50代からの女性のための人生相談・153

人生相談:夫婦のスキンシップを復活させたい…

岡野あつこ
回答者
夫婦問題研究家
岡野あつこ

公開日:2023.09.24

「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。今回は、53歳女性の「いつの間にレスに…夫婦関係は良好だけど、スキンシップができる関係に戻りたい」という相談に夫婦関係カウンセラーの岡野あつこさんがアドバイス。

53歳女性の「夫とのスキンシップ」についての相談

私は53歳、夫は54歳です。最近、息子の勤務先が実家に近くなったので、息子が実家に戻ってきました。

夫とは7年以上のセックスレスですが、何がきっかけでそうなったのかは覚えていません。夫になぜそのような気持ちが無くなったのか聞いてみたい気持ちもありますが、どう聞いたらいいかがわからず、そのままになっています。

私は今でも「体温を感じられる距離感」でありたいと思っているのですが、近寄ると夫は嫌がる気がして近寄れません。「誘っている」と思われるのも嫌ですし……。

夫婦仲は悪くないのですが、スキンシップができる関係に戻るには、どうしたらいいのでしょうか?

(53歳女性・みかちいさん)

岡野さんの回答:息子さんを巻き込んできっかけを作って

岡野さんの回答:息子さんを巻き込んできっかけを作って

夫婦問題カウンセラーの岡野あつこです。

ご夫婦の年齢と、就職して離れていた息子さんが戻ってくるということ。それらの時系列から想像すると、7年前は息子さんの大学受験や大学生になった頃、ご夫婦も40代半ば過ぎで体力の衰えや更年期に近い症状が出てきたり、体調に変化が出てくる時期でもあったのではないでしょうか。

大学受験を控える息子さんが同じ家にいるということで、そういう雰囲気もなくなっていた時期だったのかもしれません。

母親というのは息子が大人になっていけばいくほど、息子に頼りがいを感じ、夫から気持ちが離れてしまうことも多かったりもします。そんな時期に何が原因かはわからないけれども、セックスレスになってお互いに改善せず、そのままにしてきてしまったのでしょう。

そんな中でみかちいさんは、理由を聞いて女性としてのプライドが保てなくなるのも怖くて聞き出せないと、何か不安で寂しい思いにずっと駆られていたのでしょう。

スキンシップだけでもいいので夫との関係性をより良くしたい、体温を感じる距離感にいたい、そんな素直な女性らしいみかちいさんの内なる声が聞こえてきます。

夫婦仲は悪くないけども、女性として愛されてるという自信が持てない、もやもやして言い出せない、行動に起こせない毎日……。年を重ねるごとに問題は大きくなっていきます。

だからこそ、つながりや温度を感じるスキンシップはとっても大切です。例えば玄関でいってらっしゃいと言って送り出すとき、背中をポンと叩く、なでる。テレビで野球、バスケットボールで応援するチームが得点したり、勝ったりすれば手を叩き合うとか。

体をくっつけて触って大喜びするなど、こんなこともスキンシップ入門の一つ。「喜びを分かち合う」「気持ちを伝え合う」、スキンシップをする第一歩としてまずはそこから始めてみましょう。

非日常でスキンシップの「きっかけ」を

非日常でスキンシップの「きっかけ」を

距離感を縮めていく早い方法は息子さんも巻き込んで、共通の趣味や話題を作って、スポーツや音楽で試合観戦、コンサートに行く、テレビで応援をするなど、体を使って表現してスキンシップの練習をしてくことです。

息子さんに協力してもらい、両親への労いと感謝という理由で近場の温泉1泊旅行とか、お食事券とか息子さんからのプレゼントとして用意してもらい、お出掛けするのもいいかもしれません。

例えばカウンターのあるレストランでは距離が近い分、「これおいしいね」と言って肩を叩いたり膝に手を当てたり、自然なスキンシップができると思います。

温泉旅行に行って露天風呂や大浴場に向かう廊下で、並んで歩いたり寄り添ったりするのもスキンシップです。

自然に囲まれた山道や慣れない道を二人で歩くと、自然と手をつないだりするスキンシップができたりします。

とにかくスキンシップにつながるようなきっかけを、努力してつくることが大事です。スキンシップのコツがわかって自然にできるようになってきたら、次の段階に進みましょう!

第二ステップは「自分から誘ってみる」ことも大切

第二段階は「自分から誘ってみる」ことも大切

次は、誘ってると思われるのも嫌……と言っていないで、みかちいさんの方から誘ってみましょう! そんな行動もたまには必要だと思います。勇気を持ちましょう!

まずウォーミングアップとして、いつも素敵な奥さんでいることを心掛けてください。「今日はちょっとかわいいな」「ちょっとセクシーじゃないか?」「エレガントだな~」などなど……そんな雰囲気のみかちいさんを、夫にプレゼン(アピール)しておきましょう。

夫が奥さんに対して少しでも優しくなったり興味を持つようになったらしめたものです。

近寄ったり誘ったりして断られても、めげなくていいと思います。もし仮に嫌がられたり断られても「今日は私の気持ちをちょっとシャイで受け取れなかったのね」と明るく、めげないでください。諦めずまたに誘ってみるのもいいと思います。年齢がいってくると若い頃とは違い、男性の方が女性を誘いにくくなったりしますから。

歩くときに同じ距離感で歩けたら「手をつなぎたいな」とか、出掛けに気分もよく時間がとれるときは「ハグしてほしいな」とか、言葉にして素直にかわいく表現したら相手も案外早いうちにスキンシップに応じてくれると思います。

“論より証拠”です!まずは実践してみてくださいね。

回答者プロフィール:岡野あつこさん

岡野あつこさん

おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、電子書籍『離婚診断』(アデル出版)がある。

離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル


50代からの人生相談一覧を読む

【ラジオドラマ】50代から恋に落ちて~56歳、サトミの場合~

【ラジオドラマ】50代から恋に落ちて~56歳、サトミの場合~
↑ラジオドラマを聞くには画像をクリック

主人公は、平凡な毎日を送ってきた専業主婦の56歳サトミ。結婚して28年、「もう恋愛には縁がない」と思っていた彼女が、ふとしたきっかけで数十年ぶりに激しい恋に落ちていく…。

>>ラジオドラマ「50代から恋に落ちて~56歳、サトミの場合~」はコチラ

専門家に相談したい質問を募集中です!

連載「50代からの女性のための人生相談」では、専門家の方に相談したい内容を募集中です。下記応募フォームに、人間関係や老後の生き方、お金や介護、恋愛についてなど、相談したい内容を書いてお送りください。

応募はこちら

ハルメク365編集部

女性誌No.1「ハルメク」の公式サイト。50代からの女性の毎日を応援する「観る・聴く・学ぶ・つながる」体験型コンテンツをお届けします。
会員登録をすれば、会員限定動画を始めさまざまな特典が楽しめます!

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

みんなのQ&A みんなのQ&A

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事