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- 歩けないを乗り越え!50代でヨガインストラクターに
現在も週6回、レッスンを受け持つヨガインストラクターの松尾明子さん。これまでの人生で2回ほど、歩けなくなった経験があると言います。「歩けない」という大変な状況からどのように回復したのか、そして今どんなことを習慣にしているのか伺いました。
ヨガインストラクター松尾明子さん(69歳)プロフィール
まつお・あきこ
ヨガインストラクター歴16年。現在はセントラルスポーツ、スポーツクラブNASでヨガレッスンを受け持つ他、介護予防運動指導員として介護施設や区主催の講座で介護予防クラスも教えている。※年齢は取材時
椎間板ヘルニアが悪化し…52歳で歩けなくなってしまった
「40歳のときに始めたエアロビクスにはまって、インストラクターの資格を取得。競技会にも出場していた」と言う松尾明子さん。「でも競技会に出るために、体が痛くてもごまかすようになって、いつの間にか無理をしていました」
40代後半には椎間板ヘルニアを、そのうちひざも痛め、52歳で「座った状態から立ち上がるのにも支えがないとダメ、歩くこともできなくなってしまいました」
整体に行ったり、ブロック注射をしたりといろいろ試しましたが、「結局は無理な体の使い方をし続けていたせいで、腰痛を悪化させてしまったんです。とはいえ大の運動好きなので、じっとしているのも性に合わなくて……。そこでプールに通い始めました」
プールを選んだ理由は、腰やひざに負担をかけずに体を動かせるため。約1か月トレーニングを続けた結果、こわばっている腰がほぐれ、血流が促されたためか、腰の痛みがだいぶ軽減されたと言います。
「ようやく歩けるようになったら、水泳以外にも体を動かしたいと思い、ヨガを始めました」
エアロビクスに比べたらヨガは簡単にできるだろうと思っていたら、「それが全然。ヨガはまず呼吸を整えてから、ゆっくり時間をかけて体を丁寧にほぐすのが大切なんですが、意外とそれが難しい」
ヨガの魅力にハマり、インストラクターの道へ!
「50歳になるまでは自分がやりたいように動かしていて、多少無理があっても、体がついてきてくれると思っていました。でもそれは間違いで、まずは自分の体に向き合って整えることが大切。年齢とともに体の反応が鈍くなるのは当然なので固まっていたらゆっくりほぐして、動かすための準備に時間をかける。無理をしたなと思ったらいたわることが大切だと気付きました」
62歳で再度、体の転機が訪れます。「歩くときの体重のかけ方のクセで、外反母趾がひどくなってしまって。今後のことを考えて手術をすることにしました」
手術をすれば快適に歩けると思っていた松尾さんですが、「手術後、しばらく歩かないうちに足裏の感覚がなくなってしまい、どうやって歩いたらいいかわからなくなってしまったんです」
タオルでリハビリ!再び歩けるように
そこで、スポーツクラブのインストラクターに相談し、まずは足裏でタオルをつかむ“タオルギャザー”からリハビリを始めました。
「これまではそんなに足裏が大事と思っていなくて、タオルギャザーで歩けるようになる? と半信半疑でしたが、とても効果的でした」
タオルギャザーで足裏の感覚を取り戻し、まずは両足で立つ、そして片方の足を上げて、かかとからつま先までゆっくり地面につけていく……そのようなリハビリを日々繰り返し、再び歩けるようになった松尾さん。
「足裏のアーチが崩れてしまっているので、今は足のトレーニングを意識して行っています。そして、腰やひざと同じように、毎日いたわりながらストレッチすることを欠かしません。一生この足で歩いていたいですから」
次回は、松尾さんの体を支える生活習慣とタオルを使ったエクササイズを紹介します。
取材・文=三橋桃子(ハルメク編集部)、写真=中西裕人、ヘアメイク=木村三喜
※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年2月号を再編集しています。
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