胃腸のがんから身を守る20の対策・2

50代女性が知っておきたい!胃がんのリスクと予防

50代女性が知っておきたい!胃がんのリスクと予防

更新日:2024年01月23日

公開日:2020年12月29日

胃がんのリスクと予防
胃がんのリスクと予防

「胃がんは進行が早いので危険」と思っていませんか?「年1回検査をして早期発見できれば、大幅にリスクを下げることができます」と、年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手掛ける医師の近藤さん。胃がんで亡くなるリスクを下げる方法を8つ紹介します。

ピロリ菌の有無を調べると…60〜70代の過半数が感染!

年代別胃がんにかかった人の数
年代別胃がんにかかった人の数(出典:国立がん研究センター「がん情報サービス」2014)

大腸がんの患者数が増加し続けている一方、胃がんの患者数は減少傾向にあります。理由は、胃がんの最大の原因である「ピロリ菌」の感染率が減り続けているからです。

「ピロリ菌は汚染された野菜や井戸水、親から子へ口移しする習慣などから経口感染すると考えられています。上下水道が整備され、知識が広まった現在は感染が減り、10代の感染率は10%程度。とはいえ、60~70代では過半数がピロリ菌に感染していると考えられます」と話すのは、年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手掛ける医師の近藤慎太郎さんです。

まずは一度、ピロリ菌の有無を調べ、感染していたら早めに除菌しましょう。除菌により発がんリスクを3~4割減らせると推測されています。

「胃がん予防に有効なバリウム検査や胃カメラは、自治体のがん検診で受ければ無料~数百円の負担で済みます。せっかく保険料や税金を払っているのに、受けないのはもったいないです」と近藤さん。正しい知識を持ち、積極的に胃がんを防ぎましょう。

胃がんのリスクと予防について、紹介します。 

胃がんのリスクと予防1:野菜不足・塩分過多・タバコはNG

胃がんのリスクと予防:タバコはNG

これまでの疫学調査などで胃がんのリスクを上げる生活習慣として明らかになっているのは、上記の3つ。たばこは肺がんとの関係がよく知られていますが、胃がんのリスクも1.6倍高めます。

胃がんのリスクと予防2:胃がんの人はピロリ菌に一度は感染

ピロリ菌に感染していると必ずがんになるわけではなく、発がんしないのが多数派です。しかし、「実際に胃がんになった人を調べると99%はピロリ菌に感染しているか、過去に感染していたかのどちらかです」(近藤さん)

胃がんのリスクと予防3:ピロリ菌検査は胃カメラと一緒に

ピロリ菌検査には、呼気を調べる方法、血液をとる方法、便や尿をとる方法があります。「感染やがんの見逃しを防ぐには、まず胃カメラを受けてからピロリ菌検査を受けてください」(近藤さん)

胃がんのリスクと予防4:ピロリ菌は薬で除菌できる!

胃がんのリスクと予防:ピロリ菌は薬で除菌できる!

ピロリ菌を除菌するには、胃酸を抑える薬1種類と除菌薬2種類を1週間服用します。

「約9割は1回で除菌できます。失敗したら薬を変えて再び除菌します」(近藤さん)

胃がんのリスクと予防5:除菌後も胃がんの検診は必要

「ピロリ菌を除菌しても、すでに胃の萎縮が進んでいたり、ごく小さながんが発生している場合があるため、胃がんのリスクはゼロにはなりません」と近藤さん。除菌後も、胃がんの検診は必要です。

胃がんのリスクと予防6:胃の検査は「年1回」で大丈夫

胃カメラかバリウム検査を年1回受ければ、胃がんで命を落とす可能性はかなり低くなります。「どちらの検査でもできる状況なら胃カメラをおすすめします」(近藤さん)

胃がんのリスクと予防7:黒い便・みぞおちの痛みに注意!

胃がんのリスクと予防:黒い便・みぞおちの痛みに注意!

「胃がんが進むと病変から出血し、黒っぽい便が出ることがあります」と近藤さん。他の自覚症状として、みぞおちの痛み、吐き気、胸やけなどがあります。ただし、これらは逆流性食道炎や胃潰瘍などでも起こるので、胃がん特有の症状とは言えません。

胃がんのリスクと予防8:早期はほとんど内視鏡で切除可能

「ほとんどの胃がんは、タイミングを逃さず早期発見できれば、内視鏡で切除可能です」と近藤さん。進行していて内視鏡が難しい場合、腹腔鏡手術や開腹手術となります。

「胃がんは進行が早いので危険」と思っている人も多いようですが、年1回検査をして早期発見できれば、大幅にリスクを下げることができます。ここで紹介したポイントに注意して、気になる症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。

教えてくれた人

近藤慎太郎さん

こんどう・しんたろう 近藤しんたろうクリニック院長。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本人間ドック学会専門医など。1972(昭和47)年、東京都生まれ。94年、北海道大学医学部、東京大学医学部大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任後、現職。消化器の専門医として数多くのがん患者を診療。年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手掛ける。最新刊は『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』(さくら舎刊)。

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) イラストレーション=末続あけみ

※この記事は雑誌「ハルメク」2020年1月号に掲載したものを再編集しています。

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