ほうれい線の原因と6つの対策丨セルフチェックも紹介

2023年12月13日

ほうれい線を消すマッサージでたるみ撃退!

ほうれい線の原因と6つの対策丨セルフチェックも紹介

ふとした時に、自分のたるんだ横顔を鏡で見て愕然……。老けて見える「ほうれい線」は、早めのケアが肝心です。まずはほうれい線の危険度を「歯茎が見えるか」でセルフチェック! 「リガメントほぐし」を含めた6つのほうれい線対策をご紹介します。

監修者プロフィール:小松 磨史さん(みずほクリニック 院長)

監修者プロフィール:みずほクリニック 院長 小松 磨史(こまつ きよし)先生

こまつ・きよし みずほクリニック院長。札幌医科大学卒業、札幌医科大学・形成外科入局。札幌医科大学・大学院卒業、医学博士取得。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)。札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大手美容形成外科入職(院長歴任)をへて、みずほクリニックを開院。
日本形成外科学会・形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士。

こんなに老けて見えるの!? ほうれい線とは?

ほうれい線とは、小鼻と口角を結ぶ線のことを指します。ほうれい線は誰にでもあるものですが、目立ちやすさは人によっても異なり、加齢によって少しずつ深くなっていくことが一般的です。

ほうれい線があるだけで、顔の印象は大きく変わります。下のイラストを見てみましょう。左はほうれい線があるイラスト、右はほうれい線のないイラストです。

ほうれい線の比較イラスト

口元にほうれい線があるだけで、急に老けた印象になります。ほうれい線は何もせずに改善することはないため、気になり始めたそのときがケアを始めるタイミングです。

ほうれい線のセルフチェック

ほうれい線のセルフチェックのやり方

ほうれい線の危険度はどのくらいか、簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

鏡を持って、上の歯で唇を噛んだまま、上唇を持ち上げてみましょう。このとき、歯茎がしっかり見えるほど上唇が持ち上がるかどうかがポイントです。

上唇があまり持ち上がらず、歯茎が見えない人は口輪筋や上唇挙筋、口角挙筋など口まわりの筋肉が弱っている可能性があります。

今はまだ目立っていない場合でも、将来的にほうれい線が深くなってしまうかもしれないため、早めのケアがおすすめです。

ほうれい線ができる・深くなる原因

ほうれい線ができる・深くなる原因

ほうれい線ができる、深くなる原因はいくつかあります。ここからは原因について、詳しく見ていきましょう。

リガメント(靭帯)の衰え

「リガメント」とは、靱帯のことで、顔の骨と筋肉・筋膜・脂肪・皮膚をつなぎ止めている細い紐状の線維組織です。

顔の数か所にあり、たるみやシワを予防してくれているリガメントが加齢やストレスなどによって硬くなったり、伸びて緩むと、皮膚や脂肪を支えきれなくなり、皮膚にタルミやシワを生じさせます。

リガメントの衰えは、ほうれい線の大きな原因とも言われているので、しっかりケアしたい部分です。

表情筋の衰え

表情を作るときに使う筋肉である表情筋は、肌を支える役割も担っています。表情筋を使う機会が少ない人や、表情が乏しい人は、加齢とともに顔全体の筋肉のゆるみが起こり、頬の筋肉が下がりやすくなってしまいます。

表情筋のトレーニングやエクササイズのつもりで、口角を上げることを意識すれば、ほうれい線の他にもマリオネットライン(口角の両脇から下に伸びる深い溝ジワ)の予防にもつながり、表情もパッと明るくなりますよ。

加齢による口元・頬のたるみ

加齢によって肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンが減少するとハリが失われ、口元や頬にたるみが出てきます。

口元や頬のたるみがあるとほうれい線が目立ちやすくなり、深いシワとして定着してしまう可能性も。

また、急激な体重の増減も皮膚がたるむ原因になります。運動不足や暴飲暴食に注意し、たるみが起こらないようにしましょう。

真皮層のコラーゲンの減少

真皮層にあるコラーゲンやエラスチンは、肌のハリを保つ大切な成分です。肌を支えているこれらの成分が減少すると、肌のたるみが進行していきます。

加齢の他にも、紫外線による破壊や変性もコラーゲンやエラスチンが減少する理由の一つです。

肌の乾燥

肌の乾燥も、ほうれい線を深くしてしまう原因です。ほうれい線の目立ち方が日によって違って見えるという人や、乾燥する時期になるとほうれい線が深くなるという人は、乾燥が大きな原因になっているかもしれません。

小鼻の端と口角でつながったほうれい線は、表情を作るときに連動して動きます。肌に十分水分があり、うるおっていればシワは残りにくいものの、肌が乾燥していると、表情を作ったときにシワが深く刻まれてしまいます。

歯の食いしばり

ほうれい線の意外な原因が、歯の食いしばりです。

歯を食いしばるときには主に側頭筋と咬筋という2つの筋肉が使われています。この筋肉が硬くなると血液がリンパの流れが悪くなり、ほうれい線が目立つようになったり、エラ張りやむくみで顔が大きくなったりする可能性が。

美容面だけではなく、顎関節や歯の不調、首や肩の凝りなど健康面にも影響があります。

歯の食いしばりは、自分でもまったく気づかないうちに癖になっていることもあるため、注意しましょう。

間違ったスキンケア方法

肌をきれいに保つために大切なスキンケアですが、方法を間違うと逆効果となってしまうこともあります。

皮脂が気になるからと何度も洗顔をしたり、クレンジングのときにゴシゴシこすったり。スキンケアのやり過ぎは角質層を傷つけてしまい、シワの原因となってしまいます。

ほうれい線ができやすい・目立ちやすい人の特徴

ほうれい線ができやすい・目立ちやすい人の特徴

ここからは、ほうれい線ができやすい人、目立ちやすい人の特徴をご紹介します。当てはまるものがあった場合は、ぜひこれから注意してみてください。

肌が乾燥しがち

肌の乾燥はほうれい線を悪化させる原因の一つです。乾燥肌の人や、紫外線を浴びる機会の多い人、紫外線対策をしていない人は肌が乾燥しがちになり、ほうれい線が目立ちやすくなります。

その他、食生活の乱れや喫煙も乾燥の原因になります。

食事のとき片側ばかりで噛むことが多い

食事のときに片側ばかりで噛んでいると、一方の筋肉ばかりが使われている状態になります。すると、普段使われない反対側の筋肉が衰えてしまい、ほうれい線を引き起こしてしまうのです。

このような偏った噛み癖があると、ほうれい線だけではなく顔全体の歪みにもつながるため、注意しましょう。

噛むことは、毎日自然に行っている顔の筋トレのようなもの。左右バランスよく噛むことを心掛けてください。

下を向いての作業や、片方ばかり向いて寝ることが多い

ほうれい線は、頬のたるみによって悪化します。下を向いて作業することが多い人の場合、重力によって頬がたるみ、シワが深く刻まれてしまうことに。

また、片方ばかりを向いて寝ることが多い人も注意が必要です。たるみやシワを防ぐためには、できるだけ仰向けで眠るようにするといいでしょう。

ほうれい線を改善・予防する6つの対策方法

ここからは、ほうれい線の改善や予防に役立つ6つの対策をご紹介します。

1:ほうれい線を消すマッサージ「リガメントほぐし」

リガメントほぐし」は、頰骨のリガメントを親指で押し上げるだけで簡単にできるマッサージ方法です。

ほうれい線の大きな原因であるリガメントをほぐして、たるみの改善・予防につなげましょう。

リガメントほぐし

リガメントほぐしのやり方は簡単で、写真のAからBに向かって親指で斜めに押していくだけ。1か所につき3秒ほど、痛気持ちいいくらいの強さで圧迫しましょう。

2:スキンケア

ほうれい線は乾燥で悪化します。肌を乾燥させないよう、スキンケアでしっかり保湿しましょう。

ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲン配合のスキンケア化粧品や、シワ改善効果のあるクリームなどを使用するのもおすすめ。アイクリームは目元のケアに特化した化粧品ですが、ほうれい線のケアにも使えます。

スキンケアのときにフェイスマッサージなどのエクササイズを行い、リガメントや表情筋をほぐしてあげるのもいいでしょう。

3:紫外線対策

紫外線はほうれい線だけではなく、さまざまな肌トラブルや光老化を引き起こす、肌の大敵です。紫外線によって受けるダメージは大きく、乾燥やたるみを進行させてしまうため、紫外線ケアは念入りに行いましょう。

紫外線は日差しの強くなる夏の時期だけではなく1年中降り注いでいます。1年を通じてしっかり紫外線対策を行い、肌を守ってあげましょう。紫外線対策には、例えば以下のようなものがあります。

  • 日焼け止めを塗る
  • 帽子を被る
  • 日傘を使う
  • 外出時は紫外線の強い時間帯を避ける
  • 屋外で過ごすときは日陰に入る

室内で過ごす場合でも、窓際など日が当たる場所で作業するのであれば日焼け止めを塗るようにしましょう。

4:肌をつくる栄養素を十分に取る

ほうれい線はスキンケアや紫外線対策、マッサージなど外側からのケアも大切ですが、内側からのケアも忘れてはいけません。

肌をつくる「たんぱく質」を取ることで、体の内側からもほうれい線にアプローチしましょう。たんぱく質は肉や魚、大豆製品、乳製品、卵などに多く含まれています。

あまり量が食べられないという人は、コンビニやスーパーなどで手軽に購入できるプロテインもおすすめです。ドリンクやゼリー、パウダー、ウエハースなど、さまざまなタイプのプロテイン商品が販売されています。

5:メイク前は保湿を念入りに

ほうれい線部分はへこんでおり、メイクでムラができやすい部分です。メイク前の保湿をしっかり行って肌にうるおいを補給しておくと、ファンデーションがほうれい線に埋まって悪目立ちしてしまうのを防げるでしょう。

「メイクをしたときにほうれい線が特に気になる」という人は、メイクの方法を見直してみるといいかもしれません。

ファンデーションは厚塗りし過ぎると、違和感や崩れの原因になります。薄めに塗るか、フェイスパウダーでつやを出すといいでしょう。

6:美容医療の施術を受ける

深く刻まれてしまったほうれい線を治療したい場合や、どうしてもすぐにほうれい線を改善したい場合には、美容医療の施術を受けるのも一つの方法です。

ほうれい線の改善を目的として行われる施術には、以下のようなものがあります。

  • ヒアルロン酸注入
    注射によってヒアルロン酸をほうれい線に注射することで改善
  • レーザー治療
    レーザーを照射することでコラーゲン生成を促進し、ほうれい線やたるみを改善
  • ハイフ(HIFU)
    真皮層~筋膜層に超音波による熱エネルギーを照射し、組織を収縮させることでリフトアップ
  • 糸リフト
    医療用の特殊な溶ける糸を顔に挿入することで肌のたるみを改善し、リフトアップ
  • 皮膚切除によるフェイスリフト  
    一部皮膚を剥がして皮膚の下にある筋膜も引き上げて、余った皮膚を切除してリフトアップ
  • メーラーファット除去  
    ほうれい線の上にある皮下脂肪を除去してほうれい線を改善

表情ジワによるほうれい線、たるみが原因のほうれい線など、ほうれい線といっても、症状や原因はさまざま。美容医療の施術を受けることを考えたときは、クリニックのカウンセリングで医師に相談し、自分にぴったりの治療を受けることが大切です。

早めのほうれい線対策ケアでシワや肌悩みを解消!

ほうれい線は、ほんの少しあるだけでも顔が老けて見えたり、疲れて見えたりしてしまいます。気になるほうれい線は、早めの対策が鍵。悪化して深くシワが刻まれてしまう前に、ほうれい線を消す対策ケアを行っていきましょう。

リガメントほぐしなどのマッサージやスキンケアなどの対策の他にも、ほうれい線ができる原因を取り除くことも大切です。

すぐにほうれい線を改善したい場合や、ほうれい線を治療したい場合は、美容クリニックや美容皮膚科で施術を受けるという選択もあります。

美しく年を重ねていけるよう、ケアを続けていきましょう。

※この記事は2019年1月の記事を再編集して掲載しています。

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HALMEK up編集部
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