お金の疑問・不安を解消!
資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪
2021年02月11日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
先日、近所の友人が「大阪の実家に帰れない代わりに、関西のグルメをいろいろ取り寄せてみたの!」と言って、我が家にもおすそ分けしてくれました。
うれしい贈り物をおいしくいただきながら、何げなくパッケージを眺めたワタシの目に飛び込んできたのが「豚まん」の文字。「肉まんでなく、豚まん?」。見た目も味も普段食べている肉まんとそっくりだけど、どこか違いがあるのかしら。気になってきたので、早速調べてみましょう。
結論から言えば「豚まん」と「肉まん」はどちらも「豚肉入りの中華まん」で、同じものなんですって! ではなぜ呼び方が違うかというと、そこにはどうやら関東と関西の二つの食文化の違いに秘密があるようです。
関東では、昔からさまざまな肉が食べられていましたが、関西では牛肉がよく食べられていたそうで、肉といえば「牛肉」を指すことが多いんだとか。他のお肉、豚は「豚肉」、鶏は「かしわ」と呼び方を変えていたそう。そこから、「肉まん」というと「牛肉が入っている」と勘違いされてしまうため、「豚まん」という呼び方にしたそうです。友人がプレゼントしてくれた肉まんが「豚まん」と書かれていたのも、関西のメーカーだったからなのね。
ただし最近では、肉まんと豚まんの両方を扱っているお店や食品メーカーが増えているそうです。この場合は「肉まん」がスタンダードで、豚肉の量が多いものや、ゴロゴロした肉が入って豚肉らしさを味わえるもの、特別な味付けをしてあるものなど、ちょっとリッチな肉まんを「豚まん」としてラインナップしているケースが多いみたい。お値段も豚まんの方が高めになっているので、「ワンランク上の肉まん」という位置付けってことなのかしらね。
今では冬の定番として愛されている中華まんですが、その名の通り、もともとはお隣の中国で誕生した蒸し料理です。諸説ありますが、あの「三国志」で有名な名将・諸葛孔明(しょかつ・こうめい)が作らせたのが始まりだという説もあります。
諸葛孔明が南蛮征伐の帰りに濾水(ろすい)という川を渡ろうとしたところ、嵐で川が荒れ狂ってとても渡ることができなかったそうです。当時、地元では「人間の首を捧げると水神が鎮まる」と信じられていたため、地元民が捧げる者を調達しようとしましたが「合戦で多くの命が失われたのに、これ以上の犠牲は出したくない」と孔明は一策を講じました。
そこで小麦粉を水で練った生地の中に羊や豚などの肉を詰め、人の頭の形に似せたまんじゅうを料理人に作らせました。それを生首の代わりに川に投げ入れたところ、何と氾濫が収まったんだとか。このとき生まれた「饅頭(まんとう)」が奈良時代に日本へ伝わり、さまざまな進化を遂げて中華まんになったといわれています。
肉まんのルーツは生首の代わりだったのね……。でも、肉まんでも豚まんでも、おいしいことに変わりなし。今度は我が家でも関西の豚まんを取り寄せてみようかな。
■人気記事はこちら!
イラスト:飛田冬子