公開日:2021/01/20
バラ栽培のコツや花に囲まれた暮らしを発信するブログが人気のバラ愛好家・奥野多佳子さん。冬はバラの剪定と誘引に大忙しですが、彩りも欲しい季節。今手に入る芽出し球根で、ハッピーカラーの寄せ植えを作ってみませんか。
今年は何度も寒波がきて本当に寒い冬です。そして新型コロナの感染も先が見えなくて、自粛生活もどうなるんだろう……と新年早々考えてしまいます。
でも庭に目を向けると、いくら寒くてもコロナ禍でも、植物たちはいつもと変わらず自分たちのライフサイクルを悠然としたリズムで刻んでいます。なんだかそんな力強さに励まされながら、今年もまたバラの剪定を始めました。
冷たい風が吹いても雪が降り出しても毎年毎年続けているのは、「育てる」という使命感だけではなく、無条件でバラが好きなんだな~と思えます。春に満開に咲く庭の風景を思い描く楽しみを知ってしまうと、もうこれはなかなかやめられません(笑)
そうして剪定や誘引をしていると、今まであったバラの葉もなくなり、庭は色をなくします。一年で一番寂しい庭……そんな時期に鮮やかに咲いているのが「芽出し球根」です。
12月の末頃から園芸店に並び始めますが、花芽が出た状態でポットに入って売られている球根です。少しお高いですが、球根から植えるよりも確実に咲かせることができて、普通より早く寒い時から咲き始めるので花を長く楽しめるメリットがあります。
と言っても、今花が咲いている芽出し球根って、スイセンやアネモネくらいなんですが、今月はその芽出し球根を使って寄せ植えを作ってみました。色のない庭やお部屋に置くと、春を先取りしたように華やかになります。
優しい雰囲気で咲くアネモネと、淡いピンクのプリムラやビオラでふんわりした寄せ植え。白いヒヤシンスが咲くとまた違った雰囲気になります。
■用意するもの
マラコイデスは花付が良く、ちょっとアンティークな雰囲気でとてもかわいい花です。4月末くらいまでよく咲くので、寄せ植えを解体してもそのまま鉢か庭に植えるとたわわに咲いてくれます。
■作り方
1.ビニールの袋をカゴの内側に入れてホッチキスで止めて形を作り、底に小さな穴を3か所あけます。カゴの高さより少し高い位置で切っておいて、はみ出した部分を後で切ります。
2.ビニールを敷いたカゴに鉢底石を高さ1cmほど入れ、土を入れます。
3.一番後ろに、プリムラマラコイデスを置きます。
4.アネモネの球根は鉢からそっと出し、肩の土を取ってプリムラの前に置きます。
5.ヒヤシンスの球根を鉢から出し、3つをそっとほぐし、1つだけ使います。
あとの2つはそのまま土を入れた鉢に植えるか、土をそっと洗い流し水耕栽培して部屋に置いても楽しめます。記事の最後にご紹介します。
6.ヒヤシンスの球根を中央に置き、土の上に球根が出るように土をかぶせます。
7.一番手前にビオラを置き、隙間に土を入れ水をかけたら出来上がりです。
■管理の仕方
水は土が乾いてから1~2日してたっぷり底から流れるくらいあげます。お日さまによく当てるとアネモネやプリムラの蕾(つぼみ)がどんどん上がってきて咲くので、中央の白いヒヤシンスも咲くと賑やかになります。
でも、エアコンの効いた部屋に置くと、アネモネはすぐに開ききって散ってしまうので、なるべくおうちの中の寒い場所に置く方が花が長持ちします。花後アネモネは、庭や鉢に植えておくと来年も咲いてくれます。
スイセンを、買ってきたポットのまま植えこむ……土を使わない超簡単な寄せ植えです。
ビタミンカラーが元気をくれます。
■用意するもの
テータテート(Tete a tete)は、「テート」が古いフランス語の「頭」という意味だそうで、頭を寄せ合って内緒話をする……群生する花の姿を例えているそうです。「ティタティタ」「チタチタ」などいろいろ呼ばれていますよね。
■作り方
1.ホーローのお鍋にロストルを敷き、鉢底石を高さ1~2cm置きます。ロストルが底から1cmほど上がっているので、水やりをするとその隙間に落ちます。
2.買ってきたプラ鉢のまま置くだけですが、今回は高さを低くするためにプラ鉢の上から2~3cmをぐる~とハサミで切りました。
私はプラ鉢を切るのは慣れていますが、もし…固くてハサミで切れなかったりスイセンを傷つけそうだったら、鉢からスポッと抜いてそのまま高さの低いポリポットに植え替えましょう。
3.スイセンの鉢を3つ置きます。
4.その隙間3か所にコクリュウを置きます。
5.隙間を鉢底石で埋めて、上にココヤシを敷いていきます。
ココヤシがまとまらないとボサボサな感じになるので、中央を少し高く、周囲は押し込むようにお鍋の内側の色が少し見えるくらいに敷くと、きちんと感が出ます。はみ出しているココヤシをハサミで切って整えて、出来上がりです。
鉢を置いただけには見えなくて(笑)お庭で咲いている雰囲気に仕上がりました。
後ろに 庭木の剪定枝を切って挿すと雰囲気が出ますね。
■管理の仕方
スイセンは寒い場所の方が安定するので 屋外の軒下に置いても大丈夫です。お部屋の中で楽しむときは、おうちの中でも寒い場所の方が花が長もちします。花後はポットから出して庭に植えると、来年は庭で咲いてくれます。
最初にご紹介した「アネモネとヒアシンスの寄せ植え」で残った2つのヒヤシンスですが、土をほぐしてお水でそ~~っと洗いました。球根は根が命!
そしてガラス器に入れて、氷のような透明なプラスチックを入れて固定させました。球根が浸からないくらいまでお水を入れ、ときどき水替えをします。
暖かいお部屋の窓辺に置くとすぐに花が咲き始めました。甘い香りが広がってうれしくなります。先月12月に水耕栽培でガラス器に置いたヒヤシンスの球根(写真の奥)は、根が出て小さな芽がちょこんと出たばかり……咲くのはいつも2月の中頃です。
寒い日が続く冬こそ お部屋に花が欲しいですね。お花屋さんではこれからヒヤシンス、ムスカリ、フリージア、クロッカス、チューリップなど、いろんな種類の花が咲いた球根が店頭に並びます。見つけたらいろいろ組み合わせて、春色を先取りしてくださいね。
■もっと知りたい■
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