菅沼薫さんに聞く、50代からのメイク術

美人に見えるファンデーションの塗り方とは?

公開日:2018.12.26

更新日:2024.07.03

ファンデーション特集、第三弾。せっかく商品にこだわっても、塗り方が間違っていてはせっかくのファンデーションが台無しです。そこで今回は、意外と知られていない⁉ ファンデーションの塗り方と、色選びのポイントを教えてもらいました。

ファンデーションは中高に見えるように塗る、が基本

前回の記事はこちら「(20)50代からのファンデーション選びのポイント

すっと鼻すじの通った、中高(なかだか)の面立ちは、立体的でキレイに見えます。美人とか、可愛いとされる顔は時代によって変わりますが、この”中高”だけは江戸時代から変わらない美人の条件。

化粧品で顔の造形を中高に変えることはできませんが、ファンデーションの塗り方次第で、中高の顔に見せることはできます。それには「肌色を明るくすると光が当たって高く見え、影の暗い部分ができることでより高さが強調される」という原理を利用します。簡潔に言うと、顔の中央を明るく、外を暗くすることで中高になります。

塗るのはイラストの青い部分。頬は口角とこめかみを線で結び、小鼻より上の部分を中心に塗ります
塗るのはイラストの青い部分。頬は口角とこめかみを線で結び、小鼻より上の部分を中心に塗ります

【中高に仕上げる基本の塗り方】

ファンデーションを(1)の額から(2)の鼻筋、(3)目の下から頬骨の上まで塗った後、外側に広げていきます。広げる時にファンデーションを足してしまうと明るくなってしまうので、スポンジや肌に残ったファンデーションを伸ばすくらいの感覚で広げてください。

小鼻を整え、最後に(4)口の下を明るめにして仕上げます。

鼻の下は、不健康に見えるためくすみをはらう程度に塗りましょう。また、小鼻より下の頬を明るくすると頬がたるんで見えるので気をつけてください。

ファンデーションを塗るときは、スポンジを肌に擦りつけたり、圧をかけて塗りこまないよう注意! あくまでも、肌を覆うイメージで、なでるような優しいタッチを心がけてください。
 

色は肌の色よりワントーン明るめが正解

ファンデーションの色を選ぶときは、頬骨の下の部分で。
ファンデーションの色を選ぶときは、頬骨の下の部分で。

 

50代は肌の黄ぐすみが進んでいるから、色選びは重要です。サンプルを試すとき、手の甲に塗る人がいますが、これは間違い。首は黄色く、頬の上は赤いので、日焼けの少ない頬の下に塗って、合う色を選びましょう。

顔の肌の色は均一ではないから、ちょっと贅沢ですが、元の肌の色と、ワントーン明るめの色の2色揃えるのがオススメです。この場合、最初に顔のまわりに元の肌の色のファンデ−ションを塗って、肌色のムラを消します。次にワントーン明るい色を中高の部分に塗れば、簡単に立体的な顔に仕上がります。

一色だけで仕上げるなら、元の肌の色よりワントーン明るめのものを選んでください。この場合、ファンデーションを顔全体に均一につけるのではなく、中高の部分を塗ったら、あとは外側にグラデーションするようにぼかしていきます。
 

化粧下地の効果でよりキレイに!

化粧下地には、肌の明るさを上げる、毛穴やシミを隠す、ファンデーションのつきをよくして化粧崩れを防ぐなど、様々な役割があります。これらをファンデーションだけでどうにかしようとすると厚塗りになるので、下地をうまく使いましょう。

下地は商品ごとに特徴が明確なので、全体のくすみ、部分的なシミ、目の下のクマなど、悩みにあったものを選んでください。

形状(テクスチャー)は、気にしている部分によって選ぶものが変わってきます。チューブに入った固めのものは、動くけどシワにならないパーツにピンポイントで使います。リキッドタイプで伸びのいい柔らかめのものは、よく動く部分に使います。

下地はその上にファンデーションを塗るという前提で作られているので、ファンデーションと同じブランドのものを選ぶとよいでしょう

次回は、今人気のファンデーションを実際に試しながら、使い方などをお話ししていきます。

取材・文=田中優子

■もっと知りたい■

菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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