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2020年08月15日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
娘の部屋がにぎやかだと思ったら、友人たちと千羽鶴を折っていました。最近入院した友人のためなんですって(早くよくなるといいわね……)。そういえば、折り鶴や千羽鶴って、どうしてお見舞いに使われるのかしら? 気になるので調べてみました。
610年頃、中国から紙を作る技術が日本に伝わり、その後、日本人は薄くて強い紙、「和紙」を作りました。和紙は、上流階級の人々が贈り物を包んだり、神様へのお供えとして使われましたが、やがて、「折り目」が付くことを応用して、少しでもきれいな形をと、さまざまな折り方を考えるようになったといいます。
江戸時代、1700年以降に和紙の生産量が増え、庶民の間にも折り紙が普及しました。始めは、目録や鑑定書としての折り紙でしたが、後に子どもの遊びとして、折り鶴が折られ始め、千羽鶴が誕生したそうです。
亀は万年、鶴は千年といわれるように、「長寿の象徴」として知られています。ここでいう鶴とは、頭に赤い模様のある丹頂鶴(タンチョウヅル)を指し、寿命はおよそ20年~30年、飼育下では50年も生きるそうです。
日本では古くから、鶴は「おめでたい鳥」。そんな縁起のよさから、折り鶴は古くから折られてきたといわれています。おめでたい鶴が千羽そろう千羽鶴も、「よいことが起きる前ぶれ」とされていました。
ちなみに、千羽鶴の「千」という数は、たくさんという意味なので、ぴったり千羽でなくてもよいそうです。
長寿の象徴以外にも、鶴はつがいの仲のよさから「夫婦円満の象徴」、そして鶴の声は遠くまで届くので「天上界に通じる存在」ともいわれています。
そんなおめでたい鶴がそろった千羽鶴に「病気回復」という願いが込められるようになったのは、戦時中、兵隊さんがお守りとして身に着けていた千人針の影響があると考えられています。
もう一つ、千羽鶴には「平和の象徴」という意味もあります。これは、広島の平和記念公園に建てられた「原爆の子の像」のモデル、佐々木貞子さんのエピソードからきています。
2歳で原爆に被爆した貞子さんは、10年後に白血病を発症しました。病室には、貞子さんの病気回復を願う人たちと、貞子さん本人も折った千羽鶴が吊るされましたが、残念ながら貞子さんは8か月後に亡くなってしまいました。原爆の子の像には、今も平和への願いを込めた千羽鶴が、ささげられているといいます。
そうしたこともあって千羽鶴は、病気やけがをしている人に早く治るようにと願いを込めて贈ったり、被災地の復興を祈って贈ったり。時にはスポーツの試合の必勝を祈って折ったりされていますね。
折り紙や千羽鶴には、いろいろな思いや意味が込められているんですね。娘たちの千羽鶴、ワタシも手伝わせてもらおうと思います。
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参照:日本文化研究ブログ Japan Culture Lab
イラスト:飛田冬子