大人の女性におすすめの新刊情報

【書評】石田純子監修『捨てられない服』他

公開日:2019.06.11

雑誌「ハルメク」の編集部員がおすすめする新刊情報を毎月お届けします。今月は「なかなか捨てられずに手元にある服」を着こなすためのスタイリング術を提案する人気スタイリスト・石田純子さんの新刊など3冊をご紹介します。

石田純子監修『捨てられない服 新しい一歩を踏み出すきっかけは身近にある』

主婦の友社刊 1500円(税別)

思い切って買った高級品、着心地のいい一着、思い出のある服 ……誰もが一つは「捨てられない 服」を持っているのではないでし ょうか? 本書はハルメク世代のスタイリスト・石田純子さんが、そんな「捨てられない服」を着こなすコツを教えてくれる一冊です。

例えば、50年物の思い入れのあ るコート、手放したら二度と出合えない美しい色柄の服。スタイルよく見えるように、着まわしできるように、流行遅れにならないように――そんな誰かの目線でなく、自分らしくおしゃれを楽しむヒントがたくさん。大切な服だからこ そ、しまい込まずに着てみようと、 そっと背中を押してもらえるはずです。

ラプレツィオーサ伸子著『ホスピスナースが胸を熱くした いのちの物語』

青春出版社刊 1380円(税別)


著者は日本で生まれ育ち、看護師として勤務後、留学のため渡米。 その後知り合ったアメリカ人の夫と子どもとアメリカで暮らしながら、20年以上在宅ホスピスナースを続けています。

 

16日と2時間10分の命を全うしたエミリー、遠い国での3月11日の悲劇に涙を流し、著者の家族の安否を気遣ってくれたMr.カイン......など、著者が出会った忘れられない患者さんと家族のエピソー ドが本書ではつづられています。「終活」が日本でも浸透しつつある今、ホスピスとは死ぬことをケアするのではなく、最期までその人らしく「生きる」「生きようとする」のを支え、お手伝いすることと著者は思いを語ります。

北野佐久子著『イギリスのお菓子とごちそう アガサ・クリスティーの食卓』

 

二見書房刊 1800円(税別)

今なお映画化、ドラマ化されるアガサ・クリスティーの作品。そこに描かれる古きよき英国の暮らしぶりが好きで何度も繰り返し読 んでしまう――そんな方は必読です。クリスティー作品に出てくる料理やお菓子の再現だけでなく、その料理の背景や、現代英国では どんなふうに食されているか、著者の実体験を写真とともにつづります。

例えば『パディントン発4時50分』からはミス・マープルとともに活躍するスーパー家政婦ルーシーが作る「リンゴのメレンゲ」が登場。英国特有のリンゴの品種からレシピまで丁寧に紹介されています。おいしそうな写真に惹かれて、まだ読んでいない作品に手を出したくなります。

※この記事は2019年7月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
 


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捨てられない服

ホスピスナースが胸を熱くした いのちの物語

イギリスのお菓子とごちそう アガサ・クリスティーの食卓

雑誌「ハルメク」

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