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- シニアに広がる「推し活」イマドキ事情
雑誌「ハルメク」のシンクタンク「生きかた上手研究所」所長の梅津順江が、ミドル~シニア世代の女性のトレンドを読み解きます。今回は50~81歳の女性に「推し活」に関する意識と実態を調査。今どきの「推し活」のリアルな傾向が見えてきました。
50代以上女性の約50%は「推し」がいる!
好きなものを隠さずに思い切り愛でて楽しめる時代になりました。推しをさまざまな形で応援する活動「推し活」はシニア女性にも広がっています。みなさんは、「推し活」していますか?
ハルメク生きかた上手研究所は、コロナ禍の行動制限が緩和される中で、推し活がどう変化しているかを把握するため、50~81歳の女性461人を対象に、「シニアの推しに関する実態調査」を実施しました(2023年6月9日~12日実施)。
50歳以上女性で現在「推し」のいる割合は、35.2%(2022年)から約13ポイント増え、47.9%となりました。
2022年6月にも、50~84歳女性559人を対象にアンケートを実施しており、35.2%という数字に「案外と多い」という印象を受けましたが、2023年はさらに増加し約半数に。
ミドル~シニア女性に「推し活」が「浸透した」「定着した」といってよいのではないでしょうか。
現在の「推し」の有無
「推し」に費やすお金|7割強が年間約10万円!?
今回、「推し」への思いが強まっているのと比例して、「推し活」に使う費用も増加傾向にあることが明らかになりました。
現在「推し」がいる221人中、「推しにお金を使っている」のは72.4%(163人)で、2022年の69.5%から約3ポイント増加しています。さらに「推し」に費やす平均金額は年間で10万2883円。昨年が9万352円だったので、1万2531円アップしています。
2023年に見る、4つの推し方
シニア女性の「推し活」。2022年に比べ、行動やコミュニケーション、パターンなどが多様になり、活動に幅が出てきました。主に「複数推し」「箱推し」「長推し」「メジャー推し」の4つの傾向が見られます。代表的なコメントを一部紹介します。
◆複数推し
「推しの一人は藤木直人さん。ドラマを全部観る、出演情報をファンクラブで得る。もう一つはグループで三代目J SOUL BROTHERS。ファンクラブはもちろん、ライブは絶対行きます!声出しができなかったライブも参戦、ライブができなかったときのオンラインライブも全部参戦。CD、DVD、グッズはもちろん購入。LDHの街・中目黒まで行ってお店にも行っています。老若男女問わず人気があるので職場の若者や主婦の方とも“三代目”交流があったりして会話も増えて楽しいです。三代目のおかげ!」(54歳)
◆箱推し
キンプリ。今年の春、とてもつらい日々を過ごしていた時期に偶然TikTok(ティックトック)で5人の姿を見て、声を出して笑っていることに気付いた。気分を変えるキッカケとなり、すっかりハマったが、バラエティーで盛り上がるメンバーが抜けてしまい寂しい。残った2人のメンバーを応援しつつ過去の映像で癒やされている。(55歳)
◆長推し
「歌手の野口五郎さん。50年前からのファンで、年1回はコンサートにも参加しています。昔では考えられなかったブログへの参加など、ツールなどもあり、いろいろな面から応援しています」(64歳)
◆メジャー推し
「大谷翔平。WBC優勝でさらに注目するようになり来月アナハイムへ観戦に行く。元々、海外ひとり旅行が趣味なので、現地で本物を見なければと心が騒いでいる。爽やかで育ちがよく闘志がありストイックな生活ができる男の子は見たことがない。知るほど好きになる…孫みたいな年齢ですけど (笑)」(70歳)
みなさんの場合は、どのパターンが当てはまるでしょうか。
「推し」がいる人の方が幸福度が高い
「推し」がいる人は、お金や時間を惜しまず推し活をすることで、自らの生活や人生が充実しています。
推しがいることの利点は、「活力、元気をもらえる」「楽しい時間が増える」「生活にハリが出る」「人生が豊かになる」「感動を得られる、幸せな気持ちになれる」が上位で、いずれも6割を超えています。
「推し」がいることの利点
また、幸福度も高くなっています。
10点満点で幸福度を聞いたところ、推しがいる人(221人)のウエイト平均値は8.05と、推しがいない人(223人)の7.81を上回りました。
「推しがいる人ほど幸せ」な傾向は、数字でも裏付けられました。
「推し活」ブームは景気も良くする?
3年続いたコロナ禍でデジタルによる推し活が盛んになりました。
行動制限がなくなった今、リアルな活動にも意欲的なシニア女性の推し活は、デジタルとリアルの両輪で、ますます膨らんでいくことでしょう。
シニア女性の推し活が、日本経済活動の活性化のきっかけになるのではないか、といったら大げさでしょうか。
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