今日から始める50の手習い(4)

ファスティングで体にたまった毒素をスッキリ排出!

公開日:2020/01/30

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知的好奇心にあふれる大人女性が、50代の今から始めてみたいこと、いろいろありますよね。そんなあれこれに、コラムニストの柚原路子さんがトライします。今回は「ファスティング」。常日頃「すっきりしない」「体が重い」と感じるあなた、必読です!

ファスティング

今どきは、ファスティング(断食)でデトックス

ファスティング(fasting=断食)は、一定の期間、飲食を絶つこと。人間の体は、消化吸収をすることがない状態になると、自然に体内にたまった有害な毒素を排泄するため、ファスティングには「デトックス(解毒)」効果があるといわれています。

「デトックス」は、2000年代半ばにはダイエットや美容に関心を持つ女性の間で一大ブームを巻き起こしたので、記憶にある方も多いのでは?

「NIKKEI STYLE(※注1)」によると、当時、話題になったのが、食物繊維をしっかり取って便と一緒に毒素・老廃物を排出する「ファイバー・デトックス」と、「プチ断食」「週末断食」でした。本格的な断食に比べて、短期間で気軽に取り組めることから、これらが注目されたのだそうです。

ファスティング

それから十数年が経過した今日、断食は「細胞レベルからデトックスを促す方法」として世界の医学会から注目され、ブームの再来が取りざたされていると同記事では続けています。

最近では、「ファスティング」という横文字が使われ、おしゃれなイメージになっていることも、これを加速しているのかもしれません。

私の友人にも、年に2回のファスティングを行って体調を改善したという40代の女性がいます。私も数年前から彼女のfacebookへの書き込みを横目でにらみつつ、いつかチャレンジしてみたいと機会をうかがっていました。

そこで今回は、ファスティングをイチから学んで、実際に体験してみることにしたのです。

※注1=2017年2月9日、日経BPヒット総合研究所 西沢邦浩氏著「デトックスにブーム再来? 科学的根拠が後押し」

セミナーで、ファスティングの基本を学ぶ

ファスティングを学ぶ先に選んだのは、ネット検索で見つけた、日本ファスティングコンシェルジュ協会の「歳をとらないファスティング美セミナー」。「歳をとらない」というフレーズと、1~2時間のセミナーで、自宅でできる「半日~1日ファスティング」の方法が学べるという手軽さが目に留まったのです。

同協会のWEBサイトで、希望の日時・場所のセミナーを選んで問い合わせると、のちほど担当講師から直接、専用申し込みフォームのURLがメールされてきました。

料金は、セミナーのみ受講する場合は3000円(消費税別)、同協会がプロデュースするファスティング用のドリンク(360ml)1本をセットで申し込むと6000円(消費税別)。せっかくなので、私は後者を選択。銀行振り込みで代金を支払うと、担当講師から会場となるカフェの案内がメールされてきました。

セミナー当日、約束の時間の2~3分前に指定された表参道のカフェに入ると、店内奥の窓沿いの席に、何気にこちらの様子を伺う女性の姿が……。会釈しながら確認すると、その女性こそが担当講師でした。

今回、参加した「歳をとらないファスティング美セミナー」は、同協会の認定講師が開催しているもので、定員5人のところ、今回の参加者は私一人だけ。普段の参加者は30代の女性が中心とのことですが、“歳をとらない”と謳っているだけに、このところ40代~60代の女性が増えているそうです。

お互いの自己紹介を済ませると、「半日~1日のファスティングをマスターする」というゴールを目指して、テキストに沿ってセミナーがスタートしました。

テキスト

テキストはA4版・カラー・7ページ。「ファスティングってなぁに?」「ファスティングで解毒力をアップ」「ファスティングの嬉しい7つの効果」「ファスティングの種類」「ファスティングの方法」の5項目について、可愛らしいイラストを交えて説明が施されています。

講師によれば、人間の体は外部からのエネルギー摂取が減ると、脂肪を燃焼してエネルギーを得ようとし、脂肪に蓄積された有害物質が血液中に放出され、体外に出やすくなるのだそうです(これがファスティングの原理というわけですね)。

ちなみに、この協会が提唱しているファスティングは、主に植物を発酵させて作った専用のドリンクを用いて行うもの。完全な絶食とは異なるので、ファスティングを無理なく安全に行うことができるのが特長です。

同協会がプロデュースするファスティング用ドリンク「BIO Berry Fast(360ml)」
同協会がプロデュースするファスティング用ドリンク「BIO Berry Fast(360ml)」

そして、ファスティングを行うと、解毒力アップ、自己治癒力・免疫力アップ、内蔵機能のアップ、ダイエット、美肌、血液がサラサラに、味覚が敏感に、の7つの効果が得られるとのこと。これらを、講師自身の体験を交えて紹介してくれたことで、私も挑戦してみたいという意欲がグンと高まりました。

で、肝心のやり方としては、朝食または夕食をファスティングドリンクに替える「半日ファスティング」と、1日を水(白湯)とファスティングドリンクのみで過ごす「1日ファスティング」の2つを教わりました。

私は朝食を食べないため、普段から1日2食なのですが、講師に「既に半日ファスティングをしているようなものだ」と言われ、自分にもできる気がしてきました。

温泉で、1泊2日のファスティング体験

次に、実際のファスティングを体験しようと、「温泉断食プラン(1泊2日コース)」を申し込みました。体験先の、八ヶ岳縄文天然温泉「尖石の湯」は、デトックス効果のあるお湯が自慢の施設。新宿から中央本線で約2時間の茅野駅からバスで20分ほどのところにある、いわば“秘境の温泉”のようなスポットです。

到着すると、女性スタッフが温泉断食プランのスケジュールを説明した後、館内の設備を一通り案内してくれました。

1階には、広々としたロビーと食堂、さらにその横には和室があり、利用客は本を読んだり、仲間と話したり、これらの空間を思い思いに利用することができます。

また、地下には内風呂と、広々としたスタジオやトレーニングルームがありました。スタジオでヨガや瞑想を行ったり、トレーニングルームでエアロバイクをこいだり、雨天はもちろん寒い雪の日にも、室内で体を動かすことができるようになっています。

「温泉断食プラン」の料金は季節により異なるものの、利用した2019年11月上旬は1万2000円(消費税別)とリーズナブル。
写真提供=尖石の湯

私が泊まったのは、10畳は軽く上回ると思われる広々した一室に洗面所とトイレが付いた2階の一室。正面の窓からは晩秋の山林風景が望め、ささやかなウッドデッキも備わっています。室内には、窓に沿ってカウンター・テーブルが設えられ、振り返るとキングサイズのベッドがドーンと控えています。

カウンター・テーブルの上には、宿泊施設にはつきもののポットと急須と湯飲みに加えて、柿の葉茶、50%に希釈した温泉水とカップ、そして「温泉断食でお過ごしいただくにあたりまして」と記されたA4版7ページの資料が置かれており、断食に向けての緊張感が高まります。

「温泉断食プラン(1泊2日コース)」のプログラムはこんな感じです。

・14時~17時  チェックイン
・17時半     にんじん果肉ジュース2杯と梅干し1個
・翌朝8時半   にんじん果肉ジュース1杯と梅干し1個
・10時    回復食(おかゆ膳)
・11時    チェックアウト

2日目の朝に出されたにんじん果肉ジュース1杯と梅干1個(写真上)と、回復食の「尖石の湯仕立て おかゆ膳」

2日目の朝に出されたにんじん果肉ジュース1杯と梅干1個(写真上)と、回復食の「尖石の湯仕立て おかゆ膳」
2日目の朝に出されたにんじん果肉ジュース1杯と梅干1個(写真上)と、回復食の「尖石の湯仕立て おかゆ膳」

濃厚なにんじん果肉ジュースのおかげで、ほとんど空腹感がないばかりか、むしろ体に良いことをしている感覚を味わうことができました。

回復食の「尖石の湯仕立て おかゆ膳」は、無農薬のカルガモ農法玄米を尖石の湯で仕立てたお粥を中心に、ワカメと粗くおろした大根の味噌汁、湯豆腐、鮭のフレーク、お新香、さらには地野菜を用いた酢の物や煮物、そして信州りんごの甘露煮の計9品。断食の後に限らず味わいたい、健康的なメニュー構成でした。

一方の温泉は、世界でトップクラスといわれるサルフェート(硫酸塩)の含有量が特徴。サルフェートには、高い利尿作用を持つ物質が含まれているため、体内や血液中の老廃物を排泄、代謝を高める「デトックス効果」があるとか。生活習慣病の予防や老化防止、アレルギー体質の改善、便秘解消、美肌、ダイエットなどの効果が期待できるそうです。

尖石の湯の温泉
宿の裏手に設けられた露天風呂は、自然の味わいを生かした作り。東屋のような脱衣所とお手洗い、上がり湯が併設さている。
写真提供=尖石の湯

施設内は禁酒・禁煙で、テレビもありません。初めは時間を持て余すのではないかと心配していたのですが、柿の葉茶、びわ茶などの薬膳茶、温泉水で水分を補給したり、露天風呂や内風呂で温泉に浸かったり、持参した本を読んだりしているうちに、あっという間にプログラムが終了。

帰宅後、こわごわとヘルスメーターに乗ってみると、僅かながらも体重や体脂肪率が減っていたのは、うれしいおまけのように感じられました。

宿から徒歩圏内にある竜神池。近隣にはハイキングコースや観光スポットも多いので足を伸ばしてみてもいいかも。
宿から徒歩圏内にある竜神池。近隣にはハイキングコースや観光スポットも多いので足を伸ばしてみてもいいかも。

“足し算の栄養”から“引き算の栄養”へ

ファスティング

先に述べた通り、私がファスティングに興味を持ったのは、40代女性の友人の体験を聞いてのことでした。そして私自身がこれを体験して数週間を経たある日、50代の従兄弟とお正月の計画を練っていると、彼もこの年末年始にお寺で断食をするとのこと。さらには今年に入り、50代にして起業して間もない仕事仲間の女性からも、年末年始に伊豆の温泉でファスティングしたという話が飛び込んできました。

冒頭で述べたファスティング・ブームの再来は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。

このようにファスティングが注目される背景には、日本経済の発展と足並みを揃えての、生活環境の変化があるものと思われます。戦後の貧しい時代を経て“飽食の時代”が到来したのに伴い、当初は女性の痩身願望とリンクして、最近では、体調を改善する、あるいは健康寿命を延ばすという観点から、これが注目されているということです。

実際問題、ファスティング専門家の間では、“足し算の栄養”から“引き算の栄養”へといったトレンドが指摘されているとか。つまり現代を生きる私達は、飽食のツケを払うことを求められているのかもしれません。前回の部屋の片づけに続いて、今回は体の中の片づけか……。今回の体験を通して、そんなことを考えさせられました。

今後は、年末年始の忙しさを言い訳に、自宅に置き去りにされている「BIO Berry Fast」を使ってお正月太りを解消しようと画策中。理屈はともあれ、私自身も脂肪が付きやすいハルメク世代。太った分は、こまめに対策を講じないと……ですよね。
 


A. 日本ファスティングコンシェルジュ協会
ファスティングにかかわる情報を届けたい人と知りたい人、その双方を応援し、社会を元気に、女性を美しくしていくことを目的に活動を展開。ファスティングコンシェルジュの資格取得講座を開催する一方、資格認定者によるさまざまなミニセミナー、お茶会、コンサルの展開を支援している。セミナーは、首都圏・関西・九州での開催するものに加えて、オンライン版もある。https://fasting-concierge.jp/about/

B. 八ヶ岳縄文天然温泉「尖石の湯」
人材研修で知られるグループダイナミクス研究所が運営する、長野県茅野市の宿泊研修施設。平日は企業の研修施設として活用されているが、週末は一般客向けに「週末湯治プラン」と「温泉断食プラン」を展開。「温泉断食プラン」には、今回紹介した1泊2日の半日プランのほか、2泊3日の1日プランもある。周辺には「尖石縄文考古館」などの文化施設や風光明媚なハイキングコースもあり、観光の合間に日帰りで入浴することもできる。http://www.togariishinoyu.com

柚原路子

ハルメク世代のコラムニスト。マーケティング・リサーチ会社勤務、フリーのプランナー&ライターを経て、マーケティング・エージェンシーを立ち上げ。最近ではコラムニストとして「異文化コミュニケーション」「トレンド」「メディア」「顧客接点」「終活」などの領域で取材・執筆も行う。

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