素朴な疑問寂しいと淋しいの違いは?

公開日:2021/03/09 更新日:2024/02/21

 

寂しいと淋しいの違いは?
寂しいと淋しいの違いは?

こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。

 

最近、健康のために毎日ダンナさんと近くの自然公園までウォーキングをしています。空はどんより曇っていて、公園には人の姿はほとんどなく、なんだかさみしい感じ……。あれ、そういえば、「さみしい」って、「寂しい」と書いたり、「淋しい」と書いたりするわね。何か違いってあるのかしら? 気になったので、「寂しい」と「淋しい」の違いについて調べてみようと思います。

 

寂しいと淋しいの違い

調べてみると、「寂しい」と「淋しい」はどちらも「心が満たされず、もの悲しい気持ち。人の気配がなく、ひっそりとしているさま」という意味。基本的には同じ意味として使うことができる言葉です。

 

ただし少しだけ違いがあります。一つは漢字の持つ意味。「寂」という字は「さびれてひっそりとしていること、静かなこと」という意味で、人の気配がなく静まり返った様子を表します。一方、「淋」という字は「水が絶え間なく滴り落ちていくさま」を示す漢字です。ここでいう水とは、涙のこと。涙が止まらないほど悲しく心細い気持ちを「淋しい」と表現します。

 

つまり、「寂しい」は音がなくシーンと静まり返っている情景を指し、「淋しい」は涙が止まらないほど悲しい精神状態を強調しているということ。例えば、誰もいなくて心細いときは「寂しい」、ペットが死んでつらいときは「淋しい」というふうに使い分けることができます。

 

もう一つは「常用漢字かどうか」という点。「寂」は常用漢字ですが、「淋」は常用漢字ではありません。そのため、日常ではどちらを使っても大丈夫ですが、学校の漢字テストや公用文といったオフィシャルな文面で「淋しい」は使えません。テストでうっかり使ってしまうとバツになるかもしれないなんて、なかなかややこしい!

 

「さみしい」と「さびしい」の違い

「寂しい」「淋しい」の違いがさらにややこしいのは、「さみしい」と「さびしい」と読み方も2種類あるということです。

 

漢字と同様、「さみしい」と「さびしい」はどちらも「寂しい」「淋しい」の両方に使うことができます。つまり「寂しい」を「さみしい」と読んでも、「さびしい」と読んでもいいのです。「淋しい」も「さみしい」「さびしい」の両方使えます。

 

ただし、「さびしい」には、大きく分けて二つの意味があります。

  1. いるはずの人、あるはずの物がなくて、満たされない気持ち。
  2. 人の気配がなくひっそりしている。

 

「さびしい」は、上記1と2の両方の意味として使えるのに対して、「さみしい」は上記2の意味では使いにくいようです。

 

また、ここでも登場するのが「常用漢字」の壁。常用漢字では「さびしい」が採用されていて、「さみしい」は採用されていません。テストで「寂しい」を「さみしい」と読むとバツになってしまいます。

 

まとめると、学校の漢字テストや公式な文面で使えるのは「寂しい」を「さびしい」と読む組み合わせのみ。メールなど日常の文面では「淋しい」「さみしい」でもオーケーです。

 

景色がさびしいときは「寂しい」、心がさびしいときは「淋しい」と覚えておくと、使いやすそうですね!

 

 

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参照:99BAKO

   goo 辞書

   NHK放送文化研究所

 

ワタシは最近ちょっと髪の毛が「寂しく」なってきて、「淋しい」です。
ワタシは最近ちょっと髪の毛が「寂しく」なってきて、「淋しい」です。

 

イラスト:飛田冬子

 


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