公開日:2020年12月30日
素朴な疑問
雲海が見られる条件とは?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
先日旅行番組で見た雲海の美しさが忘れられないワタシ。いつかダンナさんと一緒に見てみたいわ~と思い、雲海が見られる条件について調べてみました。
雲海とは
「雲海」とは、山の上や飛行機から見られる、眼下一面に広がる雲(濃霧も含む)のことです。大海原のように広がった雲なので、雲海と呼ばれるのだそう。雲海には数種類あり、よく知られているのは、放射霧による雲海です。
放射霧による雲海が発生する仕組みは、霧の発生とほぼ同じ。地面からは常に熱が放出されていて、日中、空気は太陽の熱で温められています。しかし、深夜から早朝にかけてよく晴れると、地面からの熱は宇宙空間に放出されて気温が下がります。これを「放射冷却」といいます。
放射冷却により地表近くの空気の温度が一気に下がります。すると、普通は上空の乾燥した空気の層の方が気温が低いのに、地表付近の気温の方が下がることになります。
この冷えた空気は、無風もしくは弱い風のとき、山間部や盆地にたまります。このとき水蒸気が飽和状態を通り越して霧が発生します。この霧を上から見ると、雲海の状態で見られる場合があります。
その他の雲海
- 川霧・湖霧・蒸気霧の雲海
川や湖の温かい水面上に冷たい空気が流れると、水面が蒸発して発生する霧です。早朝、広範囲で見られます。
- 雨上がりの雲海
前日の雨で空気や地面が湿っていて、夜間の放射冷却で発生する霧です。早朝、局地的に見られます。雨上がりの朝の登山では、雲海発生の可能性が高いといえます。
- 移流霧の雲海
冷たい海上や陸地に暖かく湿った空気が移動してきて、下層から冷やされ発生する霧です。北日本の太平洋側、主に夏に多く発生します。
- 滑昇霧の雲海
暖かく湿った空気が、山の斜面をはい上がるにつれて冷やされ、霧になります。年間を通して、山間部に発生します。
- 悪天候(雨天)時の雲海
低気圧や前線によって雨が降ると、低い高度に雲ができる場合があります。季節を問わず、上の雨雲と下の雲の隙間に発生するのが、悪天候(雨天)時の雲海です。
雲海ができる条件
雲海の気象的条件
- よく晴れた夜間に気温が下がる、もしくは前日に雨が降って湿度が高いとき。
- 日中と夜間の気温差が大きいとき(寒暖差は10℃以上)。
- 放射冷却が起こりやすく、大気が安定する秋から春先の季節。
- 時間帯は夜明け前から早朝にかけて。
雲海の地理的条件
- 発生した霧がたまりやすい内陸の山間部や盆地。
- 蒸気霧が発生しやすい川や海、湖など。
雲海を見に行くときの注意点

雲海が見頃の季節は秋から春先、時間帯は放射冷却でよく冷えた明け方ですから、長袖と長ズボンで防寒しましょう。霧に包まれたときのためのレインウェアも忘れずに。山道も霧で見通しが悪くなることが多いので、電灯やヘッドライトも持って行きましょう。
また、雲海が有名な観光地ではシーズン中、道路や駐車場が混みます。出発、移動の時間配分には余裕を持ちましょう。撮影スポットには、トイレがないことも考えられるため、ホテルや駐車場などで済ませておくと安心です。
雲海を見るのって大変そう……。でも、見られたら人生観が変わる気がします。
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参照:暮らし~の
イラスト:飛田冬子




