られざる実情など、随所に驚きや発見がありました。

また、いろんな差別を受ける中で、ぐっとこらえることもあれば、時には憂さ晴らしもしていくドロシーたちが実に頼もしい本作。エンドクレジットでは、モデルとなった3人の写真も紹介され、つくづく実話の重みを痛感させられました。まさに今を生きる私たちにパワーを与えてくれる一作になっています。

ドリーム

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【実話ベースの映画4】日本中が戦慄した事件をモチーフにしたミステリー「罪の声」

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で役者としての円熟味を見せてくれた小栗旬。映画の近作では、日本アカデミー賞や報知映画賞などで主演男優賞を受賞した映画「罪の声」(2020年)での非常にセンシティブな演技にも注目していただきたいです。

本作で語られるのは昭和の歴史に影を落としたグリコ・森永事件。ハルメク世代なら、日本中を震撼させたこの事件を、リアルに体感として覚えているのでは?原作となった塩田武士の同名小説は、この事件をモチーフに、巧みなフィクションのドラマを生み出している点に感心させられました。

時代は平成で、小栗さんが演じる大日新聞記者の阿久津英士は、既に時効となった昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に入り、事件の真相を追っていきます。

そんな中で出会ったのが星野源さん演じる曽根俊也でした。彼は京都市内でテーラーを営んでいますが、あるカセットテープと父の遺品のノートから、もしかして父親が事件に関与したかもしれないと不安を抱くことに。

小栗さんと星野さんという二大スターの熱演はもちろん、当時の重苦しい空気感を見事に映し出した土井裕泰監督の演出も冴えわたる本作。ある人物がほとばしる感情を抑えきれず、苦しかった胸の内を吐露するシーンでは、涙のダムが決壊しそう。非常に見応えのある濃厚な人間ドラマをとくとご覧あれ。

罪の声

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【実話ベースの映画5】奇跡を信じ、愛することを諦めなかった二人に感動!「8年越しの花嫁」

佐藤健と土屋太鳳のW主演で感動の実話を描く映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(20 17年)は、ビジュアルとタイトルを目にしただけで、ハンカチをスタンバイしてしまいそう。主演の二人も心して臨んだという本作は、やはり涙なくして見られない映画となりました。

結婚式を間近に控えた尚志(佐藤)と麻衣(土屋)のカップル。ところがある日、麻衣が突然病に倒れ、意識不明の状態となります。尚志や家族が麻衣の回復を信じ続ける中で、麻衣はようやく目を覚ましますが、そこからさらなる過酷な試練が二人を待ち受けていました。

実話ということで、モデルとなったお二人のドキュメンタリー映像を見て役づくりをしたという土屋さんと佐藤さんは、とても真摯に役と向き合いました。土屋さんは、闘病のシーンにて4時間かけての特殊メイクに挑み、女優魂を発揮。佐藤さんはイケメンオーラを封じて、恋人が目覚めるのを待ち続ける穏やかな青年になりきりました。

キャッチコピーは「意識の戻らない恋人を、あなたは何年待てますか」でしたが、この問いにすんなり答えられる人なんているでしょうか?見終わった後、人を愛することの素晴らしさや切なさ、尊さをしみじみとかみしめられる一作となっています。

8年越しの花嫁 奇跡の実話

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※この記事は2022年12月の記事を再編集して掲載しています。

■もっと知りたい■

山崎 伸子

やまざき・のぶこ 映画とお酒をこよなく愛するライター&編集者、時々カメラマン。趣味は食べ歩き。名古屋でエリア情報誌の編集長を務めた後、上京してフリーに。映画&ドラマのインタビューやコラム、記者会見の記事などを執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』

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